コミカライズ

コミカライズという言葉は出自がはっきりしていて、1997年の『まんが秘宝 ぶっちぎりヒーロー道』(洋泉社)において編集部名義でゴリオリバー岩佐(岩佐陽一)氏が提唱したものである。

コミカライズってなんだ?
(略)
つまり、漫画でないものを、漫画にするってことだ。
今でいう、"メディアミックス"的なもので
まず映画やテレビが先にありき。そのパブリシティ的な意味で、
それを漫画にすることをコミカライゼーションというんだ。
(略)

と、「はじめに」では既にある言葉のように解説しており、岩佐氏が考案したものでない可能性もあるが、巻頭でこうした解説が必要な程度には知られてない言葉だったと言えるだろう。googleの期間指定検索で1997年以前のコミカライズを検索したが、一応ヒットはするものの、実際に97年以前に書かれたものはやはり無いようだ。

コミカライズでググると、2005/02/24の「「コミカライズ」という言葉はおかしくありませんか?」という質問者が「最近国内の一部でこの「コミカライズ」というおかしな言葉が定着しつつあるので、他のまともな言い方を知りたかったのでした」と締めている(http://q.hatena.ne.jp/1109213429)。

2005年時点では「国内の一部」「定着しつつある」だったのが(実際はどの程度かはわからないにせよ)、「おかしな言葉」でありながらその後も広まり、今現在は出版社の公式なアナウンスにまで登場するに至ったことが面白い。