「思い出のマーニー」の時代考証(ネタバレ)

穴埋め的に「思い出のマーニー」閑話。感想は↓
http://d.hatena.ne.jp/UnKnown/20140802
 
作品の性質上、時代考証が厳密でないとおかしい「風立ちぬ」と違ってあくまで現代劇である「思い出のマーニー」は、マァそこらへんぼんやりしてても構わないんですが、それでも気になることがある。

あのお屋敷やマーニーの暮らしぶり、パーティ風景あたりの描写って、普通の感覚で観て明治の終わりか大正あたりをイメージするよねえ? なのに、時代を計算すると戦後でしかあり得ないのがモヤモヤする。

杏奈は12歳だから2014-12=2002年生。母親が24歳のときの子として、母親は1978年生。さらに24年遡ってマーニーは1954年生。何歳のときに出産したかで+−があるけど大体1950年代生まれで、あの姿が12歳相当ならパーティやら何やらは1960年代だ。昭和30年代後半〜40年代? いやいやいやいや、とても見えないよ。

ただこれらはあくまでイメージの話であって、ディテールでは時代を特定できないようにしてあるのが巧いというかズルいというか……。

まぁ、屋敷自体は戦前築で、マーニーが暮らしていたのは60年代であるとかそういう解釈もできなかないですけどね。屋敷のディテールでひとつ感心したのは、なんとなくぼんやりとした「別荘地の洋館」でなく、本館に併設された日本風の蔵が描かれていること。リアルです。そしていただけなかったのは、その蔵がただ描かれているだけで話と全く無関係なこと。日記だのなんだのは蔵から発見されるべきだよね。

もう一点、「日本国籍では無さげな金髪碧眼の少女が日本に、それも都市部でも関東圏・関西圏の別荘地でもなく北海道に、しかも道東の端というド辺鄙な土地にほったらかし、ただしお世話係としてメイド2人と婆やが同居」というのも設定的にかなりつらいものがあるのですが、それを言っちゃあオシマイなのでスルー。