週刊少年サンデー#49

金剛番長
主人公の超人性とかスジの通し方とか、番長同士の勢力争いとか、背後に渦巻く権力者の陰謀とか、実は基本要素をしっかり押さえた「正統派の少年マンガ」。その見せ方をいちいち過剰にしてパロディとしても成立させるのは、全盛期の島本和彦を思わせる手腕で、案外サンデーに合っているのかもしれないと思いはじめた。
それにしても今回明らかになった「23区計画」の設定、そのうちバッタのタトゥーの「魔王番長」が出てきそうな気がする。

ダレン・シャン
何の波乱も無く、また過去の因縁などもなくひょいと新キャラが合流してしまって、正直ションボリな展開。このところ悪い意味の「ゲーム的な展開」が続いていて、ちょっと先行きが不安になる。既に完成された原作小説があっても、連載が長期化するとダレんわけにはいかないか? シャンとしてほしい。(0点)

ハヤテのごとく!
まだ続く高尾山編。なんかもう、初回ラストのノロイをオチにして終わりで良かったんじゃないか? 新キャラも扱いが悪くてパッとしないし。

イフリート〜断罪の炎人〜
始まったときには「今さら『必殺』かよ」と思ったものだが、キャラクターと設定の追加で物語に色々と幅が出てきた感じだ。それにしても、寅の会の元締(違う)がこんな調子で冷酷非道ではないとなると、話がどう転がるのか不安半分ではある(これで実は姫子≠光の姫君だったら拍手喝采)。

絶対可憐チルドレン
黒い幽霊(ブラックゴーストではない)の登場以来、迷走を始めた、というかあからさまにストーリーの軸を変えてきたな。今の展開も十分に面白いんだけどね。
行動は過激だけどあくまで「普通の人々」だった連中の、非力だけど「どこにでもいる」恐ろしさや「普通の人とはすなわち差別者である」という問題提議に比べると、黒い幽霊は実に判りやすくてペラい悪人でなぁ。そのくせ設定は「エスパーを精神支配し、その人格を否定して殺し屋として扱う普通人」て、無駄に複雑だし。ていうか未消化な感じ? やりたいことはわかるんだけど、すんなり飲み込めない。
そうした流れのなかで、兵部少佐はトリックスターの役回りがすっかり板に付いてしまいましたとさ。いや、バベル対パンドラを話の中心のままにしておくと、どちらも決め手に欠けたまま先に進まない、ダラダラとマンネリに陥る危険があったから、共通の敵・黒い幽霊を登場させて、兵部の立ち位置をバベル寄りにするというのは、決して悪くはないけど……。「あれ、お前の目的ってそんなだったの?」と。
ただ、読み返してみると、兵部は以前からチルドレンと皆本に対してはこんな調子の愉快犯だったから一貫性は保たれているのね。風向きは変われど雰囲気は同じで、さして不自然な感じはしない。元々はどういう構想だったのか興味深いところだ。