『まんがタイムきららキャラット』9月号

アニメ「NEW GAME!!」は期待以上の出来で毎回楽しみなんですが、しかし『まんがタイムきららキャラット』のCMをやらなくなったのはどういうわけだ!? てな感じでだいぶ遅れましたが9月号感想。「ひだまりスケッチ」が休載、ゲストは3本で「恋する小惑星」が2本立て。単行本化前の2本立てはちょっと珍しいかも。

表紙および付録クリアファイルは「NEW GAME!」。おなじみのキャラのうち若手5人(あれ? ひふみん?)ともずくという取り合わせで、紅葉&ツバメ抜きなのはアニメから入ってきた人向けのアピールか。クリアファイルは年長者5人(とこっちにももずく)で、大和クリスティーナ和子は人数合わせで入っているような。
 
カラーページは「きららファンタジア」続報、NEW GAME!! の商品情報、イベントまんがタイムきららフェスタ!2017」リポート、ブレンド・S」ヒロイン3人の設定画が各1ページ。きららフェスタに関しては、伊藤いづも先生によるレポートマンガが(どうでもいいがレポートなんだかリポートなんだか)ウェブ上で公開されています。
http://www.dokidokivisual.com/kirarafesta2017/
 
NEW GAME!
ついに発売されたPECO、そのキャラクターデザインを務めた青葉のサインをめぐる話。あおっちとねねっちと変わらぬ友情というか、変わりゆく記憶というべきか(苦笑)。久々登場のほたるんは現代日本の文化の最先端(でもないか)に染まり、意味がよく分かってないまま「ふきょう」を始めるのだった。それ見た青っちの「ほたるんは変わらないなぁ…」というリアクションがちょっとつかみづらい。意味が分からなくてもとりあえずやってみるタイプの娘、なんでしょうか。
 
ブレンド・S」
前回からの続きで苺香さんと店長のデート話。……そういや無印『まんがタイムきらら』9月号(asin:B071GW29HN)への出張掲載には店長まったく出てこなかったな。本編がこんな展開だからか、それとも「男キャラの出番は控えたほうが一見さんには受ける」という判断? まぁもう1話あるので、そこでクローズアップされるのかもしれません。

無印きららでは不遇の店長ですが、こちらの連載版では基本スペックの優秀さを披露したり、オタ趣味も苺香さんは受け入れてくれたり、さばかりか苺香さんが微妙にやきもちを焼いたりで、なかなかいい感じに。まーこれで両想いになったら話が終わるからどこかで破綻するのでしょうがドキドキしながら次回を待つ。
 
「正義ノ花道」
主人公側の首謀者が私利私欲まみれだったり、特に悪がいなかったりまではいいけれど、それで何もしてない不良コンビをボコるというのはギャグとしても受け入れられななかった。

生徒は「貢献度」によって階級分けされているという、いかにも学園物らしい設定はマァいい。となれば正義の味方としての活躍で「貢献度」を積んでランクアップしていく、という展開が想像されるけれど、何もしていない不良を、言ってしまえば無実の生徒をボコったところで貢献にはならないよね? ていうか、「上からの命令は絶対」「逆らえば制裁」という支配構造の中で、まつりは既に最低ランクの「反社会的行動者・規則違反者」扱い。初めから正義の味方なんて務まらない位置付けになっている。これでは生徒会を敵に回しての反乱(あるいは革命)展開しかないのではなかろうか。
 
「まちカドまぞく」
9月27日発売の第3巻の締めとなる話。いやもう、ニヤニヤ泣きながら読むしかなかった見事な締めでした。

まちカドまぞく (3) (まんがタイムKRコミックス)

まちカドまぞく (3) (まんがタイムKRコミックス)

前回衝撃的だった桃の闇堕ちは精神のみ、かつ一時的なものと判明。これまで今ひとつ見せ場の無かったミカンが、10年前に桃からもらった気持ちを振り返りながら、友情ぱわーで桃を救う……というのもグッとくるのだけど、この回全体の中ではオードブルみたいな位置付けだった!

かつて世界を救ったこともある魔法少女・桃は、これからは「シャミ子が笑顔になれるだけの、ごくごく小さな街角だけを全力で守る」ことを新しい目標にして、ついにシャミ子に笑顔を見せた! それでここまでの目的を果たせたはずのシャミ子は、けれども泣き出してしまう……。桃がシャミ子を大事に想っていることと、シャミ子の自分自身の非力さに対する複雑な思いとが、ごくごく微妙なところですれ違っているのですね。だからハッピーエンドのはずなのに泣けるという、なんつーかもうニヤニヤ泣きながら読むしかない見事な締めだ!

最後は「桃色の誓い」、あるいは「ぽっきんアイスの誓い」。シャミ子は「…何ソレ」と言い出してせっかくの桃の提案はスベリ気味でしたが、だからこそのほのぼのエンド。……ここで元ネタの「願わくば同年、同月、同日に死せん事を」は結局果たせなかった、なんてことは思い出さないほうがいいでしょう。

というわけで見事な締め(三度目)だったのですが、あえて不満を言うなら「白沢さんとリコはどうした?」というのが気になるところ。4巻からの新展開でまた重要な役割を果たすのでしょうか。
 
キルミーベイベー
久々に流血も失神も無しのマイルドな回(え?)。ちょっと読み返してみたが、少なくとも2017年に入ってからは初だった。殴打すらひとコマのみ……なんだけど、色んな意味で「思ってた怖さと違う!!」という。ていうかこの仕掛けが誘うのは「恐怖感」ではなく「嫌悪感」のような気がw お化け屋敷なので襲ってはこない(ただ脅かすだけ)というヒネリも効いていた。
 
「ふじょ子とユリ子」
同人イベント回、といっても季節ネタのコミケではなく「魔法少女かめかめ」オンリーイベント。前回限りと思っていたユリ子画ネタを引っ張ったのが意外で面白い。オンリーイベなのに亀ピエは1000分の2ってマイナーカプどころでなかった!(プリキュアオンリーでレッド×ブルー本を出すようなものか?) となればもうひとつの亀ピエサークルが気になるところですが、そういう流れにはならずスルー。新キャラ岡本さんは次回以降どう絡む?
 
「黒髪巫女とマリアウィッチ」
こちらも同人イベント回、そしてこちらは季節ネタというべきコミケ(コミフェ)話で、頼子が終始魔法少女のコスプレ姿なのが新鮮だった。ていうかそのせいで「黒髪巫女とマリアウィッチ」なのに黒髪巫女もマリアウィッチも出てこないという(苦笑)。このマンガ、以前は「頼子が魔法使い愛を暴走させる」というのが基本だったが、今回はクロエを中心に据えてそのアド様&七統先生&頼子愛の空回りを描いており、物語上の役割の変化も面白い。
 
「トモダチヅクリ」
麻乃と静、傍目には夫婦同然なのに当人たちは「女同士じゃ結婚できないよ?/ませんよ?」という温度差が良い。にしても、普通にお嫁さんに憧れてる麻乃はともかく、理想の人を聞かれて「料理が上手だといいですね」と答える静はそれでいいのか!?

『まんがタイムきららキャラット』8月号

あー気が付くとアニメ「NEW GAME!!」放映開始直前だよ。てなわけで、今クールは「サクラクエスト」でもCMが流れる週2回体制の『まんがタイムきららキャラット』、8月号の感想。今月は「ひだまりスケッチ」が載って休載無し。新連載は2本、ゲストはなんと2本のみという珍しい布陣です。

アニメ第2期放送直前ということで表紙と付録でNEW GAME!推し。付録にコミックス用クリアブックカバーが付く分、定価は通常より100円高。表紙は婉曲に言って「デカい」、はっきり言えば「エロい」。取り込み用にゲーマーズで2冊目を買ったというのは秘密。付録の絵柄は青葉とほたる、紅葉とツバメという珍しい組み合わせ。アニメの新キャラアピール?  にしてもほたるにどれだけ出番があるのだろう。
 
巻頭のカラーページは、NEW GAME! のアニメ第2期とブレンド・S」のアニメにそのうえスマホRPG「きららファンタジア」まで加わって、頁のやりくりで嬉しい悲鳴を上げているような状態。今号はNG情報1頁・レポート漫画1頁、ドS情報1頁、きらファン1頁という構成。ドSは苺香・夏帆・麻冬のキャストコメントと先行カット。不勉強につき申し訳ない、声優は3人とも存じ上げない。コメントも無難な感じ。先行カットは、原作絵と並べて見せられると随分違うなという印象だが(特に目のバランス)動いているとさほど気にならないのだろう。

「きららファンタジア」の情報が載るのは今号が初めてだけど、「もうみんな知ってるよね?」あるいは「詳しくはWEBで!」的な扱いで、むっちゃ雑な紹介なのが実に現代的。「まほうつかい」姿のひふみのデザインは初公開で、きららキャラット発売日の28日に2日遅れて、30日にウェブサイト上でも公開されました。
 
NEW GAME!
まさかのフランス編開幕。新キャラ・カトリーヌの紹介で終わってしまった感じだか、逆に言えば今後もフランス編も掘り下げるということだろう。カトリーヌの車はポルシェ991のタルガトップとのこと。フランス人なのにドイツ車なのは、日本人のいわゆる「クリエイター」層が日本車やドイツ車でなくアルファロメオとかのイタ車に乗ってるようなものなんだろか(よくわかってない)。

PECO の次の企画とか、紅葉&つばめが正社員として入社するまでの間とか、日本のほうの話をどうするのかも気になるところである。2話掲載の場合、前に日本の話が、後ろにフランス編が載る感じか(今後2話掲載がどれだけあるのかとは思う)。

NEW GAME!」は本編以外にQuro先生によるアフレコレポートが掲載。カラー1頁・白黒2頁という限られた頁数で各キャストの魅力をよく伝えてくれてます。イーグルジャンプ社員のガヤには得能先生や監督も混じっているそうで、そのあたりも聞き逃さないようにしよう(つってもどんな声か知らないから聞き取りようがないが)。
 
Aチャンネル
猫カフェというのも後学のため一度は行ってみるべきかと思わされた回(ちなみにメイドカフェも入ったことがない)。ところでハシラの登場人物紹介、今回は出番のないレギュラーよりも、たまにしか出てこないヒラちゃんやアレキサンドライトが何者かの紹介のほうが有用なんでは…。
 
「おちこぼれフルーツタルト」
スポンサーであり敵でもあり、親子の因縁もあるという実に複雑な新キャラを、すっきり分かりやすく見せたのが巧い。今後の展開にも興味を持たれるが、「そもそもこの漫画の主人公って誰だっけ?」感が無きにしもあらず。
 
ブレンド・S」
美雨さんのネタ帳を苺香さんと店長が読んでしまうという話だが、ああまでヒネってあれば自分がモデルとは気づくまいw 美雨さんに乗せられて、苺香さんと店長の関係が進展? というヒキも良い(でもどうせ…とは思う)。アニメにも美雨さん早めに出して欲しいな〜。ちなみに、厳密に言うと「学生」とは大学生のことであり、高校生は学生ではなく「生徒」なんだぜ、とトリビア
 
「正義ノ花道」
センターカラーで新連載の「正義ノ花道」。ちょっと前に長期連載「ぱわーおぶすまいる。」を完結させたウロ先生の新作です。平凡な高校生が意中の女子に好かれたいという動機で、変人女子が作ったアイテムで変身…といういささかステレオタイプなヒーローものですが、まぁタイトルで「花道」ってくらいで、あえてやっているのでしょう。きらら系には…あるいは広く4コマ漫画には、ちょっと珍しくて新鮮(ていうかそもそも男主人公がきらら系には珍しい)。
 
「まちカドまぞく」
トビラ絵はここまでの話を引っ張ってきたキーパーソン、ついに出ました千代田桜! シャミ子の笑顔もまぶしい。「わちゃわちゃされると消えちゃう」って割と深刻な事態もギャグっぽく軽く流してますが……。一方で現実世界の面々は「何ガロンくらい?」なんてギャグっぽい台詞でもカバーしきれない重さ。リリスすら止めるほど桃の決意は極端かつ重い重い。ここらへんサブタイがネタの補足にもなっていて、本編の後で見返すとクスリとしてしまいます。「フレッシュピーチブラッドシャワー」に「変身しないと止められない」!

桜さんのコアの在り処はシャミ子の中! …というのは予想の範疇ですが、そのコアでシャミ子の命を支えているとか「妹の分まで呪いを背負った優しい子」とか、シャミ子の身は従来言われていた以上に深刻だったことも明らかに。こうなると「そもそもなぜそこまで強い呪いが?」という疑問もわいてきます。

そして消え去る桜に向かってシャミ子が口にする、これまでがんばってきた動機!
「…桃に 桜さんを返せないと 桃が笑顔になれない…!
さらにその言葉を受けた桜さんの返答は……。
「…大丈夫! 桃ちゃんはもう…私より、町より、自分より大切なものができたみたいだから
そしてサブタイを読み返すと、
「宿敵」!!
もう、これ打ってるだけで目が潤んできます。

桜はシャミ子に「最後に…お願いがあるんだけど」と何やら耳打ちして一時退場…。ここはやはり「自分の嘘に乗れ」と言ったのでは……というネタはツイッター上では見られませんでした。病院が舞台だし、連想したのは私だけでは無いと思うんだがなー。

「まちカドまぞく」、今回はここまででお腹いっぱいなんですが、最大の衝撃はその後やってきた!
「闇堕ちして来た」
「意 味 が 分 か ら な い」
チャリで来た感覚」
の3連コンボ!(3連目はサブタイだけど)。桃が眷属になってシャミ子の記憶の中へ…という展開自体は予想したものですが(http://d.hatena.ne.jp/UnKnown/20170509)このシーンに至るまでの盛り上げ方、いつもは台詞が多めの作品なのにここは最小限の会話に絞ったテンポの良さ、そして「チャリで来た感覚」という小ネタと、期待を遥かに超えたクライマックスとなっていました。へそ出しコスで古傷を見せても&見ても、ほとんど気にしない桃&シャミ子の関係も素敵です。

そんな桃のコスチュームそして「ダークネスピーチ」の名にシャミ子が大興奮なのは、2巻p77とかの「必殺技に興奮する自分」の延長なんでしょうが、2巻p66に描かれたような、ゾンビや幽霊サイドに感情移入することの延長でまぞく仲間に興奮していたのだとしたら微妙に意味が違ってきますな。

てなわけで、シャミ子の桜との対話、桜の一時退場、そして桃の闇堕ちでひと山越した感はありますが、だからこそ次回どうするのか(桃はどうやって笑顔を見せるのか!)、そして4巻収録分からはどんな話になるのか、早くも今から楽しみです。
 
キルミーベイベー
粘土細工というお題で、やすながソーニャを煽って返り討ちに合うという毎度の展開。終盤は二人とも全身を粘土に覆われてツインテ以外では見分けが付かないのが大胆w  「これでもう私に死角はない!視覚もないけど!」とか、やすなのバカは底抜けだな(誉め
 
「ネコじまにゃんだフル」
シロ&クロがそろっていきなりデレて少々戸惑う。いやまあいかにもネコ的な(隠語でなく動物のほうの猫的な)可愛げ全開だし、前回までの話の流れとしても不自然ではないけれど、この先どう話を持たせるのか気になるところ。
 
「すわっぷ⇔すわっぷ」
『白雪姫』のお芝居に春子夏子が主演するというお話。本来ならロマンチックなキスを、春子夏子は特殊な実利のために連発していることがこの作品の肝な訳で、それと『白雪姫』を組み合わせたらどうやったって面白い! 舞台の上で、「癖で」本当にキスしてしまうドライさや、そこから台詞が飛ぶたびに入れ替わるという便利さw など、この漫画独特の設定と二人の完成性とを巧く生かした好編に仕上がってました。…最後に出てきた春子のことが好きな子(名前忘れた…)にまで認められる、というのも良いアクセント。
 
「異なる次元の管理人さん」
このところ話がシリアスに振れ気味だから、パルムのピュアな前向きさが一際まぶしくて救われる。そして世界の根幹に関わる謎が…というか謎の人物がまた増えた。3巻完結かその後も続くかいずれにせよ、3巻で諸々の謎に一区切り付く感じだろうか。
 
「ふじょ子とユリ子」
センターカラーで新連載。ゲスト作の連載昇格は久々。「恋した相手の風変りな趣味に振り回される」というオーソドックスなラブコメだが、ふじょ子の腐女子としてのディテールが絶妙で、確かな変人らしさと「あるある感」を備えつつ、嫌味なく可愛らしいキャラになっている。対してユリ子のキャラは少々弱い(きらら時空で百合は普通だしね)が、片想いしている側としての真摯さと非オタ故の困惑に素直な好感が持てる。ふじょ子に話を合わせる中で、自覚の無かった絵の才能を思いがけず発露させるものの、別にBLに目覚めるわけでない…というバランスも巧い。今後にも期待。
 
「ゆず35歳@中学生やってます」
ゲスト掲載。2話目で、というか後編で早くも身バレ危機。同級生達がかなりの脳内お花畑で、腐った35歳との対比が映えた。「年齢とか性別を偽って寮生活」設定の漫画やゲームはよくあるが、それが終わるような就職活動を積極的にしているという方向性もちょっと新鮮。
 
「リトル・リトル・アリス」
住民に認められると人間(の女王)になれる…という重要な設定がずっと放置されたままだったが、ここにきて現女王が本来の死神リンナとして目覚めるという展開。一発ネタと思っていた女王アドバイザーと王族失墜アドバイザーに、まさか筋の通った存在理由があるとは! そのうえクライマックス前の一番いいところで、アドバイザーたちがまさかの再登場!  ロリコンたちも正気になっていよいよ最終決戦は盛り上がる! …と言えば確かに盛り上がってるけれど、「なぜ卓球勝負?」感は無きにしも非ず。次号はまだ最終回ではないので、その次までかな。
 
「リラのお菓子な魔法」
最終回、単行本化も無しという少々寂しい幕引き。ゲストからの昇格でなしにセンターカラー2話一挙掲載で連載開始、という華々しい幕開けだったのに終わり方がこれというのは、いかなる事情にせよ問題だろう。いやホント、何があったんだろう?

この際だからと1話から読み返したが、やはりどこに向かっているのかよく分からない作品だった。3話から始まった話として読んでも、肝心の「リラは何者なのか、失われた記憶に何があるのか」は放置。なのに、それなりのアイデンティティを獲得していくから逆に落ち着かない。いやいや、リラがアイデンティティを「回復する」のではなく「獲得する」ことが物語の核かと思いきや、街の「結界」をはじめとした作品世界全体に関わる設定もフィーチャー。リラの魔法はどうやらそれに絡んだものだったり、どうもそれとは限らなかったりする。その上「困っている人をほっておけない」設定まであって、そちらの問題提示と解決がまた並行して語られるから、とにかく全体的に詰め込み過ぎという印象が強かった。あとなー、3話でいきなり時間が巻き戻ったんだから、打ち切りなりに最終話のラストは1、2話に繋がる形にすればよかったのでは思ってしまう。

『まんがタイムきららキャラット』7月号

あー郵便料金上がる前にアンケートはがき出しとこ、で5月中にそっちの感想をまとめて書いて投函した反動でブログのほうはほったらかしにしてました。よくある話(ねーよ)。

今月もまた「ひだまりスケッチ」休載、これで3号連続。うめ先生の体調以外の事情もあるのではと勘繰ってしまいますが、まぁ実際「マギアレコード」のビジュアル関連の仕事なんかもありそう。ゲストは5本。

表紙&巻頭カラーはブレンド・S」で、ついに「TVアニメ10月放送開始予定!」と発表。NEW GAME!!が7〜9月で間をおかずに放送開始ということになり、「カラーページの構成大変そうだなぁ…」と思ったり。
 
そのカラーページ、まずはアニメブレンド・S」の、ようやくの詳報。2ページ構成でキービジュアルとともに監督:益田亮司、シリーズ構成:雑破業、キャラデザイン:奥田陽介のコメントが掲載されました。制作はA-1pictures だと聞くと飲食店設定が共通している「WORKING!」が連想されますが、メインスタッフのつながりは無いしまず別物になるでしょう。

そして2ページ構成でNEW GAME!!の続報。新キャラ4人のキャラ表とキャストインタビューを掲載しています。楽しみではありますが、それにしても紅葉とツバメの出番は後半からだろうし、大和・クリスティーナ・和子はどの道ちょい役だし、ほたるに至っては1クールしかない中で一体どれだけ出番があるのかと、不安というか心配というか……。まずはお手並み拝見といったところでしょうか。
 
「まちカドまぞく」
3巻収録分のクライマックスとあって怒涛の展開。どとーといっても主人公は、うじょーひじょーのむいしきにしんにゅーしていたり。てな訳で他人の夢でなく自分自身の過去にダイブしたシャミ子の前に、ついに千代田桜が登場! ついにというか意外に早くというか、桜関連の謎の大部分はこのまま3巻収録分で決着が付きそうな気配すら感じます。

もっとも、桜は今回はほぼ登場しただけ、何を言い出すかは次号を待て! ではありますが……。そんな中で気になるのは、桃のほうの動き。読者視点ではシャミ子は割とのんきしてますが、桃はシャミ子を本気で心配していて、「断固助けに行きたい」とまで言い出しています。これひょっとして、2巻ラストで語られたような、桃がまぞくの眷属になる展開? でもってシャミ子の記憶にダイブするという……。そうすれば「君(シャミ子)の記憶を媒介にむりやり浮上」することしかできない桜とも再開を果たせるわけですし。

3巻分はそんな感じの展開でまとまって、4巻分は「眷属になった桃を看過できない&弱体化した今がチャンス!」と過激派魔法少女がやってきて、併せて6年前の出来事が明かされる……という展開を予想しておきます。

にしても桜のシャミ子への応援、「ほらいける! いけるよ!! いけると思い込め!!」はリリスの「頑張れ頑張れ超がんばれ! がんばってがんばるのだ!!」の天丼ぽい描写ですが、ここはむしろ桃の「出せるか出せないかじゃない…出すんだ。出していこう」(1巻p53)との関連で語るべきなのかも?
 
キルミーベイベー
「タマシイ抜け出るおもしろさ!」というアオリ文句もたいがいな幽体離脱回。「空を自由に飛び回る」イコール幽体離脱という、ネジが2、3本抜けたセンスを目の当たりにすると色々と心配になります……やすなよりもカヅホ先生が。
終盤はやすなとソーニャで「すわっぷ⇔すわっぷ」展開。「頭を思いきりぶつけ合ったら入れ替わるんじゃ?」というより前にまずキスを試してみろ! と思ったのは私だけではあるまい。ないよね?
 
NEW GAME!
センターカラー、これが6巻収録分のラストかな。パーテーションが緑色なのがアニメ化後を強く印象付けてくれます。八神の旅立ちそして見送りを描く中で、青葉と紅葉の和解というか融和を描く重層的な構成が見事でした。……しかし一方、「コウちゃん」呼びするほど親しいはずのひふみは観光の穴場の話しかしないなど、その距離感はますます謎に……。
 
はるみねーしょん
将来の夢が「動画投稿者」とか、来たか時事ネタ! という感じ。つっても時事ネタ取り入れられるのは『きららキャラット』ではこのマンガくらいかな? 「本当に空が飛べるのにフェイク扱い」というのは、定番オチというレベルを超えて古典的とすら感じられまますが、それを動画投稿者ネタに絡めたことで妙な説得力を獲得してます。
 
エクソシストと首輪の悪魔」
純粋な性欲だとしても、あるいは恋愛感情なるものでそれを糊塗したとしても、神父がアルマに催すようでは色々と話が成り立ちづらくなるんだけど、これはこの先どうするんだろう? あんまり下品な話は避けたいとこだが、神父は完全に支配する側で、しかもこれといってアルマに遠慮する理由がない(遠慮する理由がこれまで描かれていない)から、×××とか×××××とかその気になったら何でもヤリたい放題だよね……。
 
「ゆず35歳@中学生やってます」
ゲスト5本の中でこれが飛びぬけて面白かった。基本はタイトルから想像できるとおりの話……35歳の女性がこっそり中学校に通っているという話なんだけど、その35歳っぷりの過剰さや、にもかかわらず中学生を演じることになる経緯の強引さが、なんかスゴい。ただ、そのインパクトが強過ぎて「女子中学生同士のゆるふわな百合漫画」(と作者はツイートしてる)の印象が薄いのは問題か。次回どう話を転がすのか気になります。
 
これらのほか、次号最終回の「リラのお菓子な魔法」、明らかに話を畳みにきた「リトル・リトル・アリス」も気になるところですが、次号感想で触れたいと思います。

「妖怪ハンター 対 百姫たん!」

今ひとつメジャーになれないものの私含めて固定ファンは多く、DL数も先日160万に到達したスマホゲーム「妖怪百姫たん!」。……2年半で160万というのも多いんだか少ないんだか評価に困るところですが、いやまあリリースから2年半経った今でもコンスタントに更新されているのですから、まずは順調といっていいでしょう。一週間ほど前にはメインシナリオの新章(第三部三章)がリリースされました。

iOS/Android「妖怪百姫たん!」
メインストーリー新章が5月25日配信決定!
桃太郎こと吉備津彦命が登場する大召喚祭も同時開催

(略)
河童の復活を喜ぶ間もなく、「波下ノ宮」の赤間大明神に召喚されるあるじ達。赤間大明神は、大魔縁一味に奪われた「十種神宝」の一つ、蜂ノ比礼を奪還するように依頼する。

それを阻止せんと動くぬらりひょん。しかし、彼女は戦いを広めることよりも、あるじの側にいる妖怪達に対する嫉妬心のほうが強くなっている自分に気が付き、次第に不安定になっていく…

ついに、メインストーリー第三部三章配信を開始。心強い仲間を得て打倒大魔縁の狼煙を上げるあるじたちの新たな物語を、ぜひご覧ください。
(略)
http://www.gamer.ne.jp/news/201705190024/

…というわけで、新章では「波下ノ宮」の赤間大明神なるキャラクターが重要な役割を果たします。さて「波下ノ宮」とは? はい、『平家物語』のアレです、「波のしたにも都のさぶらうぞ」です。「百姫たん」本編にはこんな台詞があります。

「ああ、人間の世界でいうところの安徳天皇…。ここじゃ、赤間大明神の名で通っているけどな」
ほうほう。「百姫たん」はこう見えて妖怪関連の考証はしっかりしたゲームなので、赤間大明神というのも根拠無きものではあるまいとググってみる。

赤間神宮
赤間神宮(あかまじんぐう)は、山口県下関市にある神社である。旧社格官幣大社壇ノ浦の戦いにおいて幼くして亡くなった安徳天皇を祀る。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B5%A4%E9%96%93%E7%A5%9E%E5%AE%AE

不勉強につきこれまで知らなかったのですが、現実にも安徳天皇を祀っている「赤間神宮」という神社があるのでした。
 
……そうはいっても、「妖怪」で「安徳天皇」とくれば、思い出すのはやはり『妖怪ハンター』「海竜祭の夜」。

海竜祭の夜 妖怪ハンター (ジャンプスーパーコミックス)

海竜祭の夜 妖怪ハンター (ジャンプスーパーコミックス)

……主人公の稗田先生、「海竜祭」なる奇祭を見に離島にまで出かけたが、そこでは禁忌を犯した若者が行方知れずになっていて……という伝奇ものの定番展開なんですが、目を引くのはそこに平家伝説を絡めたこと。いや、「絡めた」というより「絡んでいない」のが目を引くというべきか、終盤に至るまで、何故に平家物語が出てくるのか分からないのです。海竜様に関する小さな怪事件が次々起こる中で、まるでBGMのように……まるで無関係に平家物語が語られる。
劇中の登場人物たちもまた、
「海竜祭になんで『平家物語』なんだ?」
「よ…よくはしりませんが昔から そう…」

という会話を交わすほど、関係が分かっていません。
 
それが終盤、「あんとく様」という忌み言葉が出てくる。ここで稗田先生も理解します、
「そうか…海竜祭は安徳天皇の鎮魂祭なんだ。
 海で死んだ安徳天皇の霊が海竜になったんだ。
 だが 村人のこの恐れようは……?
……実体のない悪霊ならば、むしろ良かったのかもしれません。ここで物語はあの有名なクライマックスを迎えます。

見た目のインパクトと、「あんとく様! お許しを!!」という簡潔に脅威を伝える台詞に目が行きますが、この場面の背景に
 
二位殿 やがて
いだき奉り
「波のしたにも
都のさぶらうぞ」
と なぐさめ
たてまつって
ちいろの底へぞ
いり給ふ――
 
悲しい哉
無常の春の風
忽ちに花の
御すがたをちらし
なさけなきかな
分段のあらき浪
玉躰をしづめ
たてまつる
 
という「平家物語」の一節をあしらったことこそがセンス。また、ここに至るまでの話運びも巧みなので、ぜひとも全編を読んでいただきたいところです。
 
さて、長々と「海竜祭の夜」の紹介を書いてしまいましたが、このたび読み返したところ、ひとつ大前提が覆る発見をしてしまった。何故に平家物語なのかが終盤までわからないのがポイントのはずが、5ページ目にこんな場面がある。

「阿加摩神社です。ここの神主が海竜祭の祝もやるんです」……って、最初から「あかま神社」言ってた!! 現実にある「赤間神宮」を連想させる名前で、平家の歴史に詳しい人ならここでもう安徳天皇絡みの話だと察しがつくことでしょう。ほかにも「御神体は立派な宝剣」(=草薙剣)とか「祭は旧暦の三月二十四日」(=安徳天皇の命日)とか、この3コマにヒントが凝縮されている。
 
「海竜祭の夜」、わずか25ページの短編にキッチリと伏線が張られていることに、甚だ今さらながら感心した次第。加えて、上に書いたとおり、私は「百姫たん!」をプレーするまで赤間神宮の存在を知らなかったので、ひとつ巡り合わせのような面白味も感じたのでした。

『まんがタイムきららキャラット』6月号

今月も「ひだまりスケッチ」休載、ゲストは4本。ブレンド・S」が表紙を飾りましたが、誌面ではアニメの続報は一切無し。この調子だと10月開始でなく来年1月以降?

キャラットの表紙は毎度おシャレですが、今号は特に冒険的というか実験的なレイアウトで、目を引くけどちょっと落ち着かない(苦笑)。誌名ほどに大きく作品タイトルを置いたり、他作品のタイトルをその下にまとめて誌面下端は絵を生かす……というか丸々空けるとか、色々と約束事から外れていて、変に心配になってしまう。デザインを手がけたのは BALCOLONY. 、個人的には『きらら』関連の仕事しか知らず、そっちの世界では評価が高いとはうっすら聞いている……という程度の認識だったが、あの『君の名は。』のポスターも手掛けていたのでした。
 
巻頭の記事ページにはNEW GAME!! アニメスタッフコメント(第2期は ! でなく !! なのね)。何話かけてどこまでやるの? が原作既読者の不安要素でしたが、志茂文彦氏(シリーズ構成)のコメントはそれに答えるような内容でした。「今回は使える題材がたくさんあって、それをどう全12話のシリーズにまとめるかが(贅沢な)悩みでしたが、藤原監督や得能先生のお力もあって、ご期待を裏切らずに済むようなストーリー構成にできたのではないかと思っています」……こうして書き出すとすごい自信と思えますが、第1期がまず不満の無い完成度だったし、ここは信頼していいでしょう。
 
「すわっぷ⇔すわっぷ」
初の巻頭カラー。「キス以外の方法で入れ替わりできないか?」から始まり、「キスのどのタイミングで入れ替わるのか?」を試行錯誤。つまるところ「双方目が覚めた状態での唇同士のキスだけで入れ替わる」という結論で、基本設定の再確認でもあったのかも(粘膜同士の接触…とか考えてはいけません)。にしても、春子がイイ性格してるのが話を動かしているなぁと改めて思う。
 
キルミーベイベー
「訳あって!」の一言で、段取りも説明も無しでいきなり本題である西部劇ネタを始められるのがこの作品の強み……って前にもこういうこと書いてるな……なんだけど、そのうえ一本目のオチでいきなり脱線するとは。そのまま決闘ネタはうやむやになって、あぎりさん登場の後半はロデオマシンネタで引っ張っていく。課金で難度低下、というのがいかにも今風でおかしくもあり、説得力もありw
 
「Aチャンネル」
久々の? 1年生トリオ回は開幕早々ミホのボケ&セルフツッコミ。あまりの暑さに部屋の中で水着に着替えてしまい、「おかしい… 春なのにこんな暑いなんて!」って、おかしいのはそこじゃないだろ!? まぁ、熱に浮かされての異常行動らしさはあります。普段はツッコミ役のミホがトラブルメーカー担当で、しかしユタカもいつもどおりウザ天然だったから、トオルがいつにも増してしっかり者に見えた。
 
「まちカドまぞく」
千代田桜についての情報交換はどうするのか? と思っていたら、白澤&リコが吉田家を訪ねてくる形になった。前回のシャミ子の健忘症を引っ張って、無理の無いストーリー展開で清子・良子を話に巻き込んでいます。リコに対するツッコミ役ながら当人も体を張ったボケをかます白澤さんがおいしいぞ。そして良子がその軍師スキルをいかんなく発揮!(単行本1巻収録のまちカドMAPが自由研究の作品だと判明するオマケ付) PCの扱いも既に手慣れたもので、プレゼンどころかリアルタイムの議事まとめ? までこなします。

さて、白澤&リコの話によって、桜が姿を消した10年前の事が色々と明らかに。桜は「天災みたいなの」に立ち向かい、コアに変わったということか? そしてそのコアはたまさくらちゃんのモデル、紅白の首輪をした猫の姿をしていた…らしい。

そして桃のさりげある(傍点打ってあるし)問題発言、「コアは…私が見たものは…水晶状で動きませんでした」。これは単に「コアを見た」ではなく、「眼前で魔法少女がコアになるのを見た」と捉えるのが自然で、さてそれは味方なのか敵だったのか? 私はこの件、3月号の台詞「エーテル体どうしでやりあった傷は…」と併せて「桃は魔法少女と戦い、相手をコアに変えた(≒殺した)」と捉えてますが、さて。いずれにせよ、10年前の事とは無関係で6年前に世界を救った件との絡みでしょう。単行本3巻収録分でなく4巻分からの掘り下げになるのでは?

こうして、物語の大枠というべき10年前の出来事の謎が次第に明らかになるのと並行して、シャミ子と桃の距離が縮まったりすれ違ったりしてるのも面白いところ。桃が前回ラストの、意識朦朧としたシャミ子の「私の使命は桃をニコニコ笑顔にすること…!」について何も問いたださないのは、シャミ子はそういう性格の子だと既に理解してるんでしょうなぁふふふ。その上で「何かほしいものとかある?」とシャミ子を気遣うという。2巻の終わりあたりでも、体の弱いシャミ子を走らせてた件とか父親の件とかを気にしてましたが、ここまでしっかり気遣いを見せたのは初めてかも。なのにシャミ子は明るく「宿敵」と言ってのけるねじれ構造よw

「桃は気が緩むと『お姉ちゃん』呼び」なんて小ネタも挟みつつ、シャミ子が桜(のコアかもしれない猫)と10年前に会っていたことも明らかになり、さて次回いよいよ千代田桜のコアの登場でしょうか。シャミ子の中にいるとも、清子の臨月というタイミングからして良子の中にいるとも予想されていますが……。

そうそう、魔法少女とまぞくとの対立の全体構造も見え隠れし始めました。リコはどうやら本当に巫女……魔法少女を倒してきたらしく、コアのことを魂魄と呼ぶ。白澤さんの「動物がしゃべるなんてありえないよ!」という台詞はまず軽いボケですが、ひょっとしたら元はバクの姿ではなかったのかもしれません(だから驚いたときなどは今の自分の姿を忘れた発言をする、という)。また、白澤さん初登場回の台詞にあった「まつろわぬ者たち」にはさほどの意味は無い(なんとなく難しい言葉を言ってみただけ)と思ってましたが、今回明かされた結界の名は「すぎこしの結界」。となるとまぞく(魔族)は本当にまつろわぬ者……体制不服従のマイノリティなのかも? すぎこし……過越の元ネタである出エジプト記はそういう話(エジプトに追われるユダヤ人の話)なので。
 
ブレンド・S」
白衣&ネクタイって良いよね、のセンターカラー。苺香さんが店長をじっくり観察するという話で、逆転の面白さはあるものの、苺香のボケと店長の空回りで話が動くいつものパターンでした。まぁ「そこに安定感がある」とも言えましょう。ラブコメ的な進展も無し。

ところでラストの苺香さん、髪に触れて店長だとわかったのか、それともブロンドだとわかっただけなのか。後者だとしたら導入部から何も変わっていないことに……。
 
「ネコじまにゃんだフル」
基本は緩い日常ものながら、何やら不穏な影も差し始めた。管理人さんが銃を携えているのはギャグの一部か、それとも猫島はガチで危険な場所なのか? そういうのも面白いけれど、シリアス寄りの話になるとそれ相応のディテールが必要だから「何故みな一軒家に住んでいるのか」「なのに何故クロ・シロと先生は同居しているのか」といった些末な部分にまで理由を求めたくなる。今回、顔を見せただけで結局何もしてないスコや、その他居留守を決め込んだ猫たちの今後も気になるところ。
 
NEW GAME!
前号に続いてセンターカラー&2本立て。次号もまたセンターカラーで、去年ほどではないけれどアニメ第2期放映開始を控えて力が入っています。

1本目は、コウが青葉と紅葉の仲を取り持ったり…焚きつけたり? 紅葉の青葉を見る目が少し変わったところで2本目に続く。それにしてもコウの「青葉は心に何か抱えてるのか」はとうとう言っちゃったかって感じではあるw そしてそれをグラフィック化したのは紅葉だという……。

2本目は、紅葉が今度はひふみんの助けを得て青葉を理解する、というお話。紅葉&ツバメが登場して以来、何かとギスギスした話が続いていましたがこれにて一件落着……と思いきや、先月号からの流れでついにコウのフランス行きが明らかに(ところでゲーム業界の国際的勢力図ってよく知らないんだけど、アメリカでなくフランスなのは相応の理由がある?)。紅葉は敵視していた青葉の悔しさを知り、一方でコウもまた青葉に「負けてられない」と思っていた、という二重構造が凝ってます。

そしてコウりんはこれ「離れていても気持ちはつながってるよ」的なプロポーズと解釈しても何の間違いもないよね? りんがフランスまで付いていく、なんて安易な話にせずに二人の絆の強さを描いたのが見事です。さて、青葉のコウに対する想いはどうなるのか? アニメ第2期もここまでやるのかな。
 
はるみねーしょん
はるみがギター片手に……ていうか片手ギターで吟遊詩人を目指す話。どんな音楽を作りたいかと聞かれた答が「テクノポップかな」。……細野・高橋・坂本の元ネタ絡みのネタはひょっとして初めて?
 
「トモダチヅクリ」
初の6人勢ぞろいでそのうえ温泉回。福引で当たったという経緯説明をひとコマに押し込むのはいいが、文芸部先輩コンビと同級生コンビとの距離があらかじめ縮んでいるのは作品テーマ的に気になるところ。まぁ主役はあくまで麻乃と静ということか。これまで、ちっちゃいけどしっかり者というキャラを立ててきたメイ先輩が、今回は子供っぽい顔を見せるというのは二段ギャップ萌えとでもいうべきか。そしてオチはいつもの? 麻乃&静のイチャイチャだった。ぶっちゃけ2巻で終わりそうなんですが、この二人の関係にはどんな決着がつくんだろう。
 
「貧乏神ちゃんはうまくできない」険持ちよ
ビンビンちゃっちゃ♪てなもんで、劣等生だから人をお金持ちにしちゃう貧乏神と、なんでも受け入れる温厚な主人公との取り合わせが可愛い&面白い。お屋敷暮らしの今後も気になるけれど、続きは載るのだろうか?

ザ・カゲスターに登場したPUMA GT

一時的にamazonプライムに登録したので、ちょっとamazonビデオで「ザ・カゲスター」を観た。ツイッターで、ブラジル生まれの珍車 PUMA GT が登場しているとの話を聞いたので、確かめたかったのだ。


第2話のラストにはオレンジ色のオープントップタイプ(PUMA GTS らしい)が…。


第3話、5話にはダークグリーンのクーペタイプ(PUMA GTE?)が登場する(画像は第5話より)。ナンバープレートが同一に見えるが、撮影用のダミーを貼っていたのだろうか?
 
この車、ドアに注目していると…。

サイドドア(ウインドウ)がサッシュレスでない(窓枠が付いている)ことに軽く驚く。
http://auto-zer.com/page/puma-gts/default.html
↑このページでみると分かりやすいかな。オープントップ型のドアには当然ながら窓枠が無いが、クーペ型には付いている。言い換えれば、ボディタイプに合わせてドアを変えるという妙な手間を掛けているわけだ。クーペ型がまずあって、後にオープントップ型を展開したのだろうか?
http://blog.goo.ne.jp/cyrilsnow34/e/6158bfb2a38ff2d586a74729f440c519
↑ビバインターネットというべきだろう、こんなマイナーな車でも日本語で情報をまとめているサイトがあるのだった。オープンモデルの追加は1971年とのことで、サッシュレスドアはそのときからなのだろう。
 
また、初代(1967)はDKWベースのFWDだったのが、二代目(1968)はVWカルマン・ギアベースでRRになった模様。リンク先はエンジンにしか触れていないが……。

『ザ・カゲスター』第5話にはエンジンが故障して、後部ハッチを開けるという場面がある。

なお、国会図書館サーチで検索すると、『モーターファン』誌1975年10月号に「ピューマGTE/GTS」のカラー紹介と試乗レポートが掲載されているとわかる。
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I000476093-00
先にURLを上げたサイトに「このプーマGT、75年にチェッカー・モータスが輸入していたことがある」とあるから、その絡みで『モーターファン』誌も記事にしたのだろう。

ただし、『ザ・カゲスター』に登場するのはチェッカー・モータースが輸入した車ではない。断言できる。なぜなら(既にお分かりだろうが)……。

輸入業者「JAX」のステッカーがべたべたとあっちこっちに貼ってあるからだ。先のURLのコメント欄にある「1976-77年ごろに世田谷の「JAXカーセールス」が輸入販売」した分なのだろう。ただ、それにしたってJAXが目立ち過ぎで、これは撮影用車あるいは広報用車ではなく、店先に置いておく試乗車だったのではなかろうか。エンディング等には撮影協力・車両提供のクレジットは無かった。

各媒体はMOABを何と呼んだか

米軍がIS相手にMOABを使用した。で、そのMOABを何と呼んでいるか、媒体ごとに微妙に違っているのが面白くてちょいと集めてみた。

まず一つザックリ書いとくと「通常兵器」について、やれ「核兵器ではない通常兵器」とか、それ「非核通常兵器」とか、はたまた「核兵器を除く通常兵器」とか、馬から落ちて落馬してる表現が全国紙にみられるのが面白いなぁ、と。「通常兵器」といえばそれだけで「核兵器ではない兵器」「非核兵器」なのに、なんでいちいち重ねて書くかなぁ? 一般読者にはそれだけでは伝わらない、という判断?
 
■読売新聞■
見出し:大規模爆風爆弾
本 文:核兵器ではない通常兵器で最大の威力があるとされる大規模爆風爆弾
 
朝日新聞
見出し:超強力爆弾
本 文:大規模爆風爆弾「モアブ」〜非核兵器としては最大の破壊力を持つとされる
 
朝日新聞■2
見出し:最大の非核兵器
 
毎日新聞
見出し:最強爆弾
本 文:通称「大規模爆風爆弾兵器」(MOAB)と呼ばれる特殊爆弾で、米軍が保有する非核通常兵器の中で最大級
 
日本経済新聞
見出し:超大型爆弾
本 文:大規模爆風爆弾(MOAB)
解 説:地下施設を破壊するのに適したMOAB(…おいおい)
 
日本経済新聞■2
見出し:通常兵器で破壊力最大級
 
産経新聞
見出し:最強爆弾「全爆弾の母」
本 文:大規模爆風爆弾(MOAB)/MOABは核兵器を除く通常兵器としては最大の破壊力を持ち、
 
■AFP■
見出し:最強の非核爆弾
本 文:非核兵器では史上最大の爆弾
 
ブルームバーグ
見出し:通常兵器で最強の爆弾
本 文:通常兵器としては史上最強の爆弾
 
■ロイター■
見出し:米軍の「最強」爆弾
本 文:「全ての爆弾の母」と呼ばれ……非核爆弾の中では最強の破壊力を持つとされる
 
■NHK■
(「MOAB」無し)
見出し:「大規模爆風爆弾」
本 文:通常兵器では最大の破壊力があるとされる爆弾/核兵器以外の通常兵器では最大の破壊力があるとされる「GBUー43B・大規模爆風爆弾」
 
■日テレ■
(「MOAB」無し)
見出し:“最強”の爆弾
本 文:アメリカ軍が保有する中で、最も大きい爆弾/核兵器をのぞくと最大の爆弾で、最強の破壊力をもつとされる「大規模爆風爆弾」