「魔神英雄伝ワタル2」31話まで(ファミリー劇場の帯放送)

29話からオープニングとメインタイトルが変更、(シバラク先生が敵になったけど)振り向かずに歩いていくし、(シバラク先生という)いらないものを捨てたら心の中が無限に広がった、という超激闘編(ちょうファイトへん)に突入した。それにしても、初めからそんな人なんていなかったかのようにオープニングから姿を消すってのはあんまりだ。敵側としても、黒竜角が目立ち過ぎていて、注意して観てようやく「ああ、ここで夏鬼丸と戦ってるのが邪戦角だよ」と気づく程度の扱い。その魔神に誰が乗っているかなど、ほのめかしさえしません。
とはいえ本編はまだ、龍神丸が龍星丸になっただけで相変わらずの調子。こうして帯放送で観ていると、ワタル2がつまらないのは何故だかわかってくる。
ひとつは「前シリーズでやったことはやれない」制約。それが何というか、「1作目とは違うことを」ではなく「1作目とネタが被らないように」という小手先のことにとどまっているため、結果、各ステージ(星界)や敵の統一コンセプトが1作目と比べてわかりにくく、直感的に面白がることができなくなっている。
ただしそれは続編の宿命というべきものだから、あまり厳しく非難はできない。
問題は、1年弱のTVシリーズとしての、シリーズ全体の構成だ。シリーズを縦に貫く背骨となる要素の配し方がどうにもマズい。本放送時は途中から流し見だったから忘れていたが、まさか海火子が何者なのか超激闘編に入っても不明のままとは思わなかった。ていうか、仲間にすらなってねえの。第一星界で謎の少年として登場して以来、ずーーーっと謎のまま。目的が何かすらわからないのでは、かえって視聴者の興味は離れていくって。
前シリーズの人気キャラ、クラマも、要所要所でその愛機・空神丸がチラチラと登場していたから、当然それに乗っていて、故あって別行動をとっているのかと思いきや。空神丸とは無関係にひょっこりと再登場して合流、途中の記憶を失っていて、どうやって追いついたかわからない…ってなんだそりゃ。
前シリーズの人気キャラといえば虎王もなぁ。こちらは変にシリーズ全体の構成を意識しすぎたためか、初期オープニングに登場していたにもかかわらず、超激闘編になっても未だ出番無し。サービス的に、ゲストキャラ的な扱いとして登場させておいて、終盤への伏線にするという手もあっただろうに。
つまり1話からこれまで(31話)にかけてには、中期〜長期の物語として「この先どうなるんだろう?」と興味を喚起する要素が弱く、それどころか「この先お約束としてこうなるんだろうけど、そのお約束を楽しもう」という気にすらなれないのだ。そりゃあつまらんわけだ。ここらへん、一作目はうまいことやっていたんだが。
まぁ今回登場したケルナグール、じゃなくてタントアール、でもなくてソレワターセ、いやナケワメーケ…あぁネバタコスの存在が(←カモシレーヌだよ)たしか物語のひとつの転機になるはずで(そうでもなかったか?)一応最終回まで観続けるつもり。