1950年代の「空飛ぶ車」

以前に触れた「空飛ぶ車」(2010年2月9日付2月13日付)の話題を再び。別件で『岩波写真文庫 自動車の話』(1953年9月30日発行)を開いたら、ふいと一葉だけ「空飛ぶ車」の写真が載っていることに気がついた。

「自動車がお高い國」という記事、バスの工程を追いながら何がいくらと挙げて「アメリカなどに比べると材料費が割と高い」と書いたり、車の値段がいくらと書いたりする中で唐突に登場する。

いや全く唐突で、キャプションも「空飛ぶ自動車などという悪戯の余裕が無い日本の設計者は」というだけ。どこの国のどういう「空飛ぶ車」なのかもわからない。まぁ悪戯呼ばわりされる程度で、試作品というより一発ネタ、ゲテモノだったのだろう。
それにしてもこの、ジェットスクランダーというかスリングパニアーというかエールストライカーというか可翔式というか、ちゃんと車の形をしたものに後から飛行ユニットを無理やりつけたかのようなデザインはちょっと燃えるな。
ちなみにこの本、私は古書市で当時のものを210円で購入したが、今は復刻版が手軽に買える。

自動車の話 (岩波写真文庫 赤瀬川原平セレクション 復刻版)

自動車の話 (岩波写真文庫 赤瀬川原平セレクション 復刻版)

また、以前にちょっと盛り上がった「ポンコツの語源」シリーズの出発点(2008年9月17日付)もこの本だった。