ゾイドジェネシス#39「入城」感想

前回の続き。トラフの城門を目指して疾駆するも激しい砲撃の前にひとたび退くルージ一行。迎えうつボラー少将は、飛行場の消火を後に回して防御を固め、篭城を選ぶという思い切った判断を下す。

前回のヒキからは、あのまんま勢いで入城するかと思いましたが、ここで一旦水入り。超天才少年と化していたルージにも読み違いがあることと、ボラーの有能さとを描いてくれました。ボラーが町長に会いに行くあたりは、単なるディテールへのこだわりというだけでなく、ボラーの気質の現われでもあるのでしょう。

明けて翌日。討伐軍がトラフに突入するには、湖の中の一本道か、湿地帯を進まざるを得なかった。だがガボールが考案した「ブラストルタイガー2体のサーミックバーストによって湿地帯を干上がらせる」という作戦によって城壁を越えて侵入! 突入時には、ロンが仲間に隠れて連絡をとっていた何者かの、超遠距離からの支援攻撃も。一方のディガルト軍では、ボラーを快く思わないフェルミが独断でグイ部隊を展開させていた。

うわ〜、密度高すぎてまとめ切れん。フェルミ出撃からシーンが変わるといきなりロンのアヤシイ行動なのは、ミスリードを狙ったか? まぁすぐ後にフェルミは「今のはまさか!?」と言ってますから、「ロンの味方では無いが、立場の近い人間」ってことでしょう。ガボールは仲間になって初めての見せ場。ブラストルタイガーの「サーミックバースト」の設定を巧く使ってくれました。その他、ケーニッヒヴォルフは砲台を攻撃、エレファンダーは踏み台となった後に力づくで城門を開く、と脇役たちがそれぞれ持ち味を活かした活躍をして、なんかもうお腹いっぱいです。

ズーリの街中を進む討伐軍。ディガルド側の敗北を悟ったフェルミはあろうことかジェネレーター破壊を企てる。しかし、いち早くその意図に気付いたルージはライガーをムラサメ→ハヤテ→ムゲンとつづけざまにエヴォルトさせ、ジェネレーターを守り切る。「ジェネレーターを壊そうとするなんて、絶対に許せない!」と怒りを露にするルージ。そして戦いは終わった。討伐軍が勝利したのだ。捕虜となったボラーも、ディガルド軍の敗北を認めた。

引いた構図でのソードウルフの立ち回りは、長回しのワンカットでちょっと時代劇っぽく。ミィのランスタッグは槍で突いた敵機をパイルバンカー式に打ち上げて、ジャンプしながら角で握りつぶすという華麗にしてワイルドな連続技を披露。連続エヴォルトでバイオプテラに届いてしまうのは確かに盛り上がったけれど、なんであそこまでジャンプできるのかと、謎(というか見せ方の野暮ったさ)は残る。ストーリー上保留になっていたジェネレーター破壊の件を、回想をはさみつつ再び見せるのは巧かった。

勝利に沸きあがる一行を後に、ルージを街の外へ連れ出すロン。そこでルージが出会ったのは、空飛ぶゾイドデカルトドラゴンとその乗員・天空人のパラだった。ロンはパラに言う。ルージはエヴォルトするゾイドを操り、討伐軍の中心人物だから味方にして損はない、と。さらにルージに、かつてギルドラゴンで天へ運ばれた人間は空中都市・ソラシティで暮らしている、自分自身もその街の出身なのだと明かす。その話を聞いたルージは「『存在しちゃいけないものがそこにある』感じがするバイオゾイドも、空の街がもたらした技術だと納得できる」と言う。ロンは「その通りだ」と、バイオゾイドの技術はディグからレッゲルをもらう代わりにソラシティが与えたものだと説明する。ディガルド侵攻の原因を作ったのは我々だから、ディガルド討伐軍に協力したいのだと、ルージに申し出るのだった。

うわ〜、密度高すぎて以下同文。つーか説明台詞がちょっと長過ぎかも。カトーンの街の人々がルージに「戦いが終わった後どうするのか?」を尋ねたのは、下手に高度な技術を提供するとディガルドでの失敗を繰り返しかねない、という用心だったのでしょう。

【エンディング】
さりげなく映像が差し替えに。これは年始スペシャルなのか? フリ・テンと眼鏡付サイコ、無敵団勢ぞろい、ヨーヨー緊縛ガボール、ゼルフトの女の子二人と背景にディガルド女性士官、コトナとリンナで拳を組んでミィが後ろで怒ってる……という5カット6枚だけの新作映像ですが、ディープなファンには良いサービスとなったことでしょう(人選がよくわからないけど)。そういえば今回は本編には萌え要素が無かったから、それを補うための措置?