映画「風立ちぬ」の本質は80年代レトロ

去年の秋にざっくり調べたけどそこでもう興味が尽きたネタ。

映画『風立ちぬ』に「白馬の王子様」だったか「白馬に乗った王子様」だったか、軽井沢で主人公にヒロインがしなだれかかる場面にそんな台詞があったけどそれって時代考証的に間違ってるんじゃね? という話。
(「コロンブスの卵」の誤りについてはこちら↓)
http://d.hatena.ne.jp/UnKnown/20130816#p1
 
結果からいうと「理想の結婚相手として『白馬に乗った王子様』がフィーチャーされたのは80年代。『シンデレラ・コンプレックス』という本の翻訳以後」「60〜70年代のカウンターカルチャーウーマンリブからの揺り戻しによって依存心の強い女性が増加した、という文脈で扱われる」「だから女性当人の意識はさておき時流を語る分析の中ではネガティブな色合いをもつ」てなもんで。

(参考:レファレンス協同データベース事例詳細「『女の子は、大きくなるといつか王子様が白い馬に乗って迎えに来てくれると思う』という言葉の出典を知りたい。」
http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000031879 )
んでもって、「自由恋愛とそのゴールとしての結婚が『白馬に乗った王子様』の大前提である」、というちょっと考えれば至極アタリマエのことに今さら気付いたのであった。もういっちょ、俗な週刊誌はシンデレラコンプレックスピーターパンシンドロームをセットにして語っており、こと日本においては社会全体の経済的成長が背景にあったとみられる、と。

マァ一言でいえば「ヒロインにあんな台詞を言わせた『風立ちぬ』は考証的にデタラメであり女性観はダサい」。

話を膨らませるのであれば、ユーミンの主題歌が常にまとわりついていることと併せて「映画『風立ちぬの本質は80年代レトロ」という分析に持っていけるけどもういいやどうでも。このネタは開放するのであと誰かテキトーに掘り下げてくんさい。あ、嫌煙権運動が認知され出したのも80年代半ばで、それは「反・嫌煙権」の動きを伴っていたから、何かと話題になった喫煙シーンも80年代レトロの枠組みで語れますぜ。

……「面白い」と思うことも「感動」することも、それは人それぞれの感じ方だから「どうぞご勝手に、私にはどうでもいいよ」だが、あれが「駄作」であるという評価は譲らないし、駄作とわかっている映画に費やす時間はありません。



70年代の女性をめぐる小説・映画にはこんな作品もあったのであった。
あんまり関係ないけどこういう話があるとは知らなかったので。
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20040823