マスコミの嘘を見抜く#3

の続き。
12月半ばになって、新幹線の脱線状況を調査していた土木学会の調査団がその見解を発表します。

【新幹線脱線、台車と車輪が転覆防ぐ レール挟み揺れ抑制】(朝日新聞12/13)「新潟県中越地震で脱線した上越新幹線は、先頭車両の車輪と台車部品がレールをはさむ形で走って左右の揺れを抑えたため転覆しなかったとみられることが、土木学会の調査でわかった。」
上越新幹線、レールが車輪と部品の間にはまり転覆せず】(読売新聞12/16)「土木学会の現地調査団(略)は16日記者会見し、転覆などの被害を免れたのは、レールが車輪と台車部品との『すき間』にはまり、車両の横ずれを抑えたため、とする見解を発表した。」

さて毎日新聞はというと、まずサイト上ではこの会見を記事にしていません
http://search.mainichi-msn.co.jp/ 記事検索で「土木学会」を引いてみてください
そこで本日、図書館で13〜18日の毎日新聞(埼玉中央版)を閲覧してきましたが、記事は発見できませんでした。あれほど熱心に転覆しなかった原因を追求して(ハナから重量決め撃ちでしたが)、ほとんど無関係のJR九州にまで取材し、桜井淳センセイまで担ぎ出した毎日新聞が、です。まさか、車重について全く触れていないこの見解は認めたくないとでもいうのでしょうか。訂正記事を出せとは申しませんが、土木学会の記者会見を記事にしたうえで「なお、車体重量が転覆を防いだとの説について土木学会は『その可能性は小さい』とした。」(実際に土木学会がなんと答えるかは不明です、念のため)くらい書いても面子は保てると思うのですが。
実は、17日になって唐突にメディアリテラシーの話を始めたのは、三大紙のうち毎日新聞だけがこの会見をウェブ上で記事にしていないことに気づいたからです。それがかねて疑問の「軽量車転覆説」の出所の追求へとつながり、さらに毎日紙上の扱いを追っていったら、ちょっとしたメディアリテラシーレーニングになってしまいました。結果的にものすごくわかりやすい例でしたが、「記事にしないという嘘」にはなかなか気付きにくいので、ニュースに接するうえで普段から意識を持つ必要もあるでしょう。

(05.2/2追加)

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