/五島勉以前のノストラダムス#3

シリーズにするつもりはなかったが3回目。1回目、2回目はそれぞれこちらをごらんください(2007年3月28日付2007年11月25日付)。

お盆で帰郷した折に、学研・ジュニアチャンピオンコース『なぞ驚異 世界のなぞ 世界のふしぎ』を開いた。カバーが無いのでいつの版かわからないが、「この本のはじめに」の日付は1971年11月3日になっている。その後改訂があった可能性がないわけではないが、基本的に全て1971年以前に書かれたものと考えていいだろう。

この本のp188〜189、見開き2ページだけだが「世界最大の予言者」として、ノストラダムスが紹介されている。

世界最大の予言者
「陛下は、四十一歳のときに決闘をして、頭にけがをし、盲目になって死にます……。」
 一五四八年のこと、そのころ医者をしていたノストラダムスは、フランスの王、アンリ二世の運命をこう予言した……。
 もちろん、これはずばりと当たったが、ノストラダムスが世界最大の予言者といわれるようになったのは四百年以上もたった最近のことである。
 一五○三年、フランスのサンレミというところに生まれたノストラダムスは四行の詩の形で、一五五五年に、フランス革命から紀元七千年までを予言する『ノストラダムスの諸世紀』という本を書いた。
 一五六六年七月一日、ノストラダムスは机に向かったまま死んだが、自分の死はもちろん、世界の歴史を上の表(下の引用部分)のように次つぎと当てているのだ。予言は百パーセント当たり、日本がアメリカを急襲した真珠湾攻撃アメリカの戦死者が三十万人という数まで当て、最後には原爆で日本が負けるとまで書いている。

ノストラダムスの予言
●十八世紀のフランス革命と、ルイ十四世の死を予言。
●ドイツにヒトラーが現われ、第二次大戦が起こると予言。また、日本とアメリカの戦争で広島と長崎の原爆投下を予言している。
ロシア革命を予言。
●一九九九年には、宇宙から侵略者がやって来るが、地球人がこれを防ぐと予言。
●紀元七千年には、世界の終わりがやってきて、人間は神のさばきを受けるという。

当時のフランス人が関心を持っていたとはとうてい思えない「日本とアメリカ」の戦争の予言を予言していたりと、後の五島勉ノストラダムスの大予言』と共通する部分がある一方、1999年の宇宙からの侵略は防ぐと書かれている。『大予言』が五島勉の全くの独創ではないことは言うまでもないが、日本における元ネタというかルーツは何に求められるのだろうか。