ゾイドジェネシス#25「進軍」感想

まとまりを欠いたまま進軍を開始するラ・カン一味。だが、ザイリンはその作戦を読んでいた……というお話。前回提示されたふたつの要素、「ラ・カン一味の不安」と「ザイリンの天才性」の両方を引っ張って、ひとつの戦いへと収斂させ、2クール最後となる次回での直接対決(=シリーズ前半最大の山場…だよね?)につなげるという構成が相変わらずお見事。戦闘は少なかったものの、ゾイドの大軍勢の行軍は見栄えのする画でしたし(街を出るなり走るなよという気はしたが)、今回はキャラ作画も安定していました。

【ラ・カン一味】
軍義に参加する人数ですらもめる連中。ここまでくると、単にこいつらがバカってだけでなく、ラ・カンに人望というか統率力が欠如してるんじゃないかって気がします。つーか檄を飛ばす前にかかる事態を予想してしかるべきだよなあ。ルージは「敵がこちらの思惑どおりに動かなかったら…」と考えを巡らせていましたが、思惑どおりに動きそうにないのはむしろ味方のほうだろ!(笑) エレファンダー隊は一体何をしでかすのか?

【ルージ】
「訓練が必要」とラ・カンに意見するも「なぜ会議の場で述べなかった?」と諌められるルージ。その頭のよさと気の弱さ、そしてラ・カンの厳しさとを同時に見せるばかりか、「戦に勢いは必要」「だが勢いだけでは勝てない」と会話を転がして、今回の出撃のメリットとリスクを見せた(そしてラ・カンはその両方を承知していることを見せた)巧みなシーンでした。

ザイリン
ザイリン大活躍。偵察部隊は既に気付かれていると判断、これまでの行動が陽動であると読み、安宅もといアッタカの関が狙いである可能性を指摘しつつ、ラ・カンならばそれすらも陽動だと読み切って、「霧の川」を利用した奇襲によるトラフ攻略が狙いだと判断を下す。リフレッシュ休暇(笑)を故郷ですごした甲斐あってか、恐ろしいばかりの冴えを見せてくれます。そのうえ「先生には大活躍していただきます」「バイオプテラの使い道は……無いことも無い」と、まだ視聴者に対して伏せたカードもあって、一体どうなることかと楽しみ。

【ラ・カン】
一方のラ・カン、ルージが指摘したとおり「いざとなれば戦わずにズーリに帰る」作戦なのか? さらに「霧の川の上流には何がある?」との謎かけをしていますが、湖とダムの存在はザイリンも気付いていますから……いやホントに、どうなることやら。

ディガルド軍の人々】
ザイリン、本人のいないところでは「あの女」呼ばわりだったフェルミですが、意外にも普通に会話をしていました。前回顔見せのソウタは出番無し。それどころか「バイオケントロは調整中」とのことで、当面は出番無し?

【コトナ】
出番が少なくともお色気アピールは忘れないあたりがさすが。

レ・ミィ
出番は少なくともお笑いアピールは忘れないあたりがスゲェ(笑)。嬉々としてロンを刺すか、お姫様。

【ロン】
「間に合わなかったか」は、意味深の割にはサラッと流した印象。待っていたのは少なくともラ・カン一味の敵ではないはずで、この台詞で「ロンは何か秘密があるが敵ではない」ことが示された、と判断できると思うのですが。