とさでん交通#2/四国旅行#13

9月の四国旅行についてのエントリはこちらからどうぞ。
http://d.hatena.ne.jp/UnKnown/20150922#p1
 

高知駅前からふたたび路面電車に乗ってはりまや橋に向かう。次に目指すは西の端、「いの」(伊野停留場)だ。

はりまや橋は桟橋線と伊野線、そして後免線という三線の結節点で、ホームもあれこれ色々とある。
……などと書くと複雑そうだが、実際の運行は南北に走る短い路線(桟橋線)と、東西に走る長〜い路線(伊野線+後免線)がはりまや橋で交差する、というだけで迷う余地が無いほどシンプル。




……まぁ、中にはこの十字路で曲がる便もあるのだけれど。これは西のほうから来て十字路を北に曲がって高知駅前に行く電車。朝夕には少数ながら、こうした運行がある。

はりまや橋から西に向かって伸びる伊野線の終点は伊野停留場。ただし、便の半数以上は途中の鏡川橋停留場どまり。

鏡川橋、実質的なターミナルの割には簡素なつくりで、ごくふつうの停留場だ。まぁ道路に線を引いて安全地帯と示すだけの停留場よりかはいくぶんかはマシだが。「パークアンドライド」の指定駅にもなっているらしいが、駐車場はどこにあるのだろう?

多くの電車が鏡川橋止まりと言っても、さらに西の伊野まで向かう電車が極端に少ないというわけではない。ダラッと弛緩した気分で写真など撮りつつ待っていれば、すぐに電車はやってくる。

鏡川橋から先はもちろん、利用客が少ないから便を減らしているというのが第一だろうが、道の狭さも問題ではないか。

道幅が一車線分しかないため、ただすれ違うためだけでも、こうして車が線路上にまではみ出てくるのである。
これがとさでんの利便性向上を阻む文字通りの隘路と言えよう。
♪そんな優しくしないで〜 それはironyと言えよう。

♪積み重ねた言葉で見えないよ〜 君の横顔 だがカーブミラーで見えるのである。

……自分でも何を言ってるのかわからなくなってきたが、それはともかく途中から専用軌道になってちょっと安心。あのあたりは隘路というかボトルネックになっていると感じた。

とか言ってる間に八代通停留場に到着。ここでは(厳密に言うとこのそばに設けられた信号場では)…。

タブレット交換が行われており、鉄道趣味者には見どころのひとつとなっている。


そして伊野到着。下の画像の右端をよく見ておいてください、あとで出てきます。

伊野駅舎……いや駅舎ではないか、伊野停留場の待合室は木造瓦葺の純和風建築。規模は小さな立派な、下衆な言い方をすればお金の掛かった建物で、観光地の玄関でもない無人の停留場に何故にここまで? と思ってしまう。ぶっちゃけバブリーという印象だが完成は2008(平成20)年築と割と新しめ。何がやりたかったのかイマイチわからない。

さて、そんな駅舎はさておいて。

さっきの画像の右端にも映っていた、廃線跡である。
廃線跡を見つけた場合の選択肢は2つだ。
1・とりあえず行けるとこまで行ってみる
2・とにかく行き着く果てまで行ってみる
いずれにしてもスルーばできない。

つってもまぁ待避線だろう、すぐにドン詰まりさ…と思っていたら意外と長く続いていく。

大きなカーブを描いて……。

そして終点。四本の電信柱が並んでいるので見上げてみると。

「車庫支14」と書かれていた。

「編集部敬白。」2012年7月10日付
土佐電伊野界隈。(下)

http://rail.hobidas.com/blog/natori/sp/archives/2012/07/3_1.html
 
伊野駅構内から北側へと分岐するのはかつての伊野車庫への側線。この時点ですでに使用されておらず、現在では分岐器も撤去されてしまっていると聞く。'07.7.21 伊野
 
側線の奥を見る。簡易舗装が施されており、1本だけ線路が残されているが、かつては4線を擁する伊野車庫であった。'07.7.21 伊野

フリー百科事典ウィキペディア「伊野停留場」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%8A%E9%87%8E%E5%81%9C%E7%95%99%E5%A0%B4
 
はりまや橋方面に向かって左方の少し奥まった場所に伊野車庫が設置されていた。現在はすべて折り返し運転となり、跡地はパークアンドライド用の駐車場に転用された。車庫時代には台車を7形に転用した旧300形321号の廃車体が長らく置かれていたが、車庫廃止とともに解体された。その後は線路1本だけの留置線となっていたが、待合室改築時に線路は残したままの状態で本線との間のポイントを撤去、舗装で完全に分離された。

というわけで、かつては4線を擁する伊野車庫とのこと。
短い廃線探訪を終え、伊野から再び電車に乗ってはりまや橋方面へ向かう。

復路でもタブレット交換を撮影。車両によって窓の位置が異なるため、どこに停車させたらいいのかもそれぞれ異なる。それも、こっちの車両と向こうの車両の組み合わせの問題なので、運転士さんたちは妙なところでなんだか大変だ。

途中、どういう運行なのかボンネットバスとすれ違う。とっさのことなのであまりうまく撮れなかった。