4/4サイトの過剰供給そしてビジネスモデルの崩壊

(承前)
蛇足ながら、ビジネスとしての難点も指摘しておく。
【ビジネスモデルとして極めてコピーしやすい】 私ごときがわずか1時間ちょいの説明を聞いただけで大枠を理解できたくらいだから、ネットワークビジネスや広告宣伝のプロが聞けば、たちまちのうちにコピー・追随・改善(競争力強化)・逆転が可能ではないか。
【人員もノウハウも囲い込むことができず流出しやすい】 大量のサイト製作を支えているのは外注ライターとのこと。社外の人間が担う仕事のウエイトを大きくしたら、流出する道理である。ていうかおそらく、ノウハウが流出しコピーされることは予め覚悟のうえで、先行逃げ切りを図るつもりでいるのだろう。となると、
【他社が同様のビジネスを始めると熾烈な価格競争になる】 現在も制作費の安さが競争力のひとつだとのこと。ブロックバスターで顧客を集め、新たなビジネスモデルで先行逃げ切りをはかる、つまり「積み上げた実績の量」を今後の競争力にするつもりなのかもしれない。だが、上で書いたとおり外注のウエイトが大きいとノウハウが蓄積されないから、実績がイコール高い製品品質とはならず、結果、マンパワー頼みの価格勝負になってしまう。
【他社の参入を許すと、同種の「一般の情報サイトを装った実質宣伝サイト」が爆発的に増える】 そして、そのビジネスモデルが広く一般にも知られる可能性が高まる。となれば早晩、「広告でないから信頼できる」ことを立脚点とするサイトは成立しなくなる。説明会で質問を投げた感触では、他社参入による同様の出自をもつサイトの氾濫というフェイズまではまだ想像してないようだった。
まー、ちゃちな信義とかちっぽけな良心とかの問題でなく、つまるところここらへんがおっかないのよね。もちろん、私に想像できるレベルの事象に対抗するための他社対策なんて、既にあれこれ用意してあるだろうとは思うけど。
やはり高品質・高付加価値を第一に目指してこそ進歩がある、と信じていたいのだ。