日本は高齢化社会ではない

「日本は高齢化社会ではない」と言われたら、一体どんな謎々か、それともたとえ話かと思うだろうが、これはまぎれもない事実である。

日本は高齢化社会ではない、高齢社会なのだ!! 

……ええと、なぞなぞというかトリビアですね。WHO(世界保健機構)による「高齢化社会」の定義は「総人口に対する65歳以上人口の割合(高齢化率)が7%以上14%未満の社会」、14%を超えるとそれは「高齢社会」。さらに21%以上で「超高齢社会」となる。

日本は1994年から既に高齢社会、いまは超高齢社会に向かっている段階なのです。日本が高齢社会になって既に10年余、ところがいつまでたっても「高齢社会」という言葉は馴染まない (だからこうしてトリビアとして披露できる)。

漠然とした感覚ですが、一般に「○○化」という言い回しには、ものものしさや説得力、切迫感が感じられるから、未だに「高齢化社会」という言葉が広く用いられているのでしょう。

だから例えば、他人の書いた文章に「高齢化社会の日本は〜」という言い回しがあって、かつもろもろの事情で用語に正確さが求められる場合。そんなときも、ただ単純に「高齢社会の日本は〜」とは直さずに「社会の高齢化が進んだ日本は〜」などといった、ひとひねり加えた修正を加えるようにしています。

これなら、「高齢化社会」という言葉が持っている「高齢化が今まさに進んでいる雰囲気」を残しつつ、用語の間違いも避けられるというわけ。「正しい用語」は時としてこんなつまらない工夫を生んだりもします。

このところイデオンの感想ばっかりで、マジメ気味なことを書いてなかったので、久々に言葉カテゴリで。私には8年前からの持ちネタなんですが、未だにトリビアとして通用しちゃいますね。