読書

謎のリスト2010

今年も最後は「謎のリスト2010」。超高打率で点数でも昨年を上回ってしまいました。CM畑の青ざむらい作者: 井上真邦出版社/メーカー: 文芸社発売日: 2010/02/01メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 4回この商品を含むブログ (1件) を見るCM制作会社…

斎藤智裕『KAGEROU』

「おばあちゃんが言っていた。馬には乗ってみよ、本は読んでみよってな!」 というわけで。明らかに未読の連中までもが好き勝手ボロクソ言ってることに少々腹を立て、買っちゃいましたよ『KAGEROU』。KAGEROU作者: 齋藤智裕出版社/メーカー: ポプラ社…

あたらしいみかんのむきかた

「週刊少年サンデー」を読んでいて、強く目を引いた広告。 これは児童書の体裁だから、ふつうに考えたら読者層がサンデーと重なるはずがないのだが、そこであえて出稿するあたりに自信のほどがうかがえる(まぁ自社広告だからロハなんだろうけど)。 「きみ…

/五島勉以前のノストラダムス#4

そんなこんなで「五島勉以前のノストラダムス」の4回目(#1は2007年3月28日付、#2は2007年11月25日付、#3は2010年8月16日付)。ウィキペディア「ノストラダムス現象」によると、「「予言者」ノストラダムスの予言解釈の紹介を最初に行ったのが、作家の黒…

/五島勉以前のノストラダムス#3

シリーズにするつもりはなかったが3回目。1回目、2回目はそれぞれこちらをごらんください(2007年3月28日付、2007年11月25日付)。お盆で帰郷した折に、学研・ジュニアチャンピオンコース『なぞ驚異 世界のなぞ 世界のふしぎ』を開いた。カバーが無いので…

腐女子には(多分)かなわない

「坊っちゃん」の、イマ風の女性向けアレンジなんてのも考えてみる。こちらは、そうだな、登場人物の配置のみ活かしてBL物に換骨奪胎してみよう。・坊っちゃんは、ただ心配で放っておけないだけだったうらなりに、いつしか本気で惚れてしまう。 ・だが、た…

坊っちゃん娘(仮)

先日、ラノベの盗作の話題を取り上げるにあたって、「著作権保護期間が切れたものからパクればいいのに」というネタを折り込むため、その具体例をいくつか考えた。 結局、そこでネタにしたのは「芥川龍之介の能力バトル」の一言で説明がついてわかりやすい「…

盗作の倒錯

また角川書店のライトノベルレーベルで盗作騒動が起きた(ていうかビーンズってラノベなのか?)。 角川ラノベ、またも盗作発覚で発売中止&回収 作家は断筆を示唆 角川ビーンズ文庫刊行の作家・葵ゆう氏のライトノベル『ユヴェール学園諜報科』に他作品から…

「明日地球が爆発して終わる世界」の世代論

2009-10-08付『「つぎの日ちきゅうがばくはつしておわり」の世代論』の続き。小松左京に「くだんのはは」という短編がある。私は過去に二度読んでいるのだが、初めて読んだときと二度目に読んだときとで全く読後感が違ったのだ。 概要は有名な短編の割に、ラ…

その武蔵野線は違う!

書泉グランデの6階、鉄道書のコーナーを覗いてきた。その文庫本の棚には宮脇俊三のあまたの作品などと並んで…。鉄塔 武蔵野線 (ソフトバンク文庫 キ 1-1)作者: 銀林みのる出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ発売日: 2007/09/21メディア: 文庫購入…

謎のリスト2009

今年最後のエントリは「謎のリスト2009」。4月の一時期に2日1本ペースでやっつけたので(何をだ)、11、12月にドカッと刊行されて、平均するとふた月に1冊にまでなりました。安楽寄席探偵の事件簿作者: 鎌田善和出版社/メーカー: 文芸社発売日: 2009/02/01…

日本ドリル精神史

「日本SF精神史」(asin:4309624073)から小ネタをひとつ。押川春浪の『海底軍艦』(1900年)について、以下のような解説がある。 この海底軍艦・電光艇は未来的な流線型のフォルムを有し、鉄艦の装甲をも破壊するドリル(敵艦衝破器)や新式並列旋廻水雷発射機な…

最近買った本

書き留めておかなかったがために、積ん読どころか買ったこと自体マジで忘れていた本とか読んだ本とか。読者はどこにいるのか--書物の中の私たち (河出ブックス)作者: 石原千秋出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2009/10/09メディア: 単行本(ソフトカバ…

『創』に「レイプレイ」記事

書店でたまたま見かけた『創』8月号に、レイプレイ事件に関する記事が載っていたので購入。いちおうチェックしている雑誌なんだけどそれほど熱心な読者でもなくて、どれくらい熱心でないかというと発売日を知らない程度に不熱心。この8月号も7月の初めには出…

また色々と本を買う

『週刊朝日百科 歴史でめぐる鉄道全路線』(朝日新聞出版)本日創刊。AMAZONにも楽天の各ショップでも扱いが無く、珍しくはまぞうが使えない。 デアゴの『鉄道データファイル』があんな調子のためか、他所のブログでは「何冊で終わるのか」を心配されている人…

また色々と本を買う

小田急の駅 今昔・昭和の面影 昭和とともに生きた72駅紹介 (キャンブックス)作者: 生方良雄出版社/メーカー: ジェイティビィパブリッシング発売日: 2009/05/25メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 37回この商品を含むブログ (3件) を見る先日の、「少年ジェ…

『山月記』の巧妙な入れ替わりトリック

李陵・山月記 (新潮文庫)作者: 中島敦出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2003/12メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 44回この商品を含むブログ (145件) を見るなるほど。 袁参氏から、古い友人との奇妙な再会の話を聞き終えて、私は軽くうなづいた。袁参氏は椅…

カンピオーネ!―神はまつろわず

ようやく読んだ。カンピオーネ! 神はまつろわず (カンピオーネ! シリーズ) (スーパーダッシュ文庫)作者: 丈月城,シコルスキー出版社/メーカー: 集英社発売日: 2008/05/23メディア: 文庫購入: 8人 クリック: 176回この商品を含むブログ (76件) を見るなんとい…

UFOとぶんぶく茶釜

ビリーバーでも否定論者でもない真っ当なUFO研究家は日本には数少ないが、その数少ないひとり皆神龍太郎がそのものズバリな本を世に出していた。UFO学入門―伝説と真相作者: 皆神龍太郎出版社/メーカー: 楽工社発売日: 2008/03/01メディア: 単行本 クリッ…

[脱近代]ポストモダン(脱近代)の福音伝道師

「随分古くさい対立項の取り方だな」。それがまず、村上春樹のエルサレム賞受賞スピーチの第一印象だった。大文字の「System」と「個人」を対立項とし、国家・民族・宗教といったシステムに呑み込まれることなく、個人として他者と、ひいてはシステムと対峙…

最悪なのは翻訳…『図説 世界の「最悪」航空機大全』

図説世界の「最悪」航空機大全作者: ジム・ウィンチェスター,松崎豊一監訳出版社/メーカー: 原書房発売日: 2009/02/18メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 51回この商品を含むブログ (7件) を見るタイトルから想像されるとおりの本。『奇想天外兵器…

『昭和の東京』

昭和の東京 路上観察者の記録作者: 路上観察学会,赤瀬川原平,藤森照信,南伸坊,林丈二,松田哲夫出版社/メーカー: ビジネス社発売日: 2009/01/21メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 3回この商品を含むブログ (12件) を見る改築によって塞がれた出入り…

居合の達人福沢諭吉

身体とアイデンティティ (歴史民俗学資料叢書 解説編)作者: 礫川全次出版社/メーカー: 批評社発売日: 2008/12/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 7回この商品を含むブログ (1件) を見るひょいと購入した『身体とアイデンティティ』(礫川全次・批評社)を…

『コドモダマシ』

『反社会学講座』に始まり『反社会学の不埒な研究報告』ときて『つっこみ力』と、昔の本ほど面白いパオロ・マッツァリーノ。なので9月の新刊『コドモダマシ』はスルーを決め込んでいたのですが、私同様に過去作のほうを評価している人たちからも良い評判が聞…

日記っぽくダラリと

仕事がひと段落着いたのでちょいとサボって…いやいや、有給休暇を取って一日フラフラと都内を散策。懸案事項だった日暮里・舎人ライナーに乗りに行ったり、見沼代親水公園駅近辺の忠魂碑(表忠碑)を撮影したり、西新井大師西駅で途中下車して車内から見えた…

サンシャインの古書市

買う本の数に読むスピードが追いつかないというのに、また本を買ってしまった。 『岩波写眞文庫94 自動車の話』1953年9月 根元書房210円。昭和28年、乗用車の生産・輸入は既に認められていたものの、未だ一部の特権階級のものだったモータリゼーション前夜の…

また色々と本を買う

昭和モダン建築巡礼 東日本編作者: 磯達雄,日経アーキテクチュア,宮沢洋出版社/メーカー: 日経BP社発売日: 2008/07/10メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブログ (8件) を見る昭和モダン建築巡礼 西日本編作者: 磯達雄,日経アーキテクチ…

目利きの衰え

今日、浦和の紀伊国屋書店にて。 「お、この本面白そうだな。でもいい加減また積読状態だし、この上あんまり本を買うのは…。よし、こうしよう。この本はざっと見積もって3000円以上、安くて2800円だ。3000円を超えるようなら購入見送り、以下なら購入だ」岸…

原爆の絵と空爆と

8月2日、「8月に広島に行って素通りするわけにはいくまい」と広島県立美術館の後に向かったのは、原爆ドームと広島平和記念資料館。 いやもう、バカみたいな感想だけど、とにかく「熱線は嫌だー、爆風も嫌だー、放射能も嫌だー、全部まとめて戦争は嫌だー」…

どっこい生きてるあの雑誌この雑誌

昨日のエントリに対するコメントへのお返事方々。 『バンブーブレードオフィシャルファンブック』(rakuten:book:12930719asin:4056051860)に目を通して感じられたのは、「永遠の三番手」という印象ながらもここまで生き延びてきた『アニメディア』の強さの一…