『まんがタイムきららキャラット』9月号

アニメ「NEW GAME!!」は期待以上の出来で毎回楽しみなんですが、しかし『まんがタイムきららキャラット』のCMをやらなくなったのはどういうわけだ!? てな感じでだいぶ遅れましたが9月号感想。「ひだまりスケッチ」が休載、ゲストは3本で「恋する小惑星」が2本立て。単行本化前の2本立てはちょっと珍しいかも。

表紙および付録クリアファイルは「NEW GAME!」。おなじみのキャラのうち若手5人(あれ? ひふみん?)ともずくという取り合わせで、紅葉&ツバメ抜きなのはアニメから入ってきた人向けのアピールか。クリアファイルは年長者5人(とこっちにももずく)で、大和クリスティーナ和子は人数合わせで入っているような。
 
カラーページは「きららファンタジア」続報、NEW GAME!! の商品情報、イベントまんがタイムきららフェスタ!2017」リポート、ブレンド・S」ヒロイン3人の設定画が各1ページ。きららフェスタに関しては、伊藤いづも先生によるレポートマンガが(どうでもいいがレポートなんだかリポートなんだか)ウェブ上で公開されています。
http://www.dokidokivisual.com/kirarafesta2017/
 
NEW GAME!
ついに発売されたPECO、そのキャラクターデザインを務めた青葉のサインをめぐる話。あおっちとねねっちと変わらぬ友情というか、変わりゆく記憶というべきか(苦笑)。久々登場のほたるんは現代日本の文化の最先端(でもないか)に染まり、意味がよく分かってないまま「ふきょう」を始めるのだった。それ見た青っちの「ほたるんは変わらないなぁ…」というリアクションがちょっとつかみづらい。意味が分からなくてもとりあえずやってみるタイプの娘、なんでしょうか。
 
ブレンド・S」
前回からの続きで苺香さんと店長のデート話。……そういや無印『まんがタイムきらら』9月号(asin:B071GW29HN)への出張掲載には店長まったく出てこなかったな。本編がこんな展開だからか、それとも「男キャラの出番は控えたほうが一見さんには受ける」という判断? まぁもう1話あるので、そこでクローズアップされるのかもしれません。

無印きららでは不遇の店長ですが、こちらの連載版では基本スペックの優秀さを披露したり、オタ趣味も苺香さんは受け入れてくれたり、さばかりか苺香さんが微妙にやきもちを焼いたりで、なかなかいい感じに。まーこれで両想いになったら話が終わるからどこかで破綻するのでしょうがドキドキしながら次回を待つ。
 
「正義ノ花道」
主人公側の首謀者が私利私欲まみれだったり、特に悪がいなかったりまではいいけれど、それで何もしてない不良コンビをボコるというのはギャグとしても受け入れられななかった。

生徒は「貢献度」によって階級分けされているという、いかにも学園物らしい設定はマァいい。となれば正義の味方としての活躍で「貢献度」を積んでランクアップしていく、という展開が想像されるけれど、何もしていない不良を、言ってしまえば無実の生徒をボコったところで貢献にはならないよね? ていうか、「上からの命令は絶対」「逆らえば制裁」という支配構造の中で、まつりは既に最低ランクの「反社会的行動者・規則違反者」扱い。初めから正義の味方なんて務まらない位置付けになっている。これでは生徒会を敵に回しての反乱(あるいは革命)展開しかないのではなかろうか。
 
「まちカドまぞく」
9月27日発売の第3巻の締めとなる話。いやもう、ニヤニヤ泣きながら読むしかなかった見事な締めでした。

まちカドまぞく (3) (まんがタイムKRコミックス)

まちカドまぞく (3) (まんがタイムKRコミックス)

前回衝撃的だった桃の闇堕ちは精神のみ、かつ一時的なものと判明。これまで今ひとつ見せ場の無かったミカンが、10年前に桃からもらった気持ちを振り返りながら、友情ぱわーで桃を救う……というのもグッとくるのだけど、この回全体の中ではオードブルみたいな位置付けだった!

かつて世界を救ったこともある魔法少女・桃は、これからは「シャミ子が笑顔になれるだけの、ごくごく小さな街角だけを全力で守る」ことを新しい目標にして、ついにシャミ子に笑顔を見せた! それでここまでの目的を果たせたはずのシャミ子は、けれども泣き出してしまう……。桃がシャミ子を大事に想っていることと、シャミ子の自分自身の非力さに対する複雑な思いとが、ごくごく微妙なところですれ違っているのですね。だからハッピーエンドのはずなのに泣けるという、なんつーかもうニヤニヤ泣きながら読むしかない見事な締めだ!

最後は「桃色の誓い」、あるいは「ぽっきんアイスの誓い」。シャミ子は「…何ソレ」と言い出してせっかくの桃の提案はスベリ気味でしたが、だからこそのほのぼのエンド。……ここで元ネタの「願わくば同年、同月、同日に死せん事を」は結局果たせなかった、なんてことは思い出さないほうがいいでしょう。

というわけで見事な締め(三度目)だったのですが、あえて不満を言うなら「白沢さんとリコはどうした?」というのが気になるところ。4巻からの新展開でまた重要な役割を果たすのでしょうか。
 
キルミーベイベー
久々に流血も失神も無しのマイルドな回(え?)。ちょっと読み返してみたが、少なくとも2017年に入ってからは初だった。殴打すらひとコマのみ……なんだけど、色んな意味で「思ってた怖さと違う!!」という。ていうかこの仕掛けが誘うのは「恐怖感」ではなく「嫌悪感」のような気がw お化け屋敷なので襲ってはこない(ただ脅かすだけ)というヒネリも効いていた。
 
「ふじょ子とユリ子」
同人イベント回、といっても季節ネタのコミケではなく「魔法少女かめかめ」オンリーイベント。前回限りと思っていたユリ子画ネタを引っ張ったのが意外で面白い。オンリーイベなのに亀ピエは1000分の2ってマイナーカプどころでなかった!(プリキュアオンリーでレッド×ブルー本を出すようなものか?) となればもうひとつの亀ピエサークルが気になるところですが、そういう流れにはならずスルー。新キャラ岡本さんは次回以降どう絡む?
 
「黒髪巫女とマリアウィッチ」
こちらも同人イベント回、そしてこちらは季節ネタというべきコミケ(コミフェ)話で、頼子が終始魔法少女のコスプレ姿なのが新鮮だった。ていうかそのせいで「黒髪巫女とマリアウィッチ」なのに黒髪巫女もマリアウィッチも出てこないという(苦笑)。このマンガ、以前は「頼子が魔法使い愛を暴走させる」というのが基本だったが、今回はクロエを中心に据えてそのアド様&七統先生&頼子愛の空回りを描いており、物語上の役割の変化も面白い。
 
「トモダチヅクリ」
麻乃と静、傍目には夫婦同然なのに当人たちは「女同士じゃ結婚できないよ?/ませんよ?」という温度差が良い。にしても、普通にお嫁さんに憧れてる麻乃はともかく、理想の人を聞かれて「料理が上手だといいですね」と答える静はそれでいいのか!?