敵はテッカマン!
「マグロは酢飯とノリで巻いてやる!」
「それは鉄火巻きだよお兄ちゃん!」
- 出版社/メーカー: バンプレスト
- 発売日: 2007/03/01
- メディア: Video Game
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閑話休題、プレイしていると参戦作品をかつて観たときのことを思い出す。それはまず当たり前なのだが、「文字媒体の作品解説よりは直接的だが作品自体のダイジェストではない」という距離感が微妙で、作品内容それ自体よりも自分が抱いた感想のほうを強く思い出してしまうのだ。さて、
「登場人物をとにかくヒドい目に合わせて叫ばすか泣かすかすれば『悲壮な話』一丁上がり、という安直なつくりであることは否めない」
これはどの作品を思い出しての感想でしょう?
1.宇宙の騎士テッカマンブレード
2.種(仮名)
3.(自粛)FINAL
正解はさておき、今考えても惜しいのは『宇宙の騎士テッカマンブレード』だ。
エビルのキャラがとにかく強烈過ぎて、ブレードはそれを受け止めきれていない。兄に対する愛とコンプレックスとを根本に持ち、それが転じた狂気のうえにラダムという種族の使命を乗じて襲いかかってくるエビルに対して、ブレードには何というか、戦う動機が希薄なのよね。
開始当初の「ラダムと闘う以外にアイデンティティが無い」ところから始まって、「敵はかつての仲間と家族。記憶喪失と偽ってまでそれを隠したかった=自分ひとりの戦いとして抱えたかった」ってところまではいいとして、そこで動機がピークに来てしまった。
作り手としてはさらにこの後、妹救出&死亡をピークにしたかったようだけど、そのあたりにくると「ラダム許すまじ!」よりも「おおなんと可哀想なタカヤ!」を強くアピールするようになってしまい、あとは最後までズルズルと「宿命だから(ホントはイヤだけど)戦い続けるDボゥイ」が基調に。そのうえブラスター化で記憶まで失っていき、動機付けはどんどん後退していく。
アキとの関係もドラマ的にうまく出来ているとは言い難く、特に終盤、他ならぬアキが止めているのに、それを振り切り決戦に赴く理由が「宿命」だけでは弱過ぎる。「地球の平和のため」が副次的なのは仕方ないとしても、いっそアキを半死半生にして「復讐のため」くらいの強烈な動機が必要だったのではないか? 結局、エビルの「強さ」を受け止めきれないまま、兄弟対決に決着が付いてしまった……。
というのがふと思い出した本放送当時の感想。今見返すと評価も変わるのだろうか?