脱近代

三河島や椎名町が消えたわけ

1962年(昭和37年)5月3日、国鉄(現JR東日本)常磐線の三河島駅構内で「国鉄戦後五大事故」のひとつに数えられる「三河島事故」が発生した。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E6%B2%B3%E5%B3%B6%E4%BA%8B%E6%95%85 死者160名、負傷者296名を出す大…

調布の怪建築の記憶

ふいとショートショートの一本でも書こうかと気まぐれをおこし、しかし日頃そんなことなど考えていないから、実体験の奇妙な出来事を遡る。 そうして思い出したのが、この建物だ。無愛想極まる四角いコンクリート造の建物、オフィスなりアパートなりにしては…

なぜ誰も「変なホテル」はメタボリズムだと言わないのか

HTBに「変なホテル」? 長崎新聞 1月28日(水)9時21分配信長崎県佐世保市のハウステンボス(HTB)は27日、園内に建設中のスマートホテル(省エネホテル)の概要を発表。名称を「変なホテル〜変わり続けることを約束するホテル〜」とし、第1期分(72室)を7月1…

暴徒の仲間だボート・ピア

タイトルはただの語呂合わせですすみません。関係者のみなさま競艇ファンのみなさまにおかれましてはどうぞ気を悪くなさいませぬよう。えー、まじめに調べてないんですが昭和20年代から30年代まで続いたのかな、各地の競馬場や競輪場で「八百長だ!」ってん…

「セルフサービス」黎明期 #2

<関連記事は11月3日付「セルフサービス」黎明期 #1の一覧から> 大宅文庫で『画報 文化生活』という雑誌の昭和32年3月1日号を閲覧してきました。先進的、文化的な生活様式を紹介するという、いかにも戦後復興期から高度成長期にさしかかった時代らしいコン…

「セルフサービス」黎明期 #1

先日のエントリについて、新日本スーパーマーケット協会の方に「セルフサービスの店」「スーパーマーケット」の定義と歴史を詳しく教えていただきました。ただ、「どこかの段階で、セルフサービス方式の食料品店ならば、本来の定義に当てはまらなくとも一緒…

喪女に関する覚書

元をただせば近代的状況=モダンのもじりで「喪男」という語が作られ、そこから派生した「もてない女性」(大意)を示す言葉が「喪女」だった。 モジョといえば『パワーパフガールズ』の敵役である。すなわち喪女は「お砂糖、スパイス、ステキなものをいっぱ…

箱根直通電車を知らなかった小林一三

ずいぶん前に出た『昭和の鐵道と旅』を今さら開いた。昭和の鉄道と旅 (AERAムック)出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2010/11/30メディア: 大型本購入: 1人 クリック: 22回この商品を含むブログ (4件) を見るこのムックに、『週刊朝日』昭和31年2月26日…

デビルマンの時代に核の冬は無い

永井豪の『激マン!』は『デビルマン』執筆当時の状況を描いた自伝的マンガ。主人公は永井豪ならぬながい激(ながいけんやなかいま強と紛らわしい)、『デビルマン』の掲載誌は『少年マガジン』でなく『少年マンガ人』で、一応はフィクションということにな…

月にロケットが飛ぶ時代、の7年後

かつて当ブログ(2009/8/5付)や「明日は昨日の為にある」(2007/4/5付、2007/4/19付)で取り上げたレトロなフレーズ。 「「幽霊? ハハハ、バカバカしい。月にロケットが飛ぶ科学万能の時代にキミはそんな迷信を信じているのかい?」 以前取り上げたときには…

テレビが終わる日

TVのアナログ地上波放送、私はその最後の瞬間を、アナログ地上波放送そのもので見ることはまず無い。 それは確定事項として、私はたぶんyoutubeか何か、ウェブ配信の動画で見るんだろうなと思う。 まぁ、ニュースで扱われれば、そこでチラと見るかもしれない…

怪奇大作戦#2

黒の試走車 (岩波現代文庫)作者: 梶山季之出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2007/07/18メディア: 文庫 クリック: 10回この商品を含むブログ (9件) を見る「黒の試走車」は産業スパイ小説というか企業小説。 「黒の思想社」だったりしたらカルト教団かテロ組…

コミカライズ版『フラクタル』

というわけで、最近になって爆発的に「コミカライズ」という言葉を広めた(「アニメの漫画化」を語るにあたって、皆が皆「コミカライズ」という言葉を使うようになった)功労者である『フラクタル』を購入した。フラクタル(1) (ガンガンコミックスONLIN…

ネット社会の悪平等

ヤマカンと漫画家の件について「どっちもどっち」という人がいて、「アホか」と思う。一方は社会人成り立て、それも漫画家という個人事業者としての第一歩を踏み出したばかりで、まだ右も左もわからないようなヒヨッ子。一方は会社勤めを経て、当たらなかっ…

70年代のクルマと社会

『Dororonえん魔くん メ〜ラめら』のいわゆる「昭和ネタ」「70年代ネタ」に対しては、「しつこい」「やりすぎ」といったネガティブな感想が多々見られるが、時代考証の難点を指摘したものがない。実際にあの時代を生きていたはずの人さえ、ただ「懐かしい」…

セカイ系の浸透と拡散

「最近、「セカイ系」と呼ばれる人たちが増えているという」って、いきなり飯を噴く。 オバマ批判はできても「自分の明日」は語れない 引きこもりに多い“セカイ系”の不思議な生態最近、「セカイ系」と呼ばれる人たちが増えているという。セカイ系とは、自分…

ライトノベルと軽小説

いわく、村上春樹問題。 小田嶋(隆) この間、高橋源一郎が言っていたんだけど、今の若い人たちにとっての文学とか、読書体験みたいなものは、夏目漱石、森歐外は学校で習うにしても、そこから次はいきなり村上春樹になっている、という。岡(康道) 飛ばされち…

子持ちの未亡人はシングルマザーか

2月から『東京マグニチュード8.0』がANIMAXで放映開始。その番宣で主要な登場人物のひとり、真理を「シングルマザー」と言っていることに違和感を覚える。 真理は確かに女手ひとつで娘を育てているが、夫と死別した若き未亡人だ。対してシングルマザーは、「…

カラー愛蔵版『坊っちゃん』の時代

高い!カラー愛蔵版「坊っちゃん」の時代作者: 関川夏央,谷口ジロー出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2010/12/15メディア: 大型本購入: 1人 クリック: 16回この商品を含むブログ (8件) を見るでも買った!! 後悔はしていない…っていうかA4版オールカラーでハー…

謎のリスト2010

今年も最後は「謎のリスト2010」。超高打率で点数でも昨年を上回ってしまいました。CM畑の青ざむらい作者: 井上真邦出版社/メーカー: 文芸社発売日: 2010/02/01メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 4回この商品を含むブログ (1件) を見るCM制作会社…

ポメラと昭和の影

もうひとつ、ポメラのバカ変換というか辞書のバカっぷりの話。 「あきひと」の変換候補が明人、昭人の二つしかない。 一方、「ひろひと」は裕仁のみが候補に上がる。 昭和天皇となった今、裕仁は既に歴史上の用語であり、明仁より使用頻度が高いということは…

1950年代の「空飛ぶ車」

以前に触れた「空飛ぶ車」(2010年2月9日付、2月13日付)の話題を再び。別件で『岩波写真文庫 自動車の話』(1953年9月30日発行)を開いたら、ふいと一葉だけ「空飛ぶ車」の写真が載っていることに気がついた。 「自動車がお高い國」という記事、バスの工程…

/五島勉以前のノストラダムス#4

そんなこんなで「五島勉以前のノストラダムス」の4回目(#1は2007年3月28日付、#2は2007年11月25日付、#3は2010年8月16日付)。ウィキペディア「ノストラダムス現象」によると、「「予言者」ノストラダムスの予言解釈の紹介を最初に行ったのが、作家の黒…

/五島勉以前のノストラダムス#3

シリーズにするつもりはなかったが3回目。1回目、2回目はそれぞれこちらをごらんください(2007年3月28日付、2007年11月25日付)。お盆で帰郷した折に、学研・ジュニアチャンピオンコース『なぞ驚異 世界のなぞ 世界のふしぎ』を開いた。カバーが無いので…

ユビキタス(死語)

決して死語と化したわけではないが、それでも「ユビキタス」の語を目にする機会は格段に減った。 ユビキタス的状況がまさに遍在化したことで、あえてその名を呼ぶ必要が無くなったのだ、と思えば時の流れにちょっとした感慨を覚えるが、そんな大層な話ではな…

幕末世界 〜攘夷〜

ギギ…ケアケア… ギャゲエッ アゲエッ ギェエエッ ギェ… ゲエエエッ 「攘夷ッ」 幕末世界~攘夷 (キングシリーズ 漫画スーパーワイド)作者: 森田信吾出版社/メーカー: 小池書院発売日: 2010/07/17メディア: コミック クリック: 13回この商品を含むブログ (3件)…

プリズナーNo.6

ちょっと海外ドラマ方面のアンテナを低くしてたらその隙に、スーパードラマTVではオリジナル「プリズナーNo.6」が、AXNミステリーではリメイク版「プリズナーNo.6」が始まっていた。前者は3話から視聴開始、後者は4話から。全6話のうち半分を見逃したのは…

ウルトラセブン#7「宇宙囚人303」

話は割とどうでもいいんだけど、設定が面白い、というか特異で印象に残る回。倒すべき悪役は「キュラソ星人宇宙囚人303」であって、キュラソ星人は侵略者でも敵性勢力でもないのだ。最後はこんなシーンで締めくくられる。 ミズノ「参謀、キュラソ星の連邦警…

交通公園と交通戦争の時代

鉄道趣味の人間にとって交通公園とは、何の静態保存機が展示してあって保存状態はどうで、という興味の対象でしかない。私にはほかにせいぜい、子供の頃にゴーカートを乗り回した思い出があるくらいだ。なので、どうして交通公園なるものがあるのか考えたこ…

/ガンダム建築のマッピング

昨日のエントリとか、その前とかからの続き。ここで一度、流れを整理します。1992年1月の『AERA』誌で、中崎隆司はM2ビルを「ポスト・ガンダム」と評している。となると当然、ガンダム建築は80年代後半に建てられた、ということになる。つまり、自動車の「ガ…