「まちカドまぞく」1巻

近い将来必ず話題作になるので今のうちから買っておけ、と言い続けてきた(あれ?言ってなかった?)「まちカドまぞく」の1巻が本日発売されました。

まちカドまぞく (1) (まんがタイムKRコミックス)

まちカドまぞく (1) (まんがタイムKRコミックス)

このマンガの何が凄いかって、「間口が広くて奥行きが深い」んです。ひと言でいえば「魔族として覚醒したが弱っちい主人公の空回りを愛でるマンガ」で、そこだけ見てても面白い。魔族といっても悪事は働かず、宿命的な敵である魔法少女に勝負を挑む(そして返り討ちに合う)だけの平和な話。シャミ子はとにかく可愛らしく、応援したくなること請け合いです。べらぼうに強いけどどこか冷めているトレーニングマニアの魔法少女・桃との掛け合いも冴えていて、そのあたりはちょっと「キルミーベイベー」に似た構造。

けれども、既に熱心なファンが少なからずいるのはそれだけが理由ではありません。とにかく情報量が膨大かつ緻密なんです、このマンガ。笑いを誘う小ネタが端々に散りばめられている…というだけでなく、表立っては断片的にしか出てこないシリアス要素を深読みする余地も大きい。特に桃の過去はそれだけで30分枠のアニメ1クール分は軽く妄想できます。これが実にマニア殺しで、2ch(って私はほとんど見てないけど)などの掲示板はいきおい小ネタ発見報告と「解釈」で盛り上がることになります。

そういう奥行きの深さが魅力なんですが、さはされど「そこらへんの細かな情報をスルーしても普通に面白い」んですわ。スルーというか、そもそも細かなネタや伏線に全く気付かなくても面白いんです。

このマンガの何が凄いかって、「奥行きが深いが間口も広い」んです。だからこそ私は「自信を持って万人におすすめできる」とまで言うのです(あれ?言ってなかった?)