大同人物語 完全版

ヘルシング』が単行本でもようやく完結(asin:4785931310)、となればそろそろアレも動き出すかな? と思っていたらいきなり発売されました。

 大同人物語―完全版―
       作者: 平野 耕太
       メーカー/出版社: 角川書店
       発売日: 2009-04-01
       メディア: Book

かねて話のあったとおり、以前の単行本に収録された分プラス単行本未収録分に、描き下ろしの完結版を加えたという、タイトルどおりの「完全版」。ただ、さすがに間が空いているので、『コミックガム』掲載分と描き下ろし分とではずいぶん絵柄が異なります。ヒラコーでも絵柄に変化があるんだなあと失礼なことを思ったり。
描き下ろし分の内容は、以前『進め!以下略』(そういやこれの単行本も…)で描かれた「予告編」と、ほぼ同様の展開。あれは一発ネタだとばかり思っていたから逆に意外だった(苦笑)。
秋葉原中心再突入戦」も「レインボーブリッジ・有明打通作戦」も、そして「コミケ強行開催事件『バベル篭城』」もきっちりと描かれています。これがまぁ、『ヘルシング』であれだけやらかした後のテンションそのまんまで描かれているから、設定のスケールに見合わぬ大迫力の筆致で、荒唐無稽な展開なのに恐るべき説得力まで備えた作品となっています。
発表が2006年、予定どおりなら2007年前半には出ていた作品なので、刊行を知った時には正直「今さら」感がありましたが、実際読んでみると待たされた甲斐のある一冊に仕上がっていました。