『まんがタイムきららキャラット』8月号

アニメ放映開始直前ということで「NEW GAME!」大プッシュ! ……いや、ここ半年くらいずっとこんな誌面だったか(苦笑)。とはいえ今月は放送情報、商品情報、イベント等の告知でカラーページが埋め尽くされているから、良くも悪くも「直前」感があります。脚本家座談会も読みごたえがあり、これなら作品にも期待できそう。原作者自ら脚本を手掛けるというと「神のみぞ知るセカイ」を思い出しますが、まぁあれはあれで。
 
キルミーベイベー
単行本8巻発売にタイミングを合わせて巻頭カラー。……タイミングを合わせたんだよね? 広告とか入ってないからちょっと淡泊だ。お話はやすなとソーニャで怪獣ハント。薬物による突然変異扱いだけど、確かコモドドラゴンてこれくらいのサイズだったような? だとしても町中にいたらおかしいけどね。「真に恐ろしいのは怪獣ではなく、それを生み出した人間だ」というエンディングはちょっと社会派。
 
NEW GAME!
今月も2本立て。1本目は前号2本目からの続き。結末はあらかじめ決まっていたとおりのものだけど、にもかかわらず青葉の成長を感じさせるエピソードとして見事に収まりました。ゲームのキービジュアルに必要な要素と制約は何かを明示したり、青葉がキャラデザインとイラストの勝手の違いを感じるなど、お仕事ものとしての精度も高い。加えて、青葉の「楽しんで描けているけど一歩及ばない作品」と、コウの「完成しすぎてる作品」の両方をひとりの漫画家が描いてるのもすごいよね。

二本目、ファンの間でネタにされてきた高卒の青葉に短大卒の後輩ができる話……というべきか。なるほどこうきたかとは思ったけど、ねねっちにはこれまで同様ちょっと違った角度というか距離感で「仕事」に関わって欲しかったな、という思いもある。
 
NEW GAME! TVアニメ制作現場レポート」
伊藤いづも画のあおっちやソフィアちゃんが可愛い(そこか)。あと巨乳美少女の監督も。パーティションの色を緑に変えたのは、青のままだとあおっちの髪の色が溶け込んじゃうという判断だろうか。
 
「まちカドまぞく」
今回色々とボリュームあり過ぎだよ! 感想というか内容の確認になってしまった。

1頁目。前回の続き……のはずが冒頭で軽く意表を突かれる。ていうか「外」からの視点で町(せいいき桜ヶ丘)が語られたのは初めてでは。みかんも特にせいいき桜ヶ丘が変な町とは言って無かった記憶。これはもちろん、「最強の魔法少女」の見えざる存在感を強調するための導入なんですが、今の展開以後の、3巻に収録される分の展開に向けた布石なのかも? 他方、杏里ちゃんと小倉さんが「いろんなことに慣れきってる住民」の代表のように描かれているのはやや意外。この二人は何かしら特殊な立場というわけではない?

2頁目。千代田桜は桃の「義理の」姉。清子おかーさんとの関係は不明、ただし……(5頁目に続く)。桃は本編未登場の「この町の古株の魔族」に言及したが、今後その当人が登場するかは不明。

3頁目。シャミ子のどじっこはおかーさん譲り。でもおかーさん、1巻p35でちっさく「アホだし」とか辛辣なこと言ってたよね!?

4〜5頁目。ついに明かされるシャミ父の名前、正体そして所在! みかん箱が伏線と見ている人いたよなーと、「まちカドまぞく みかん箱」でググると……。

225 :□□□□(ネーム無し):2015/09/16(水) 00:22:21.77
「一家四人」
つまり、おとーさんはミカン箱の中に住んでる
現在判明している間取りではミカン箱以外におとーさんの居住スペースが無い
http://kanae.2ch.net/test/read.cgi/4koma/1441943563/225

これ書き込んだ本人も驚いてるだろうなぁ。

清子おかーさんは魔族の血筋でなく、おとーさんのほうが魔族だというのはほのめかされてましたが、こんなショタキャラだとは。写真にはキャリーバッグにくくりつけられてたごせんぞうが写っているほか、しっぽの先のあたりに見えるのは……!? 清子もまた桜と共に戦った魔法少女なのか。だとしたら今回は伏せていたのは何故なのか。

それにしても、いくら当時は寝てばかりといったってお父さんに角が生えてたことくらいは覚えとけよシャミ子w 

6〜7頁目。桃はこれまでどこか自罰的なところがあって、それは「私にはうまくできなかった(町を守れなかった)」(1巻p99)に起因するとみられますが、今回で改めて「吉田家おとーさんを奪った」ことの責任を背負うことに。ある意味、問題の矮小化(町→一家族、本人の失敗→知らぬ間に姉がやったこと)ではありますが、これによって次回「シャミ子が桃に赦しを与える、心を救う」という展開に自然につながるのが巧い。そしてこういう展開の中にも「箱入りおやじ」ってタイトル小ネタを忘れないセンスよ。

8頁目。シャミ子を支えているいろんな人たち。桃もその一人だけれど本人に自覚は無い。次回、桃に追いついたシャミ子はそのことを伝えて……一件落着めでたし、めでたし。あれ? なんか次回で完結しそうな勢いなんですが……。早くもその先の展開(3巻収録分の展開)が気になってきた。
 
「はやしたてまつり♪」
今回から連載化。お囃子が主題なのに主人公コンビは楽器の持ち方も知らない新聞部員、という距離が今回は巧く生かされていた。カメラマンが太鼓の楽しさに目覚めてしまって、新聞部という基本設定は今後どうなるの、という意味で良くも悪くも予測できない。
 
ブレンド・S」
これまでトリックスターの位置付けだったひでりが、美雨さんとのコンビだと振り回される役になるのが新鮮。
 
「ごきチャ」
最終回。同じく長期連載で、先日終了した「イカ娘」と同じくらいに「いつもどおり」の、波乱の無い最終回……と思わせて最後の1ページで「こうきたか!」という感じ。『ビーストウォーズ』第一期最終回の最後に子安コンボイが視聴者に「心配しないでくれ!」云々と語りかけたのを思い出す。
 
「平成生まれ3」
こちらも長期連載の最終回。先月から続いて卒業式話でしんみり幕を下ろす…とは思ってなかったけど、何かカーテンコール的なエンディングを予想してたので、タイトルに絡めた「次の世代」ネタで来るとは思ってなかった。再来月からレギュラーを一新して「10年代生まれ」が始まります(嘘)。