特撮作品の劇中車のナンバー

まずは過去の記事の訂正。以前、「怪奇大作戦」の劇中車トータス号が付けているナンバープレートについて「6ナンバーって「3輪貨物」では……?」「撮影用に作った偽ナンバーか、廃車にした3輪トラックのナンバーを付け替えたのでしょう」と書いてしまいましたが(2009_05_23付)、6ナンバーが三輪貨物なのは登録車でした。360cc時代の軽自動車のナンバープレートでは、6ナンバーは四輪貨物。つまりトータスは、ベースにしたサンバーのナンバー(ダジャレではない)をそのままつけていた、と考えるべきでしょう。……っておい。ボディは完全に別物なのにそのままのナンバーでいいわけないだろー。でも公道を走っちゃったみたいなんだよな…(2009_11_13付)。以前にもふれたとおり、当時はまだ激しい交通戦争の時代だったはずですが、制度というか規制はいい加減な時代だったようです。
なお、「ジャンボーグA」のバモスI世・バモスII世も6ナンバーを付けています。トータスのようなボディ総とっかえではありませんが、これも車検が通らないのが確実の改造車で、さてさてこれも公道を自走したりしたのだろうか?
また、「ジャンボーグA」といえばダークブルーのマツダコスモスポーツ。どうせならこいつをジャンボーグ9に変身させてよエメラルド星人さん、と思わずにいられない。この車のナンバーは「品川55 ね55-74」で、「帰ってきたウルトラマン」のマットビハイクルを塗装し直したものだとわかります。マットビハイクルは初期型コスモスポーツをベースとするものと、後期型ベースのものと最低でも2台存在しますが、「品川55 ね55-74」は初期型のほうです。
ところで、3クール目からは立花ナオキの愛車はホンダZベースのジャンカー=ジャンボーグ9になり、コスモスポーツは登場しなくなるわけですが、ここで何故ホンダZなのかがわからない。よくいわれるのが、「撮影に使用する飛行場がホンダエアポートだったため、ホンダへの義理で採用した」という説ですが、ウィキペディアにはご丁寧に「大利根航空のシーンは、埼玉県熊谷市(旧・妻沼町)の利根川河川敷にある、日本学生航空連盟妻沼滑空場で撮影された。ホンダエアポート(埼玉県桶川市の荒川河川敷にある)ではない。」と書かれている。それに、そもそも飛行場での撮影はそれこそ企画段階から必要だとわかっていたのだから、そうした絡みであるなら番組開始時からホンダ車でないとおかしいよねえ? さらにいうと、ホンダ車の中でも何故にホンダZだったのかというのも謎。いくらクーペボディに高出力エンジンを積んでいるとはいえ、なにも軽自動車を主役にすることはないのに。しかもデビューは1970年だから1973年開始の「ジャンボーグA」で主役を務めるには既に旧型だ。不人気車とはいえ5ナンバーでそれなりに流麗なクーペボディのホンダ145もあったのに、どうしてホンダZだったんだろう。
〈参考記事〉
http://zatu9090.seesaa.net/article/123877401.html
↑あまりにも出鱈目過ぎてどこからツッコミを入れたものか悩む。ここまでくると、書き手の「聞きかじった断片的な情報をつなぎ合わせて、新たなストーリーを創作する能力」に関心を覚える。実際たいしたものだと思う。