ゾイドジェネシス#20「決意」感想

ルージが、ジェネレーター職人探しよりも反ディガルドを優先するという決意を固める一方、これまで断片的に明かされてきたラ・カンの過去が、ついにルージに対しても明言された……というお話。
もっとも、力が入っていたのは村の様子の描写で、こういう「実戦は無いけれど、かといってただ安穏としているだけでない」話を見ると、妙に「ああ、ゾイドジェネシスを観てるなあ」という気分になる。いやゼルフト編の重苦しさも、言うまでもなく無敵団も大好きだけど(笑)。

【オープニング小変更】
ハヤテライガー登場に併せてオープニング小変更。生きとし生けるもの全て〜の部分には、本編から流用した各ゾイドのアクションを追加。コトナのウインクが切れてるあたりにちょっと無理を感じるが、それなりにつながっている。夢を見てた〜の部分は、前オープニングでは止め絵だったゾイドが動き出していて、見比べると妙に笑える。
そして遂にバイオゾイド四天王の残り2体にバイオティラノ、ついでにバイオラプターグイがアニメに登場! ティラノ以外はスローでないとよく見えないが……。
締めとなるのは新主役のハヤテライガー。炎の海を疾駆し、炎を吹きながらブースターを展開、ふたつに分かれたリーオの武器を装着して、駆け抜けた後には炎の軌跡が描かれる。まさしく「紅蓮」のイメージで実にカッコイイ!! っていうかなんで前回これができなかったんだ(苦笑)。いや、製作に直接携わってるスタッフとしては当然、本編の初登場回でやりたかっただろうに、ねぇ。

【ルージ】
ついに、というかようやくディガルドとの戦いを最優先にする決意を固めたルージ。それも「ついカッとなって」ではなく、まずこれまでの旅を振り返って、リーオの武器を装備したゾイドがそろっている状況を踏まえたうえで、仲間達に「俺たち、他にやるべきことがあるんじゃないでしょうか?」と問いかける形なので、(過去のルージ自身と比べても)説得力があった。キャラの見た目もややりりしくなった感じだか、これは単なる作画の乱れの可能性を否定できない(苦笑)。
前半では子供にモテモテ、若奥様にもモテモテ、若い衆にもモテモテ、爺様方にまでお茶に誘われるルージのモテまくり人生が強調された。ラ・カンに「俺、付いていきます!」とか言っていたが、むしろルージのほうが人望があるように見えるというのがポイントか。

【ラ・カン】
かつて領主を務めていたキダ藩を、無抵抗でディガルドに明け渡した、という過去が明らかに。ピクル村の村人に人質にされたときにもあまり怒らなかったのは、その弱腰な態度を自らに重ね合わせていたのかも。「戦で犠牲が出ることを怖れた」ことと、「見たこともない技術を持った国を怖れた」ことの間には、ラ・カン自身にとってしどれほどの差があるのだろう? そして、ミロード村に戻ることを提案した真意は?

【その他の仲間】
コトナ、「ずるいかもしれないけど、本当にやりたいことが見つかるまで一緒にいさせて。戦いになれば役に立ってみせるから」との台詞には嗜虐心が刺激され、もとい本心が感じられた。ミィ、「いつかおじさまがディガルドを倒してくれるって、ずっと信じてた」という弱々しい笑いにちょっと萌え。「俺としちゃあルージが戦う気になってくれただけで嬉しいんだよ」とガラガはすっかりいい兄貴分に。再登場のファーストカットが後姿、それも遠くからライガーの様子をうかがう……とロンはいよいよもってうさんくさく。師匠は見張り番とか審判役とかに便利に使われてる感じだな。

ザイリン
しかし、最後のわずか数十秒の出番で今回の主役の座をさらってしまったのがこの御仁(笑)。まさか本当に休暇をエンジョイしてるとは。「完成したのか、バイオプテラが!!」と視聴者に解かりやすく驚いてくれたが、仮にも少将なのに、そのあたりの軍内部の動きを把握していないというのが、なんというかさすがにザイリンだ。