プリパラ#30,31

この2話、前哨戦と敗北、挫折そして再起というストーリーで、終盤に向けて盛り上がっているはずなのにどうにも平板な印象だ。まぁ単純にライブシーンに時間を割く必要があるからドラマ的な起伏を盛り込めない、という事情があるんだけど……。
 
#30「ドキドキ!パラダイスコーデは誰のもの!?」
……大筋の展開やファルルの正体も予定調和的というか予想通りなのがなあ。

ファルルはプリパラの中で生まれたと明確に説明。なんだけど、ユニコンはパラダイスコーデの研究をしていたのであって、劇中の描写としても感覚的にも、これファルルの出自の説明になってないよね? 「アイドルの頂点になるために生まれるボーカルドール」という伝説自体は前から言われてたことだし。

ストーリーのほうは、まだ2月だから(オイ)容易に予想できたとおり、ファルルがソラミ・ドレシを圧倒してひとたび決着という流れ。メイキングドラマこそ前回特訓の末に編み出した「ムーンライトトラベリング」だったけど、歌のほうはドレシもソラミも聞き慣れてしまった歌で、そらまあ負けるだろうと思ってしまった。

もっとも、ファルルの実力の描写が7連続メイキングドラマだというのはかなり巧かった。ソラミ・ドレシを大きく上回っていることを解かりやすく伝えると同時に、オリジナルを持てないという弱点も見せている(「フローズンキャッスル」があるけどね)。

加えて、らぁらが悔しさを抑えつつ「でも友達だから嬉しいよ」といえば、ファルルが「友達? ファンじゃなくて?」と返すあたりの人物造形は中々のもの。煽るわけでなく、無垢な笑顔とともに「ねえ、次はいつファルルを倒しにくるの?」というあたりも、その底知れない(あるいはあまりに底が浅すぎる)キャラをよく現してました。

そうそう、某知恵袋で教えてもらったんですが…。

この二人はゲーム版に登場している芹沢なぎさ と 鈴原のどか とのこと。アニメでは栄子の友達として登場しており、この回でも並んでました。
 
#31「スマイル!そらみ・スマイル」
アバンだけでもう、パラダイスコーデが光らない〜再び争奪イベントという大筋が予想できて、全くそのとおりに展開されるとさすがに「もうちょっとひねろうよ」という気分になる。

らぁらの落ち込みっぷりを「かしこま! を忘れる」で表現したのは面白かった。これで次回は「みれぃ、ぷりやめるってよ」だから次々回は……いつも元気いっぱいで超ホットなそふぃ様か!? それは見たい!

ファルルのやり方を劇中のキャラがはっきり言葉にして非難するのは展開上必要なことで、その役目をらぁらやみれぃ、そふぃでなくドロシーに背負わせたのもキャラ立てとして巧妙。ただそもそも、神アイドルを目指すことは競い合うことなのか? という疑問があったり……。まぁ、これはおいおい語られるのでしょう。オープニングでも♪勝ちか負けかなんて関係ないじゃない って歌ってるんだし。

落ち込むソラミ・ドレシにかつて敵対していた校長が喝を入れる、あたりまでは定番展開ですが、コスモさんのコズミックなライブ、さらにグロちゃんにらぁらママも混ざって…というあたりは予想外で圧倒された。さらに「ここにいるみんなで企画したものなんです」。これでオープニングで振ったネタ(コスモさんのアップ、サブキャラ・ゲストキャラ勢ぞろい)は回収かな? ただ、めが兄ぃの仮病は必要だったのかあれ? とかなり疑問。

で、今回の最大の肩透かしは、ユニコンがさんざん煽ったのにパラダイスコーデが光らなかったこと……ではなく(それは予想どおり)、その発光を毎度おなじみサイリウムチェンジの流れでやろうとしたこと。いやまあ、ステージ全体の流れを変えられない以上はそうなるんでしょうが、もうちょいスペシャル感を出せなかったものか……。