ゾイドジェネシス#24「驕り」感想

休暇を与えられ静養中のザイリン。久しぶりの故郷に過去の自分を思い出しつつも、変わり果てた村や幼馴染の姿も同時に目にすることに…。再び前線への出撃要請が下る。一方、檄文に応えて地方の猛者たちが次々と集結しているズーリの街に、新型バイオゾイド「バイオケントロ」の攻撃の手が迫る。

テレビ東京アニメ公式サイト「ゾイドジェネシス」より)
珍しくダブルプロットで展開した回。ザイリンについては、過去を描きつつディガルドへのやり方に対する疑問が芽生えつつあることを描写、一方でラ・カン一味については、寄り合い所帯のまとまりの無さを描写、バイオケントロの顔見せもあって戦闘シーンも(時間的には)充実……という密度の高い回だったが、作画の悪さに泣かされた……。なんとかならないのかいい加減。

ザイリン
前半の主役はザイリン。回想シーンと現状との対比によって、ザイリンの天才性や性格を明らかにすると同時にディガルドの支配がどのようなものかを描写し、裏切りへの伏線(?)のようにも見えるという中身の濃い構成でした。ジーンの「神となる」発言には、一視聴者としては「史上このセリフ吐いたヤツはだいたい三日天下の三下よね」と言いたくなってしまいますが、ザイリンはそれなりに興味を抱いたようで、何か共感することがあったのでしょうか。

ディガルド
そもそも、ジーンの「神となる」発言の根拠は何かも気になるところ。まずディガルドが武力侵攻を始めたきっかけがそこにあるのは間違いないとして、未だ顔を見せていないディガルドの国王とジーンとの関係にも、何か微妙な溝がある? 
今回初めてバイオゾイドパイロットがコクピット外に出ていましたが、結局生身の人間かどうかは不明のまま。このまま明確な描写は避けるのか?
バイオケントロのパイロット、ソウタが初登場。性格というかキャラクターの方向はバーサークフューラーパイロットを思わせる(もちろん「フューザーズ」のブレードではなくて「/0」のベガね、念のため)。結局、四天王のなかで軍人気質なのは……ていうかぶっちゃけ憎まれ役がきっちり務まるのは……ゲオルグだけの模様。今後はジーンがバイオティラノで前線に出て、当面の憎まれ役となるのでしょうか。

【ソルト(仮)】
便宜上「ラ・カン一味」などと書いてますしそれで十分な気もしますが、いい加減に組織の名前をつけて欲しいところ。言ってしまえばならず者寄り合い所帯だから統率が取れないわ、初戦での大勝を「まずかったな」と言い切るわの、リアルというかシビアな描写はスゴイのだが、いくらなんでもバカ過ぎないかこいつら? 仮にも反ディガルド組織として知られた者たちなのに、バイオゾイド相手にただ力押ししかしないとは……。無敵団のほうがよっぽど優秀な気がする(笑)。ここらへんは演出の問題か。

【ルージ】
とうとう、というかいつの間にかエヴォルトを自在にできるようになったルージ。まぁ無闇なパワーアップではなく「戦況に応じてスタイルを変える」という理由付けがあったので、さしてパワーインフレ感は無し。あの場面、本来なら「ルージが前線に現れたことで戦況が一気に変わった」ことに重点を置いて描写し、最後の勝どきも「自分達の勝利」ではなく「ルージがもたらした勝利」を意識しているべきと思うのですが……。最後の「まずかったな」につなげるために、そのあたりの焦点がぶれていた気がします。