最近買った本

書き留めておかなかったがために、積ん読どころか買ったこと自体マジで忘れていた本とか読んだ本とか。

読者はどこにいるのか--書物の中の私たち (河出ブックス)

読者はどこにいるのか--書物の中の私たち (河出ブックス)

読了。私の如きは不肖の弟子の末席の傍らに所在無く立ち尽くす身ではありますが、さりとて師を誇ることに躊躇いはない。というわけで、石原千秋先生の著書が河出書房新社の新レーベル、河出ブックスの一冊目となりました。
「文学研究とはどういうものか」の入門書として、大学は文系の学部に進学する高校生には必読の本。もちろん大学生にも社会人にも、読みやすく面白いはずです。「感想文」ではなく作家研究でもない文学研究なんてのは実際、そういう学部に進まなかった人には全く縁が無いでしょうし、本を読むのにあたっての新しい視点が得られるかと思います。

日本SF精神史----幕末・明治から戦後まで (河出ブックス)

日本SF精神史----幕末・明治から戦後まで (河出ブックス)

河出ブックス創刊第2弾の一冊、ナンバー007。8割方読み終えた。

先行研究で明らかになった先駆的なSF作品をつなげて、歴史化するのが私の願いだ。この「歴史化」とは、単に過去に書かれたSF作品を編年的に整理して叙述するというだけでなく、近代日本が培ってきたSF的な発想、その想像力の系譜を現在につながる生命あるものとして確認するという意味を含んでいる。

というわけで、日本におけるSFの通史を目指しつつ、合わせて想像力の系譜化をはかろうとする長山靖生の労作。「幕末・明治から戦後まで」と扱う範囲が広いので、広く浅くの薄味の本だろうと思っていたが、どうしてどうして、それぞれの時期を代表する作品・作家の個別の解説も交えていて、なかなかの読み応えです。

中島敦「山月記伝説」の真実 (文春新書)

中島敦「山月記伝説」の真実 (文春新書)

控えめにいうと、「伝記として読むのであれば、それはそれで面白いかもしれないが、私には面白さがわからなかった」。正直にいうと、「作家論の文学研究ってくだらねぇなぁ」。印象批評というか感想文になってしまっている。
たとえば、

山月記』のキーワードの一つ「夢」は、中島敦が種本である『人虎伝』の重力から逃れ出ようとするエネルギーを象徴しているかのようだ。(p171)

とか、「いいや、僕ぁそうは思わないよ?」の一言で論駁できてしまう……というか、賛にも否にも論が進まなくなってしまう。研究そのものは非常に細かく、中島敦のプロフィールの、従来知られていなかった部分も掘り下げていて、伝記としては価値があるのだろうが、どうあれこの本は「中島敦作品をより面白く読む」役には立たない。

新幹線と車両基地 (乗り物ひみつルポ)

新幹線と車両基地 (乗り物ひみつルポ)

モリナガ・ヨウの初の児童書、新幹線車両と整備基地とをイラストで解説。形状は(たぶん)正確に捉えつつ、主線はフリーハンドの(たぶん)鉛筆描き、彩色は(たぶん)水彩で、写真絵本ばかりになったこのジャンルでは異彩を放っている感じ。しかし肝心の子供たちはこのタッチを受け入れてくれるのかと、ちと心配。

物語工学論

物語工学論

未読。カバーが恥ずかしくて電車の中で読めないな〜と思っていたら、そのうち買ったことを忘れてしまった一冊。新城カズマというラノベ分野の実作者が書く、構造主義的な手法による物語製作のノウハウ、いわく「物語工学」の解説本。このあたりに限っては大塚英志のフォロアーっぽい。

アンブロークンアロー―戦闘妖精・雪風

アンブロークンアロー―戦闘妖精・雪風

未読。ハードカバーはかばんの中で邪魔になるのでこれも通勤時に読めないのがネック。なんかもう、読まないうちに文庫化されそうなイヤな予感。

町おこしin羽後町―美少女イラストを使ってやってみた

町おこしin羽後町―美少女イラストを使ってやってみた

未読。これもさっきまで買ったことを忘れてた。読めば多分すぐ終わるだろうけど。