ビリーバーでも否定論者でもない真っ当なUFO研究家は日本には数少ないが、その数少ないひとり皆神龍太郎がそのものズバリな本を世に出していた。
- 作者: 皆神龍太郎
- 出版社/メーカー: 楽工社
- 発売日: 2008/03/01
- メディア: 単行本
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この本のなかで皆神龍太郎、シャレたことを言う。
「UFOの95%は見間違い」と説明すると、どうしてもUFOは宇宙人の乗り物だと固く信じている人は、よくこう聞いてくる。
「じゃあ、その最後の5%の正体は一体何なんですか。どう調べても正体がわからないのならば、それこそ本当のUFO、宇宙人の乗り物ということじゃないですか。正体がわからない以上、宇宙人の乗り物でないと否定することだってできないわけでしょう」
筆者はこう問われた場合、次のように答えることにしている。
「いいえ、残りの5%はタヌキが化けた茶釜が空を飛んでいるんですよ。正体がわからない以上、タヌキが化けているのではないと否定することだってできないはずでしょう」
でもね、コレがわかんない人が世の中にはいっぱいいるのよ。
「何言ってやがる、UFOがぶんぶく茶釜のわけねーだろ。理由? UFOは実在する可能性があるけど、ぶんぶく茶釜はお話だからだよ」
あなた、こんなふうに反論しちゃったりしません? 消極的ビリーバーというべきですかね、UFOを見たことやその力を感じたことはないけれど、上記のロジックを説かれてもUFOとぶんぶく茶釜とが同じであるとはどうしてもわからない。そんな人がたくさんいる。
『UFO学入門』は非常に充実した内容を、平易な文章で読みやすくまとめた本、ではある。
だけど、前提として「それで結局、この本は『UFOは実在する』って立場なの? それとも『UFO話は全部デタラメだ』って立場なの?」という段階を超えちゃった人向けなんですよ。
なので、そういう意味では非常に敷居が高いと思えます。結論はともかくも保留し、情報を幅広く、数多く集めて検討する。既に見間違いや詐欺だと判明している証言は宇宙人実在の根拠にしない、といった当たり前の手順なんですけどね……。最近どうもね、この世の中それを当たり前として共有してないんじゃないか? と不安になる。
これを読んだのはもう1年以上も前なんですが、昨日付のエントリで取り上げた『聖戦士ダンバイン』の「異星人は信じてもバイストンウェルは信じない地上人」の描写に「UFOとぶんぶく茶釜」を思い出した次第。
ついでにいうと、「UFOとぶんぶく茶釜」の元ネタ? がこれ。
- 作者: ボビーヘンダーソン,Bobby Henderson,片岡夏実
- 出版社/メーカー: 築地書館
- 発売日: 2006/11/01
- メディア: 単行本
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