今年前半に観た映画

今年も後半に入ったので、これまでに観た映画を整理してみた。思った以上に多かったが、アニメとヒーローものばっかだな……。
手裏剣戦隊ニンニンジャーVSトッキュウジャー THE MOVIE 忍者・イン・ワンダーランド」
★★☆☆☆
いつもの戦隊VS……といいたいところだが、導入が妙に暗かったり、例年なら各キャラそれぞれに見せ場を用意するところが両アカに重点置き過ぎだったりと、例年と違ったことをやろうとして空回りした感じ。そしてアカニンジャーは一年やっても滑舌が悪いままだった。
アクションシーンは長回しというほどではないが長めのカットで見応えがあり、時代劇の東映の意地を見た。全メカ勢揃い…ではないけどソレっぽい必殺技で決着付けた巨大戦も良し。っつっても点を付けたら5点満点で2点だな。
 
KING OF PRISM by PrettyRhythm
★★★☆☆
正式タイトルだとなんかスカしてるけど「キンプリ」な。ストーリーは正直ツライというか、そもそも「プリリズの続編である新シリーズの第1話」みたいな作品。プリリズは飛ばし飛ばしでしか観てない、ましてオバレの連中になんてまるで思い入れが無い私がノレるわけが無く、おまけになにも始まらないうちに(敵味方のお膳立てができたところで)終わってしまうから未消化感が強い。
それでも武内駿輔が演じたガラの悪いアンちゃん、すなわち大和アレクサンダーをはじめとしたキャラクターたちのアクションには十分以上の見応えがあり、映画館で観る価値はあった。
 
たまゆら〜卒業写真 第四部」
★★★☆☆
こんな娘を残して早死にしたい人生だった……。基本が親離れの物語だから、自然と保護者目線になってしまう。ただ、最低でも「もあぐれっしぶ」は観ていないと判りにくい映画で、そのあたり「閉じた作品」という印象。それと作画が正直、映画館のスクリーンでやるレベルでなくトータルでいうと5点満点で3点。
 
バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生
★★★★☆
中盤まで誰が何のために何をしているかわからないが(それは終わってもわからない)、そこを乗り越えてからは面白かった。
ただ、それでもまず不満が先に立ってしまう。そもそもなぜに「ダークナイトリターンズ」の構図に寄らなかったのかが疑問。「DKR」の「過激な非合法自警団バットマンを政府の犬スーパーマンが取り締まる」という構図は両者のキャラが生きており、対立の構図も明確。俺の街を守る「大金持ち」vsお国に尽くさざるを得ない「移民」の対比もできたはずだ。

「過剰な力を持つスーパーマン」対「身の丈の力で戦うバットマン」という構図も確かに面白いけれど、それは両者の対決にはすんなりと結びつかないんだよね。過剰な力が招いた二次被害バットマンのスーパーマンに対する嫌悪の引き金になる導入とか、過剰な力は制約すべきだという中盤までの展開なんかはよく練られているけれど、それだけでは対決につながらない。

だから映画はもう一つ「特別な女性のために戦う」対「皆のために戦う」の構図を持ってきた。それを使って両者の和解へ持っていくのは、話運びとしては巧いと思うけど心情的にはちょっと呑み込めなかった。

あとはまぁ、観た人みんな思うだろうけど、いちばんオイシイのがワンダーウーマンでいいのか? という疑問は当然あるw
 
某1号
記憶から消した。井上敏樹脚本と知っていたら観に行かなかった。事前の情報収集を怠った己の迂闊さを恥じる。それにしても、事前に知らなくても実際観に行くとその糞っぷりで誰かわかる脚本てすげえよな。「死ね」なんて不穏当なこといわないからせめて筆を折って欲しい。
いけねぇ、映画自体を記憶から消したら怨念しか残ってねえや。
えーと、メモには

バットマンvsスーパーマン」と「xxx」は色々と同じことやってるから比べると面白いよ。「特別な女性か、皆のためか」の対立項の取り方とか、復活すると観客はわかってるのに延々と葬式とか、アレキサンダーとか。あと、スマートに目的を果たそうとするキャラのはずなのに終盤は力尽くな悪役とか。

なんて書き残してありました。
 
「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ
★★★★★
これと比べられちゃう「バットマンvsスーパーマン」が気の毒になるレベルでよく出来ていた。つーか、DC原作映画とマーヴル原作映画の差を見せつけられた気分だよ。「キャプテンアメリカ」シリーズとしては前作にあたる「ウィンターソルジャー」を観ていないため色々とおいてけぼりを食らってしまったとか、空港での乱戦が山場で以後はちょっとダレ気味とか、その終盤で「ここから内輪揉めかよ!」という流れとか、不満やツッコミどころは多々あれど、非常に多い登場人物を巧くさばいており、前作絡みの部分を除けば説明不足感もほとんど感じなかった。それと終盤の展開、「シビルウォー」というタイトルが意味するものは「内戦」でなくシビルのウォーだというのも巧かったね。
 
機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY」
★★★★★
原作未読、配信版未視聴。ほとんど期待していなかったがよく出来ていた。沈鬱で陰惨で誰も救われない話だが、その半面終始バトルアクションだから気持ちいい、という実に困ったアニメ。『第08MS小隊』も企画段階ではこういうのを狙ってたんじゃないかなー。作画の密度も異常なまでに高く、ORIGINのモビルスーツ戦がCG主体になった今これが最後の手描きロボットアニメになるかも? と思うと一際見応えが感じられてくる。

まあガノタ的にはツッコミどころ多数なんですが(苦笑)。そもそもの「宇宙兵器なのに人型である理由」を放棄していて、全身にバーニア付けてるわ(AMBACの否定)、サブアームでマシンガンまで使えるわ(だったら人を模した腕は不要)で、となると中盤以降のサイコ・リユース・システム絡みの設定がそもそもナンセンスなんだよね。人型である理由がないんだから。あと、連邦軍の少年兵が中隊規模で登場するんですが、連邦側はそこまで追い詰められてないだろ〜というか、そこまで追い詰められてたら戦後の復興もかなわないのではないかとw

にしてもファースト「ガンダム」と「ORIGIN」と「サンダーボルト」で完全にパラレルワールドになっていて、いいのかサンライズ??? と思わなくもない。元々パラレル上等だったマンガ版を、企画のネタ切れからかアニメにしたことが間違いなんだよな。
 
「貞子vs伽椰子」
★★★★★
意外にも評判がいいので先日観に行った。Netflixで事前に「リング」、映画版「呪怨」を予習。
うん、ちゃんと怖いし、脚本はちょうどいい塩梅で大味で楽しめた。貞子パートの疑似科学的な説明がややテンポを悪くしてるけどこれも展開上必要なもので、よく練られてる。