差別語かもしれない音痴#1

ふと、「方向音痴、味音痴、運動音痴といった具合に、「まず音痴ありき」なのは何故なんだろう?」てなことが気になって、「音痴」をgoo辞書で引いてみた。すると第一義は意外なことに…、

生理的な機能不全や心因性の原因によって正しい音の認識や発声などができないこと。また、そういう人。音聾(おんろう)。

というものだった。つまり第一義の音痴とは、障害と呼ぶに足るものなのである。ごく日常的に音痴といったときに意味するところの「音に対する感覚が鈍く、歌を正しく歌えないこと。また、そのような人」は2番目に書かれ、そして3番目が「あることに感覚が鈍いこと。「方向―」「味―」」だ。
むむ、となると「生理的な機能不全や心因性の原因によって正しい音の認識や発声などができない人」が「『音痴』という言葉を安易に使うことは障害に対する正しい理解を阻み、差別を助長するものである」などと言い出していれば、今ごろは「きちがい」と同様、以前は広く使われていたのに現在は文字にするのもはばかられるタブーとなっていたかもしれない。
「音痴」を差別語・放送禁止用語と扱うのはあまり一般的ではないが、「音痴 差別語」でググると、こんな記事に行き当たった。
http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Kouen/8887/giccyou.htm 
本題である「ぎっちょ」を巡る話も面白いが、ここで取り上げたいのは以下の部分。

「音痴」はまずいが「数字音痴」は良いのだそうです。

わからなくもないが、これでは「きちがい」はNGでも「音きちがい」や「カーきちがい」ならOKになる理屈である。いずれにしても「音痴」がいわゆる「言葉狩り」からどうして逃れ得たのか、興味がもたれるところだ。
などと考えていたところが、先日、散歩のついでに図書館に寄って『日本国語大辞典』(小学館)で「音痴」をひいたところ、さらに意外なことがわかり……私の混乱は増したのである。(つづく)

なんかこのところ、玩具(つーかムゲンバイン)とアニメ(つーかゾイドジェネシス)と漫画(つーか週刊少年ジャンプ)の話題のみになっていたので、初心に返って久々に「言葉」カテゴリで。