トランスフォーマーは超合金

ヒストリーチャンネルで放送中の「アメリカお宝鑑定団 ポーン・スターズ」のシーズン4#60が「『トランスフォーマー』のコレクション」だというので録画して視聴。
感想はさておき、その中で気になった一言がある。

トランスフォーマーは80年代に出たなかじゃダントツでイカしてるオモチャだ。このフィギュアはひとつが2種類に変形するもので、昔のはほとんどが超合金で高品質だった。

「TFが超合金だったことなどないわ!」
と、ファンは怒るべきだろう。「超合金」はポピー(現・バンダイ)の商標だ。ライバルであるタカラ(現・タカラトミー)のトランスフォーマーがその名で呼ばれたことはないし、あってはならない。
(逆に、ポピーの「マシンロボ」はアメリカではトンカが"Go-Bots"の商標で展開していたが、そのトンカがハズブロに吸収されたことで、以後Go-Botsの名はトランスフォーマーだったりその傍流に使われたりしている)
この部分、元の英語では"and the quolity, almost used die cast"と言っている。聞き取りに自信はないが"die cast"は確実で、つまり「ダイカスト」と訳すべきところを「超合金」としているのだ。
誤訳といってしまえばそれまでだが、「超合金」は今もダイカスト玩具の、文字通りの代名詞だといえるだろう。
でもTFは超合金じゃないやい!
ちなみに本題のトランスフォーマーコレクション、古い玩具専門の故買商が「これ全部だと……1万5千から2万ドルだね」と鑑定した直後に、「出せるのは5千ドルってとこだ」「うちが出せる最高額は1万ドルだ」という買い取り価格を提示したもんだから、売買はまとまらずにお終い。ここらへんの正直さ、身も蓋もないところが「ポーン・スターズ」の面白さのひとつではある。
それとマニアックな話だが、持ち主が「トランスフォーマーの中で多分いちばん値段が高いデバステーター」と言っている場面がどうにも気になる。

何故か全く関係の無いものが映っているのだ。
他の場面には、黄色のデバステーター(日本名:デバスター)が3体、緑のが1体並んでいて、その足元には合体していないビルドロンが各6体ずつくらいいる。

立派な(立派過ぎる)コレクションで、「見栄えがしないから別のものを映した」というわけでもなさそうだ。
では何をデバステーターと勘違いしたのか? 問題のカットに映っているTFから推測すると、ひとつ考えられるのがスコルポノック(日本名:メガザラック)。上画像、中央奥に並んでいる奴らだ。デカくて緑と紫だから、詳しくない人はそこで同一視してしまうだろう。
そしてもうひとつ、リーダーサイズG2メガトロン(日本名:メガストーム)のビークルモードをデバステーターだと思った可能性がある。上画像、中央手前に2両並んでいる、緑色のM1エイブラムス戦車だ。今どきの人にとってトランスフォーマーといえばマイケル・ベイの映画版。1作目に出てくるデバステーター(商品名:ブロウル)はM1戦車だから、昔のデバステーターもM1だったと勘違いしたのではないだろうか?(まぁ「リベンジ」では建機合体TFがデバステーターだったが)