小坂製錬小坂線の廃線跡

6月初めの東北旅行の話の続き。
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♪古いアルバムのなかぁにぃ〜 てなもんで、現役当時の小坂製錬小坂線大館駅の写真を引っ張り出した。

旅客営業廃止1週間前の1994年9月24日撮影。今から19年前ですってよ。あらやだ歳は取りたくないものねー。おーほほほ。

……19年も前というのが軽くショックで取り乱してしまった。側線にはタンク車の列車が停車中。駅舎等は写していなかった。当時はフィルムカメラだけ、フィルムはともかく現像代が結構かかるのでそうやたらと撮影できなかったのだ。デジカメっていいよなーとつくづく思う。
この写真では見づらいだろうが、側線が複数あって結構な広さの駅だったとわかるだろう。
それが今どうなっているかというと……。

♪なーんにもないなーんにもないまったーくなんにもなーい てなもんで、ご覧の通りの更地になっていた。駅舎やホームを取り壊すのも、側線を整理するのも仕方がないと思うけど、だったらせめて再利用してくれよと思う(これでいちおう駐車場なのかもしれないが)。


駅があった跡は、宿泊した「ロイヤルホテル大館」から巧い具合に見下ろせた。画像中央奥が、上の写真の更地。


「国土情報ウェブマッピングシステム > カラー空中写真閲覧」では昭和50年度の大館の空中写真が見られる。
http://w3land.mlit.go.jp/cgi-bin/WebGIS2/WC_AirPhoto.cgi?IT=p&DT=n&PFN=CTO-75-22&PCN=C5B&IDX=32
様子が変わり過ぎてて何が何だかわからないので矢印を追加した。矢印の先の白くて細長いのがホーム。この昭和50年度(1975or76年)の写真と比べると1994年の時点で既に側線が整理されていたことがわかる。

ロイヤルホテル大館から再び、ちょっと左を向いての写真。矢印で示したのが、旅客営業を廃止して貨物専用線となってからの小坂製錬小坂線大館駅

貨物専用線時代の小坂線大館駅の傍らのレール。ほぼ現役当時のまま残っているようだ。

♪夏草に埋もれた線路〜はっ てなもんで、旅客営業をしていた頃の駅施設は更地と化していたが、貨物専用線となった後も使われていた部分(ややこしいね!)は赤錆びているものの、ほぼそのまま残っている。

踏切跡に掲げられた「徐行 前方鉄道廃止 〓〓〓〓〓〓 段差注意」の立て看板。はじめはわざわざ「一時停止不要」と書いていたことに自虐を感じてしまう。それを結局隠してしまうあたりも何か物悲しい。

住宅街の中、両側を道路に挟まれた単線。ローカル線というより引込み線のようだ。実際、ここを長い長〜いタンク車列車が走っていたわけで、それも絵になる光景だっただろうなと思う。

踏切はいずれも、遮断機の棹は外されていたが警報機のほうは黒いカバーがかけられただけで現役当時のまま残っていた。レールも残されているし、いつでも運転を再開できるようなムード。まさか復活は無いと思うが……。名残りを惜しんでいるのか往生際が悪いのか。
写真はほかにもたくさん撮ったが、いずれも同じようなムードなのでブログには上げない。歩いて行ける範囲には自ずと限界があるので、大館駅跡から14、5分ほど歩いたところで引き返した。

引き返した、といっても大館駅跡まで戻ったわけではなく……。続く。