松本の旅#2 松本電鉄社員寮

松本の旅の続き。
実際に訪ねたのは旅の最後だが、松本電鉄アルピコ交通)関連の古建築なので#1に続けて取り上げる。
松本電鉄に乗って松本を経つと、最初の駅・西松本の傍らにこの威容が見えた。


どう見たって変電所なのにでかでかと「松本電鉄社員寮」と名を掲げているあたり、まるでギャグである。もちろん実際に寮として使われていた時期もあったのだろうが、現在は倉庫となっている。

駅裏にある松本電鉄の旧変電所。機能が新村に移転した後は社員寮としても使われた。
 
上高地線各駅停車」
http://shirokaeru.tubakurame.com/station/nishimoto.html

ざっくりググって、やはりというか見た目どおり元変電所なのはわかったが、それ以上のことは不明。中央図書館か川崎に行くときに社史を当たってみるか。しかしまぁ、機器を撤去した変電所の内部といえば体育館のように大空間が抜けた形だと思うのだが、どのように部屋を割ったのか、2階はどう設けたのかなど色々と気になる。


裏手に回る。


純粋階段。

壁の一部が剥がれて内の建材が露出していた。

これを見るに、レンガのような形のコンクリートブロックを、レンガのように積み上げて建てられているようだ。鉄筋コンクリート造でもレンガ造でもなく、いわゆる「ブロック塀」のブロックでもなく、かなり珍しい建築構造と思われるのだが、今のところまだ詳細はわからない。

ウィキペディアの「コンクリートブロック」の項には、「日本国内への普及」に関して「明治時代中期、初代浅野総一郎浅野セメント東京工場事務所をコンクリートブロックで建築しており、これが日本で最初に使用されたものと言われている」と書かれている。そのブロックはこのようなレンガ形だったのではないか、この松本電鉄社員寮以外にも何かレンガ形コンクリートブロック造の建築は現存するのか、等々気になるところである。「中村式鉄筋コンクリートブロック」とも違うんだよなこれ。路線開業が1921年だから中村式も知られていたと思うのだが。
http://nrck.blog19.fc2.com/
「レンガ形コンクリート」でググっても、有益な記事はこれ↓くらいしかヒットしない。

住吉街道のコンクリートレンガ塀(大阪市住吉区
近寄ってみると、どうもコンクリートをレンガの形にして積んでいるみたい。イギリス積みにしてあります。風化に弱そうで、目地より先に減っていっています。
裏を見ると、途中から赤煉瓦の塀に変わっているようです。
 
「日常旅行日記」2012年1月14日付
http://binmin.tea-nifty.com/blog/2012/01/post-b5dd.html