『まんがタイムきららキャラット』6月号

今月も「ひだまりスケッチ」休載、ゲストは4本。ブレンド・S」が表紙を飾りましたが、誌面ではアニメの続報は一切無し。この調子だと10月開始でなく来年1月以降?

キャラットの表紙は毎度おシャレですが、今号は特に冒険的というか実験的なレイアウトで、目を引くけどちょっと落ち着かない(苦笑)。誌名ほどに大きく作品タイトルを置いたり、他作品のタイトルをその下にまとめて誌面下端は絵を生かす……というか丸々空けるとか、色々と約束事から外れていて、変に心配になってしまう。デザインを手がけたのは BALCOLONY. 、個人的には『きらら』関連の仕事しか知らず、そっちの世界では評価が高いとはうっすら聞いている……という程度の認識だったが、あの『君の名は。』のポスターも手掛けていたのでした。
 
巻頭の記事ページにはNEW GAME!! アニメスタッフコメント(第2期は ! でなく !! なのね)。何話かけてどこまでやるの? が原作既読者の不安要素でしたが、志茂文彦氏(シリーズ構成)のコメントはそれに答えるような内容でした。「今回は使える題材がたくさんあって、それをどう全12話のシリーズにまとめるかが(贅沢な)悩みでしたが、藤原監督や得能先生のお力もあって、ご期待を裏切らずに済むようなストーリー構成にできたのではないかと思っています」……こうして書き出すとすごい自信と思えますが、第1期がまず不満の無い完成度だったし、ここは信頼していいでしょう。
 
「すわっぷ⇔すわっぷ」
初の巻頭カラー。「キス以外の方法で入れ替わりできないか?」から始まり、「キスのどのタイミングで入れ替わるのか?」を試行錯誤。つまるところ「双方目が覚めた状態での唇同士のキスだけで入れ替わる」という結論で、基本設定の再確認でもあったのかも(粘膜同士の接触…とか考えてはいけません)。にしても、春子がイイ性格してるのが話を動かしているなぁと改めて思う。
 
キルミーベイベー
「訳あって!」の一言で、段取りも説明も無しでいきなり本題である西部劇ネタを始められるのがこの作品の強み……って前にもこういうこと書いてるな……なんだけど、そのうえ一本目のオチでいきなり脱線するとは。そのまま決闘ネタはうやむやになって、あぎりさん登場の後半はロデオマシンネタで引っ張っていく。課金で難度低下、というのがいかにも今風でおかしくもあり、説得力もありw
 
「Aチャンネル」
久々の? 1年生トリオ回は開幕早々ミホのボケ&セルフツッコミ。あまりの暑さに部屋の中で水着に着替えてしまい、「おかしい… 春なのにこんな暑いなんて!」って、おかしいのはそこじゃないだろ!? まぁ、熱に浮かされての異常行動らしさはあります。普段はツッコミ役のミホがトラブルメーカー担当で、しかしユタカもいつもどおりウザ天然だったから、トオルがいつにも増してしっかり者に見えた。
 
「まちカドまぞく」
千代田桜についての情報交換はどうするのか? と思っていたら、白澤&リコが吉田家を訪ねてくる形になった。前回のシャミ子の健忘症を引っ張って、無理の無いストーリー展開で清子・良子を話に巻き込んでいます。リコに対するツッコミ役ながら当人も体を張ったボケをかます白澤さんがおいしいぞ。そして良子がその軍師スキルをいかんなく発揮!(単行本1巻収録のまちカドMAPが自由研究の作品だと判明するオマケ付) PCの扱いも既に手慣れたもので、プレゼンどころかリアルタイムの議事まとめ? までこなします。

さて、白澤&リコの話によって、桜が姿を消した10年前の事が色々と明らかに。桜は「天災みたいなの」に立ち向かい、コアに変わったということか? そしてそのコアはたまさくらちゃんのモデル、紅白の首輪をした猫の姿をしていた…らしい。

そして桃のさりげある(傍点打ってあるし)問題発言、「コアは…私が見たものは…水晶状で動きませんでした」。これは単に「コアを見た」ではなく、「眼前で魔法少女がコアになるのを見た」と捉えるのが自然で、さてそれは味方なのか敵だったのか? 私はこの件、3月号の台詞「エーテル体どうしでやりあった傷は…」と併せて「桃は魔法少女と戦い、相手をコアに変えた(≒殺した)」と捉えてますが、さて。いずれにせよ、10年前の事とは無関係で6年前に世界を救った件との絡みでしょう。単行本3巻収録分でなく4巻分からの掘り下げになるのでは?

こうして、物語の大枠というべき10年前の出来事の謎が次第に明らかになるのと並行して、シャミ子と桃の距離が縮まったりすれ違ったりしてるのも面白いところ。桃が前回ラストの、意識朦朧としたシャミ子の「私の使命は桃をニコニコ笑顔にすること…!」について何も問いたださないのは、シャミ子はそういう性格の子だと既に理解してるんでしょうなぁふふふ。その上で「何かほしいものとかある?」とシャミ子を気遣うという。2巻の終わりあたりでも、体の弱いシャミ子を走らせてた件とか父親の件とかを気にしてましたが、ここまでしっかり気遣いを見せたのは初めてかも。なのにシャミ子は明るく「宿敵」と言ってのけるねじれ構造よw

「桃は気が緩むと『お姉ちゃん』呼び」なんて小ネタも挟みつつ、シャミ子が桜(のコアかもしれない猫)と10年前に会っていたことも明らかになり、さて次回いよいよ千代田桜のコアの登場でしょうか。シャミ子の中にいるとも、清子の臨月というタイミングからして良子の中にいるとも予想されていますが……。

そうそう、魔法少女とまぞくとの対立の全体構造も見え隠れし始めました。リコはどうやら本当に巫女……魔法少女を倒してきたらしく、コアのことを魂魄と呼ぶ。白澤さんの「動物がしゃべるなんてありえないよ!」という台詞はまず軽いボケですが、ひょっとしたら元はバクの姿ではなかったのかもしれません(だから驚いたときなどは今の自分の姿を忘れた発言をする、という)。また、白澤さん初登場回の台詞にあった「まつろわぬ者たち」にはさほどの意味は無い(なんとなく難しい言葉を言ってみただけ)と思ってましたが、今回明かされた結界の名は「すぎこしの結界」。となるとまぞく(魔族)は本当にまつろわぬ者……体制不服従のマイノリティなのかも? すぎこし……過越の元ネタである出エジプト記はそういう話(エジプトに追われるユダヤ人の話)なので。
 
ブレンド・S」
白衣&ネクタイって良いよね、のセンターカラー。苺香さんが店長をじっくり観察するという話で、逆転の面白さはあるものの、苺香のボケと店長の空回りで話が動くいつものパターンでした。まぁ「そこに安定感がある」とも言えましょう。ラブコメ的な進展も無し。

ところでラストの苺香さん、髪に触れて店長だとわかったのか、それともブロンドだとわかっただけなのか。後者だとしたら導入部から何も変わっていないことに……。
 
「ネコじまにゃんだフル」
基本は緩い日常ものながら、何やら不穏な影も差し始めた。管理人さんが銃を携えているのはギャグの一部か、それとも猫島はガチで危険な場所なのか? そういうのも面白いけれど、シリアス寄りの話になるとそれ相応のディテールが必要だから「何故みな一軒家に住んでいるのか」「なのに何故クロ・シロと先生は同居しているのか」といった些末な部分にまで理由を求めたくなる。今回、顔を見せただけで結局何もしてないスコや、その他居留守を決め込んだ猫たちの今後も気になるところ。
 
NEW GAME!
前号に続いてセンターカラー&2本立て。次号もまたセンターカラーで、去年ほどではないけれどアニメ第2期放映開始を控えて力が入っています。

1本目は、コウが青葉と紅葉の仲を取り持ったり…焚きつけたり? 紅葉の青葉を見る目が少し変わったところで2本目に続く。それにしてもコウの「青葉は心に何か抱えてるのか」はとうとう言っちゃったかって感じではあるw そしてそれをグラフィック化したのは紅葉だという……。

2本目は、紅葉が今度はひふみんの助けを得て青葉を理解する、というお話。紅葉&ツバメが登場して以来、何かとギスギスした話が続いていましたがこれにて一件落着……と思いきや、先月号からの流れでついにコウのフランス行きが明らかに(ところでゲーム業界の国際的勢力図ってよく知らないんだけど、アメリカでなくフランスなのは相応の理由がある?)。紅葉は敵視していた青葉の悔しさを知り、一方でコウもまた青葉に「負けてられない」と思っていた、という二重構造が凝ってます。

そしてコウりんはこれ「離れていても気持ちはつながってるよ」的なプロポーズと解釈しても何の間違いもないよね? りんがフランスまで付いていく、なんて安易な話にせずに二人の絆の強さを描いたのが見事です。さて、青葉のコウに対する想いはどうなるのか? アニメ第2期もここまでやるのかな。
 
はるみねーしょん
はるみがギター片手に……ていうか片手ギターで吟遊詩人を目指す話。どんな音楽を作りたいかと聞かれた答が「テクノポップかな」。……細野・高橋・坂本の元ネタ絡みのネタはひょっとして初めて?
 
「トモダチヅクリ」
初の6人勢ぞろいでそのうえ温泉回。福引で当たったという経緯説明をひとコマに押し込むのはいいが、文芸部先輩コンビと同級生コンビとの距離があらかじめ縮んでいるのは作品テーマ的に気になるところ。まぁ主役はあくまで麻乃と静ということか。これまで、ちっちゃいけどしっかり者というキャラを立ててきたメイ先輩が、今回は子供っぽい顔を見せるというのは二段ギャップ萌えとでもいうべきか。そしてオチはいつもの? 麻乃&静のイチャイチャだった。ぶっちゃけ2巻で終わりそうなんですが、この二人の関係にはどんな決着がつくんだろう。
 
「貧乏神ちゃんはうまくできない」険持ちよ
ビンビンちゃっちゃ♪てなもんで、劣等生だから人をお金持ちにしちゃう貧乏神と、なんでも受け入れる温厚な主人公との取り合わせが可愛い&面白い。お屋敷暮らしの今後も気になるけれど、続きは載るのだろうか?