JR東のクルーズトレイン

ひと月前に「「おトクなきっぷ」は絶滅危惧種」なんて記事を書いたら今日のニュースでこれである。

JR東日本、EDC方式の豪華列車「クルーズトレイン」導入へ
 …2016年春以降の運行開始目指す

 
JR東日本は6月4日、東日本エリアを中心に運行する豪華列車(クルーズトレイン)を新たに製作すると発表した。2016年春以降の運行開始を目指す。

クルーズトレインの車両は、鉄道路線の電化、非電化を問わず走行できる「EDC方式」を採用する。電化区間では架線から供給される電力によって走り、非電化区間では車両に装備した大出力エンジン発電機を稼働させ、発電機によって得られた電気で自力走行する。EDC方式の採用は国内では初めてという。

また、同社が優等列車向けに開発、採用したフルアクティブ動揺防止制御などを「さらに磨きあげたもの」を採用し、乗り心地や静粛性の向上を図る。

車両のデザインは「時間と空間の移り変わりを楽しむ列車」をコンセプトとし、フェラーリ社のエンツォフェラーリJR東日本E6系などを手がけた工業デザイナーの奥山清行氏が担当する。

編成は最大10両で、1両あたり2〜3室の客室を設置。2クラスのスイートルームを提供する。このほか、パブリックスペースとしてダイニングやラウンジも用意する。

JR東日本は2012年10月に策定した中期経営構想「グループ経営構想V(ファイブ)〜限りなき前進〜」で「観光立国の推進」を掲げ、その一環として「新たなフラッグシップとなる豪華列車」の導入を盛り込んでいた。同社は「この列車の旅でしか味わえない特別感のある非日常的な感動体験を提供」したいとしている。
 
レスポンス・2013年6月4日(火) 20時10分付
http://response.jp/article/2013/06/04/199377.html

ブサイクという形容すら生ぬるい小学生の図工の宿題みたいなデザイン(まだイメージボードだと言ってもこれを公開できてしまうJR東の正気を疑う)とか、ようやく実用化に至るEDC方式の技術とかも興味深いけれど、やはり「商品企画」としてのあり方が気になる。
気になる、というか気に食わない。
金と時間がある人向けなのはマァ仕方ないだろう。「鉄道による観光旅行」という市場が縮小傾向だから極端に客単価の高いビジネスを始める、というのは理に適った判断だ。低廉な旅行手段としての列車にこそ魅力を感じる者には寂しい話だけど、夜行バスというライバルは強力だし、これは仕方がない。
けどなぁ、「東京を起点に2泊3日前後」を想定とか(朝日新聞)、その間ずーっとこの列車がついてくるんだよねぇ? 2泊3日の間ずーっと同じ車両で、あらかじめ旅行会社(と鉄道会社)が決めた時刻表どおりに、あらかじめ決められた場所にしか行かない旅行とか、退屈で死ぬわ。
どこを旅して何を見るかを自分で選ぶことができない人向け、あえて言うなら金と暇があるけどセンスの無い人向けの商品企画で、なんというかこう、日本はクソつまんない国に成り果てたものだとかそれくらい言いたい気分。