最近見たTV番組

「這いよれニャル子さんW」
あの夜の出来事以後のニャル子は完全に地雷女。
心霊現象のような「よくわからないから怖い」怪談型ホラーがあり、「人倫に反した(禁忌を犯した)ために超越者から罰を受けるという宗教型ホラーがあって、クトゥルフ神話……宇宙的恐怖=コズミックホラーというのは「既存の宗教や道徳・倫理とは無関係な独自の『神話』、宇宙的恐怖が人を震えさせる」、という性質においてモダンホラー(近代の恐怖)と位置付けられるのですが……。
モダンホラーにはもうひとつ「幽霊よりも神様よりも怪物よりも隣の既知外が怖い」というサイコホラーがありまして。今のニャル子さんはそっちのホラーになりつつある。
 
「よんでますよ、アザゼルさん。Z」
オープニングで股間のモノを振り回しているようにしか見えない人は、本編でもまさに股間のモノを振り回すのだった。……深夜枠とはいえよくこれテレビで放送できたな。
ともあれ、これでオープニングで顔見せしているキャラは全て登場したことになるのか。「むろみさん」もだけど、1クールアニメだと「ああ、そろそろ終わりなんだなあ」という気分になる。
 
ドキドキ!プリキュア
予想以上に早かった。シリーズ構成がグダグタになるのが。
構成が精緻で、かつ従来の約束事の裏をかくのが何より「ドキドキ」の面白さだったのになぁ……。
ジョー岡田=ジョナサン・クロンダイクは何故正体を隠していたのか? について全く説明が無く、そして何故正体を明かしたのかも説明が無い。だから何故「今」なのかがぼやけており、ただなんとなく正体を明かし、ただなんとなく王女とのいきさつを語って聴かせるだけになっている。
「ロイヤルクリスタルが奪われたというのは非常事態なんだ」(だから正体を明かして助けに入った)とでも一言あれば、RCの重要さと今の状況の切迫感とを伝えられただろうに……。
それどころか、RCはただ「見たことがある」というだけ、一度は奪回を試みるも最後はレジーナの撤退を余裕の態度で見過ごす始末。何故「今」正体を明かしたのか? と問えば「それは2クール半ばになったからです」としか答えられないような、製作者の甘さを感じてしまう。
あと、菜の花畑が満開ってこれ一体いつの話なんだよ? 劇中の季節はイコール放映時期が基本でしょ。菜の花畑でなければならない必然性も無いし、なんなんだこれ。
それと機関車のデザインがいくらなんでもデタラメというかいい加減過ぎるわ。ディテールの簡略化は仕方がないし、アングルによって形状が歪んだり、カットごとに人間との大きさの対比が違ったりするのもマァ許容範囲だよ。でもね、どう見てもタンク機のサイズ(0-C-0)なのに炭水車を牽いているとか運転台に扉があるとか、設定画の段階で手ぇ抜き過ぎ。
 
宇宙戦艦ヤマト2199
冒頭部はファーストコンタクトものの段取りを慎重に積み重ねている、という印象だったのに「OSが連携できたんだから」という台詞でズッコけた。ガミラスの文明、っていうか2199年の地球のコンピュータもまずOSがあるんか。

閑話休題。機械は心を持つのか? そもそもヒトの心は機械の思考とどこか異なるのか? という古典的なSFテーマに挑んで……なんか有耶無耶に終わってしまった感じですが、ガミラス人といきなり対面・会話をするのではなく、こうした形でコミュニケーション可能である(そしてコミュニケーションのすれ違いと衝突が生じる)と示したのは、やはり巧い段取りだと思う。

ヤマトの「女神」の存在も気になるところで、艦長や真田さんはどれくらい把握しているのか? 女神と関わり深いのが百合亜であれ森雪であれ、出発直前になって急遽クルーに抜擢されたという設定だったはずで、あらかじめどこまで仕込まれていたのか? 『エヴァンゲリオン』以降のアニメは「伏線なんて勿体付けの思わせ振り、ナゾのまんま投げ出したってOK!」ということになってしまってますが、どうにかして納得のいく種明かしが欲しいところ。

そしてエンディングが変更されて、先週「この先果たしてエンディングでセンターを務めるに相応しい重要人物になるのでしょうか」と書いたヒルデはお役御免に。どうなることやら。