『まんがタイムきららキャラット』11月号

付録が無いので久しぶりの通常定価360円。といっても次号からまた3号連続でブレンド・S」の付録がつくわけですが。「黒髪巫女とマリアウィッチ」が休載。ゲストが2本、「アニマエール!」「ふじょ子とユリ子」が2本立て。最近ゲスト枠が減った気がしてたけど、2本立てに枠を割いているから今でも4本分あるんだね。……いやその。未だ公式のアナウンスが無いけど『きららミラク』休刊はまず確定で、その連載作品をいくつか「キャラット」が引き継ぐか? と考えていたのでした。『がんくつ荘の不夜城さん』が移籍してきたら愉快ですな。
 
ブレンド・S」
表紙&巻頭カラー。アニメがきっかけで手に取る新規読者も少なくないだろうに、ヤロウどものドタバタで話を回すという挑戦的なエピソード。これでいいのかPR的に!? と思うがこれでいいよな面白いから!

店長は通常運転だけど、これまでほとんど出番の無かった苺香さんの兄上がいきなり壊れてしまって笑う。秋月はとっさに桜ノ宮家の固定電話にかけるという回転の速さも披露。相変わらずの百合萌えはいいとして、問題のアニメは録画視聴すらしてないのね。

苺香さんはほとんどオチ担当。野球延長のため録画失敗、というのは微妙に「今どきあるのか?」ですが(ウチのレコーダーではあります)、苺香さんは機械に弱いというエピソードとしても自然でしょう。

……ていうか深夜アニメのお色気というと、この「ブレンド・S」も苺香さんの太ももローアングルとか夏帆の乳揺れとか、露骨なサービスカットがちらほらと……。
 
ブレンド・S」アフレコレポート
……そのアニメ「ブレンド・S」のアフレコレポート。監督が巨乳美少女ではない!? のはさておき池内たぬま先生。レポートとしてはオーソドックスな内容ですが、アニメへの期待を十分高めてくれました。ていうか美雨さんもひでりきゅんももう登場するのね。何話くらいなんだろう。
 
NEW GAME!
前々回からちょっと引っ張ってきたはじめの異変は「ゲームって…なんだと思う?」という根本的な悩みと判明。紅葉がさらっと答を出したのは、きっと面接試験対策の中で考えていたことだろうから、あまり気にしなくていいぞ先輩s。この場に、目標もモチベーションも不明なひふみんがいないというのが逆にポイントかも。

はじめの企画をここまでフィーチャーしたとなると、その実現が第7巻の柱になるのでしょうか。一方で「PECO」のキャラデザインを手がけて夢を叶えた青葉も、そのモチベは下がらず。「まだまだ物足りない」という一方、具体的な目標はやはり無いわけで、これも今後のカギかもしれません。
 
「Aチャンネル」
センターカラー。文化祭エピソードってひょっとして初めて? 「○○カフェ」という定番の出し物ながら、病院カフェという一ひねりを加えたのが面白い。今や懐かしトオルのバットと、これまで無かったナギの男装という組み合わせのオチも良かった。

にしても、トオルの「今しかできないことがしたいから」あたりには、静かに終わりへ向かっている空気も感じますが……。どうなるんだろう?
 
キルミーベイベー
やすなの「勝負だよ!」で始まらないのが珍しい……と思ったら、2ページ目左でやっぱり言ってた。グロ抜きの「カガクチョップ」というか、作者が違うけど「空想科学X」みたいなネタのたたみかけ。よくまあ次から次でこんなに出てくるものだと感心する。作者にもやすなににも。
 
エクソシストと首輪の悪魔」
エクソシストと首輪の悪魔」なのにエクソシストが登場しない問題。前回から新キャラ・シュリエルが登場して、エクソシスト・悪魔・天使で三角関係的な構図になるかと思いきや、シュリエルにも同棲中の…もとい居候先のパートナーができましたという展開に。これはこれで面白いけど、コンビを二組にしてこの先どうするのか(接点が全くない男同士のつながりの扱いとか)が気になるところ。
 
ひだまりスケッチ
センターカラー。カラー2頁モノクロ2頁というある意味通常運転の構成でした。うめてんてーは相変わらず体調がすぐれないそうで、あまり無理はせず、でも休載は少なめでお願いします。

お話は茉里ちゃんの夏休みの宿題問題。オチといえばオチな終わり方でしたが、次回は宿題ほったらかしてプールに出かける話をやるのでしょうか。
  
「まちカドまぞく」
センターカラーでこちらも夏休みの宿題エピソード。以前から筋トレ以外についてはクールというかローテンションだった桃ですが、むしろポンコツと言ったほうがいい感じにw シャミ子の前でそれを隠さなくなった桃、その桃の女主人(ミストレス)であり姉であろうとするシャミ子という両者の意識の変化にもニヤニヤしてしまう。「一回闇墜ちしたから良くないかな」とか、3巻終盤のシリアス展開も積極的にネタにしていくのね。

次回、動物園に行く「みんな」はシャミ桃以外には誰なんだろう?
 
「ふじょ子とユリ子」
センターカラー&二本立て。岡本さん(仮)が意外とストーリーの牽引役を果たしてますな。これまでのユリ子のキャラは、ふじょ子に振り回されて成り立っているところがありましたが、岡本さんとの絡みで男前なところを発揮。岡本さんも単なるトリックスターでない可愛げを見せて、魅力を増しました。そんな二人をよそにふじょ子はいつもどおりのマイペースな亀ピエ萌えで、これだと三角関係という展開は無さげですなー。

二本目はふじょ子のお家訪問。岡本さんは抜きにして、このマンガの基本というべき「ふじょ子のディープな腐女子趣味にユリ子が振り回される」展開で安定感がありました。
 
「トモダチヅクリ」
しだいにクラスメイトと打ち解けていく麻乃。しかしその足は……といったところで以下次号。今回完全に静が不審者もとい裏方でしたが、ケガを隠して舞台に立つ麻乃を支えるために次回は前面にでてくるのでしょうか。

ザ・カゲスターに登場したPUMA GTと輸入代理店JAX

どうせ誰も読みゃしねえのでツイッターのほうでざっくりと上げたきりホッタラカシだった「ザ・カゲスターに登場したPUMA GT」についての調査結果。
 
4月20日「ザ・カゲスターに登場したPUMA GT」の続きです。国会図書館サーチで『モーターファン』誌1975年10月号に「ピューマGTE/GTS」のカラー紹介と試乗レポートが掲載されていると知り、閲覧してきたのでした。

これが『モーターファン』1975年10月号の、まずはカラー記事。「日本に上陸した異色GT ブラジルからスタイリッシュGT ピューマGTE/GTS」。オープンはオレンジ、クーペはグリーン。輸入代理店の規模から考えて、試乗車や撮影用車を何台も用意してしているとは思えず、この2台は「ザ・カゲスター」に登場した車と同一とみて間違いないでしょう。

白黒ページの記事は「VW+本格派スポーツ・ボディ」と題する5ページの試乗記。走行性能はぶっちゃけイマイチな車を、なんとか頑張って誉める……という自動車雑誌によくある奴です。注目すべきは最後のカコミ記事で「株式会社ジャクス・カーセールス発足」とある。

輸入会社やマニアライクな中古車を扱っている大協自動車販売株式会社が、このほど社名を株式会社ジャクス・カーセールスと改称して発足した。(略)このほどイギリスのTVR、ブラジルのPUMAを輸入・販売することとなったのを契機に社名を改めたもの。

「このほど」が厳密にいつかは分からないが1975年9月頃。「ザ・カゲスター」は約半年後の76年4月開始。どちらがどう働きかけたかは不明ですが、新進の輸入代理店としてアピールが必要だった時期に、「それではTV番組に出しましょう」という発想があったとみるのが自然でしょう。

ただ、そういう事情であったなら、『ザ・カゲスター』以外の同時期のTV番組にも、JAXのステッカーを付けたPUMA GTE(もしくはTVR)が出ていた、という可能性がある。さて、それをどう調べたものか? そして一方、もし『ザ・カゲスター』にしか登場していないなら、その理由は何だろう? という謎が残るのでした。調べようがないので放置するけどね。



にしてもナンだね、オレのやってることはそんなに無為かね? 文字どおりの「一顧の価値もない」扱いを甘受せざるを得ないほどのものかね?

相鉄本線〜厚木基地引き込み線

7月15日付で「厚木基地1・3ヘクタール返還へ日米が合意」という記事があった。
http://www.kanaloco.jp/article/264532
基地の敷地1.3haといわれても???だが、つまりは厚木基地への引き込み線(1998年以後休止中、事実上は廃線)の敷地が元の地主に返還されるという話。となれば遠からず廃線跡が再開発されるだろうと本日訪ねてみた。
 
結論から言うと、大変面白かった。①レールと架線が全線現存している ➁ほぼ全線たどれる(もちろん、廃線跡自体を含めた立ち入り禁止の場所は通らずに) ③徒歩でたどるのに手頃な長さ といった具合。首都圏で廃線跡に興味のある方は一度訪ねてみても損はないでしょう。
 
では、実際に歩いた順とは異なりますが、相模鉄道相鉄本線相模大塚さがみ野駅間にある分岐点からたどっていきます。

分岐点の踏切。奥に向かってさがみ野駅、引き込み線は背後に続いていきます。

同一地点から基地方向を見る。すぐに黄色いフェンスで塞がれています。関係ないけど「木漏れ日」というのは日本語独特の表現だそうな。

フェンスの向こう側、設置者の名義は「相模鉄道株式会社」。ここは近隣住民用に事実上の踏切となっていました。

本線を行く相鉄線の列車。

フェンスを背にして基地方向。民家の軒下をくぐる感じが実に専用線らしい。


架線柱は多くがコンクリート製だが、一部はなんと木製だった。

「STOP でんしゃにちゅうい」


踏切警報器もほぼ全て現役当時のままだったが、一基だけは撤去されて基部だけ残るアベサダ状態。どういう事情だろう。



夏草に埋もれているのは当然として、沿線の木立が線路上に張り出し、架線まで完全に覆ってしまった区間も。廃線のわびしさを思う。

東名自動車道を跨ぐ。


東名自動車道を跨いですぐにあるこの踏切は「航7」らしい。それが何の略称かは不明だが、とりあえず7の字体がカッコイイ。

舗装されているのに警報器がない、警票すらない踏切がいかにも専用線。その先でカーブを描くと……。

正面はもう厚木基地だ。

基地の手前、線路の傍らには三角コーンに囲まれた「国有地」があった。元は何の用地だったかは不明。


フェンスの向こうが厚木基地。鉄道施設は完全に撤去されていた。
http://www.geocities.jp/takeshi_departure/atsugi.html
ちょうど10年前、2007年05月02日付の↑レポートには、フェンスではなくゲートで基地内にも鉄道施設があった頃の写真が掲載されている。

フェンスを背に、相鉄線方向を振り返る。
 
現状、非常に状態の良い廃線ですが、はじめに書いたとおり敷地の返還が決定した以上はいずれ再開発の手が入ることでしょう。それがいつとはわかりませんが、今のうちに訪ねておくことをお勧めします。

『まんがタイムきららキャラット』10月号

珍しく「キルミーベイベー」が休載、ゲストが4本。表紙&巻頭カラー&付録クリアしおりは「NEW GAME!」、アニメに合わせたプッシュはまだ続いていますが、次号は10月開始の「ブレンド・S」が表紙&巻頭カラーで主役交代という印象。カラーの記事ページも、広告同然の「NEW GAME!!」記事が1頁なのに対して、内容の密度は低いけれど「ブレンド・S」は見開き2頁という配分。加えて「きららファンタジア」1ページという構成でした。
 
NEW GAME!
巻頭カラー。タイトル画はレギュラー5人(青葉・ひふみ・ゆん・紅葉・ツバメ)が下着姿で勢ぞろい、というエr…もとい扇情的なもの(あんま変わらん)。フラゲで流出して、ツイッターなどでちょっと話題になりました。下着姿なのは本編の流れとも関係があるからいいとして、ひざくらいの高さから見上げる構図なのが面白い。青葉のキャラ立てといい得能先生、Sっ気のある娘がお好みなのでしょうか。

本編はみんなで仲良く昼休みにブティックへ、というお話。青葉も言うとおり、久々のゆったり気分のエピソードでした。新作が動き出すまでこんな感じで続くのかね。導入というか一本目は「今回はマスターアップ休暇は無し」との通達から始まりますが、確かあれって有給消化だよね? だったら社員ごとに任意で休める今回のほうが良い気がするぞ。

前回からはじめの様子が微妙におかしいのに、ゆん以外には気にしてる人がいないっぽい。男が出来たとか女が出来たとか習い事とか転職活動とか……いずれにせよ所詮はサブキャラの話なんだけど、この先どう引っ張るのだろう?
 
「Aチャンネル」
ナギ主役回。この『きららキャラット』、日付が変わるタイミングを見計らって駅前のコンビニで購入しているので……そしてキャラットとともに夜食も調達しているので(そしてもちろん帰宅後に食べているので)、「真夜中に食べるジャンクフードの味」に強い説得力を感じてしまった。それはおいても、ナギはやっぱり「普通の感覚」に一番近くて好きだなぁ。
 
ひだまりスケッチ
8ページも載っているというだけでまずびっくり。それだけにやはり重要なポイントとなる回で、自由参加の学内コンクールでゆるゆるとはいえ、ゆのっちと宮ちゃんで絵の競い合いをすることに。その結果、さらっと「悔しい!」と言ってのける宮ちゃんと、一方で泣き出してしまうゆのっちとの関係にこちらももらい泣きでした。

……まぁ冷静になると、絵の技量にそこまで差があると今まで語られてたかな? と思ってしまう部分もありますが。ゆのっちは「私やっと……ちょっと宮ちゃんの近くに来れたのかなって…」と言って泣いているんだよね。単行本とか手元に無いんですが、このあたりの描写は実際どうだった?
 
ブレンド・S」
センターカラーで引き続き苺香さんと店長のデート話。前回苺香さんがやきもちを焼いていたのは、実は彼女っぽい怒り方の芝居でしたー! …ってこの、男心を弄ぶ小悪魔め! とはいえ店長の金髪にハァハァしたり、実は胸がぎゅーっとしてたりという、お約束とはいえラブコメらしい展開。ま、このまま何に決着が付くでもなく話を引っ張るんだろうなとは思う。
 
「すわっぷ⇔すわっぷ」
キスしたことが実はクラスメイトにバレてました展開。その一方、入れ替わりはバレていないし疑いも持たれないというのがミソで、ツインテちゃん(手嶋さん? 宮田さん?)は二人を振り回しているけれど実は肝心のところが分かっていない、という匙加減が見事。実際やってることは「二人のキスという秘密をネタに強請っている」なんだけど、陽性のキャラ立てもあって可愛らしく受け止められました。
 
「正義ノ花道」
センターカラー。前回ちょっと言及された生徒会の面々、というか生徒会長が登場してようやく話の方向性が見えてきた感じ。厳しく言えば、導入部ではストーカー行為しか描かれていないのになぜ会長は「件の不審者」に注目したのか? それをなぜ目安箱で釣れると思ったのか? 何を根拠に祭田まつりの関係者だと目星を付けていたのか? などなど、物語の段取りがガバガバなんですが、あえて難じるほどの問題ではないでしょう。
 
「まちカドまぞく」
第3巻の発売(9月27日)は間近!

まちカドまぞく (3) (まんがタイムKRコミックス)

まちカドまぞく (3) (まんがタイムKRコミックス)

というわけで今回は単行本では第4巻の1本目。前回までの怒涛の展開からひと段落、今回はのほほんとした夏休み、シャミ子たちが夏祭りを満喫するお話でした。

最後の一本、前回の見せ場のひとつだった桃の笑顔を自ら台無しにしていくスタイルに笑ってしまう。これはむしろ、第3巻の余韻を1年余り引っ張る単行本派のほうが楽しめたかもしれません。
 
「ふじょ子とユリ子」
あ、これ岡本さん(仮)=紫薔薇様は最終回まで本名がわかんないパターンだ。その岡本さん(仮)、強引にふたりに可愛い服を着せるなど引っかき回す存在ではあるものの、ユリ子とふじょ子との関係性からは一歩離れた立ち位置のようで、今後もトラブルメーカーとしての(ぶっちゃけた言い方だとあぎりさん的な立ち位置での)活躍に期待。

ていうか岡本さん(仮)が関わってきてもペースを崩さないふじょ子には感動すら覚えるw
 
「トモダチヅクリ」
2巻完結に向けて話を畳にかかっているとしか見えないのが寂しいものの、今回もいい話でした。「コイビトヅクリ」と揶揄されるほどに麻乃と静の関係はベッタリですが、それを踏まえた上で恋人同士のクローズな関係ではなく、それ以外にもオープンな、まさしく「友達作り」の話に向かっていくことに感心。期待以上に綺麗に着地するかも(いやまぁ3巻以上続くならそれはそれで歓迎するのですが)。

『まんがタイムきららキャラット』9月号

アニメ「NEW GAME!!」は期待以上の出来で毎回楽しみなんですが、しかし『まんがタイムきららキャラット』のCMをやらなくなったのはどういうわけだ!? てな感じでだいぶ遅れましたが9月号感想。「ひだまりスケッチ」が休載、ゲストは3本で「恋する小惑星」が2本立て。単行本化前の2本立てはちょっと珍しいかも。

表紙および付録クリアファイルは「NEW GAME!」。おなじみのキャラのうち若手5人(あれ? ひふみん?)ともずくという取り合わせで、紅葉&ツバメ抜きなのはアニメから入ってきた人向けのアピールか。クリアファイルは年長者5人(とこっちにももずく)で、大和クリスティーナ和子は人数合わせで入っているような。
 
カラーページは「きららファンタジア」続報、NEW GAME!! の商品情報、イベントまんがタイムきららフェスタ!2017」リポート、ブレンド・S」ヒロイン3人の設定画が各1ページ。きららフェスタに関しては、伊藤いづも先生によるレポートマンガが(どうでもいいがレポートなんだかリポートなんだか)ウェブ上で公開されています。
http://www.dokidokivisual.com/kirarafesta2017/
 
NEW GAME!
ついに発売されたPECO、そのキャラクターデザインを務めた青葉のサインをめぐる話。あおっちとねねっちと変わらぬ友情というか、変わりゆく記憶というべきか(苦笑)。久々登場のほたるんは現代日本の文化の最先端(でもないか)に染まり、意味がよく分かってないまま「ふきょう」を始めるのだった。それ見た青っちの「ほたるんは変わらないなぁ…」というリアクションがちょっとつかみづらい。意味が分からなくてもとりあえずやってみるタイプの娘、なんでしょうか。
 
ブレンド・S」
前回からの続きで苺香さんと店長のデート話。……そういや無印『まんがタイムきらら』9月号(asin:B071GW29HN)への出張掲載には店長まったく出てこなかったな。本編がこんな展開だからか、それとも「男キャラの出番は控えたほうが一見さんには受ける」という判断? まぁもう1話あるので、そこでクローズアップされるのかもしれません。

無印きららでは不遇の店長ですが、こちらの連載版では基本スペックの優秀さを披露したり、オタ趣味も苺香さんは受け入れてくれたり、さばかりか苺香さんが微妙にやきもちを焼いたりで、なかなかいい感じに。まーこれで両想いになったら話が終わるからどこかで破綻するのでしょうがドキドキしながら次回を待つ。
 
「正義ノ花道」
主人公側の首謀者が私利私欲まみれだったり、特に悪がいなかったりまではいいけれど、それで何もしてない不良コンビをボコるというのはギャグとしても受け入れられななかった。

生徒は「貢献度」によって階級分けされているという、いかにも学園物らしい設定はマァいい。となれば正義の味方としての活躍で「貢献度」を積んでランクアップしていく、という展開が想像されるけれど、何もしていない不良を、言ってしまえば無実の生徒をボコったところで貢献にはならないよね? ていうか、「上からの命令は絶対」「逆らえば制裁」という支配構造の中で、まつりは既に最低ランクの「反社会的行動者・規則違反者」扱い。初めから正義の味方なんて務まらない位置付けになっている。これでは生徒会を敵に回しての反乱(あるいは革命)展開しかないのではなかろうか。
 
「まちカドまぞく」
9月27日発売の第3巻の締めとなる話。いやもう、ニヤニヤ泣きながら読むしかなかった見事な締めでした。

まちカドまぞく (3) (まんがタイムKRコミックス)

まちカドまぞく (3) (まんがタイムKRコミックス)

前回衝撃的だった桃の闇堕ちは精神のみ、かつ一時的なものと判明。これまで今ひとつ見せ場の無かったミカンが、10年前に桃からもらった気持ちを振り返りながら、友情ぱわーで桃を救う……というのもグッとくるのだけど、この回全体の中ではオードブルみたいな位置付けだった!

かつて世界を救ったこともある魔法少女・桃は、これからは「シャミ子が笑顔になれるだけの、ごくごく小さな街角だけを全力で守る」ことを新しい目標にして、ついにシャミ子に笑顔を見せた! それでここまでの目的を果たせたはずのシャミ子は、けれども泣き出してしまう……。桃がシャミ子を大事に想っていることと、シャミ子の自分自身の非力さに対する複雑な思いとが、ごくごく微妙なところですれ違っているのですね。だからハッピーエンドのはずなのに泣けるという、なんつーかもうニヤニヤ泣きながら読むしかない見事な締めだ!

最後は「桃色の誓い」、あるいは「ぽっきんアイスの誓い」。シャミ子は「…何ソレ」と言い出してせっかくの桃の提案はスベリ気味でしたが、だからこそのほのぼのエンド。……ここで元ネタの「願わくば同年、同月、同日に死せん事を」は結局果たせなかった、なんてことは思い出さないほうがいいでしょう。

というわけで見事な締め(三度目)だったのですが、あえて不満を言うなら「白沢さんとリコはどうした?」というのが気になるところ。4巻からの新展開でまた重要な役割を果たすのでしょうか。
 
キルミーベイベー
久々に流血も失神も無しのマイルドな回(え?)。ちょっと読み返してみたが、少なくとも2017年に入ってからは初だった。殴打すらひとコマのみ……なんだけど、色んな意味で「思ってた怖さと違う!!」という。ていうかこの仕掛けが誘うのは「恐怖感」ではなく「嫌悪感」のような気がw お化け屋敷なので襲ってはこない(ただ脅かすだけ)というヒネリも効いていた。
 
「ふじょ子とユリ子」
同人イベント回、といっても季節ネタのコミケではなく「魔法少女かめかめ」オンリーイベント。前回限りと思っていたユリ子画ネタを引っ張ったのが意外で面白い。オンリーイベなのに亀ピエは1000分の2ってマイナーカプどころでなかった!(プリキュアオンリーでレッド×ブルー本を出すようなものか?) となればもうひとつの亀ピエサークルが気になるところですが、そういう流れにはならずスルー。新キャラ岡本さんは次回以降どう絡む?
 
「黒髪巫女とマリアウィッチ」
こちらも同人イベント回、そしてこちらは季節ネタというべきコミケ(コミフェ)話で、頼子が終始魔法少女のコスプレ姿なのが新鮮だった。ていうかそのせいで「黒髪巫女とマリアウィッチ」なのに黒髪巫女もマリアウィッチも出てこないという(苦笑)。このマンガ、以前は「頼子が魔法使い愛を暴走させる」というのが基本だったが、今回はクロエを中心に据えてそのアド様&七統先生&頼子愛の空回りを描いており、物語上の役割の変化も面白い。
 
「トモダチヅクリ」
麻乃と静、傍目には夫婦同然なのに当人たちは「女同士じゃ結婚できないよ?/ませんよ?」という温度差が良い。にしても、普通にお嫁さんに憧れてる麻乃はともかく、理想の人を聞かれて「料理が上手だといいですね」と答える静はそれでいいのか!?

『まんがタイムきららキャラット』8月号

あー気が付くとアニメ「NEW GAME!!」放映開始直前だよ。てなわけで、今クールは「サクラクエスト」でもCMが流れる週2回体制の『まんがタイムきららキャラット』、8月号の感想。今月は「ひだまりスケッチ」が載って休載無し。新連載は2本、ゲストはなんと2本のみという珍しい布陣です。

アニメ第2期放送直前ということで表紙と付録でNEW GAME!推し。付録にコミックス用クリアブックカバーが付く分、定価は通常より100円高。表紙は婉曲に言って「デカい」、はっきり言えば「エロい」。取り込み用にゲーマーズで2冊目を買ったというのは秘密。付録の絵柄は青葉とほたる、紅葉とツバメという珍しい組み合わせ。アニメの新キャラアピール?  にしてもほたるにどれだけ出番があるのだろう。
 
巻頭のカラーページは、NEW GAME! のアニメ第2期とブレンド・S」のアニメにそのうえスマホRPG「きららファンタジア」まで加わって、頁のやりくりで嬉しい悲鳴を上げているような状態。今号はNG情報1頁・レポート漫画1頁、ドS情報1頁、きらファン1頁という構成。ドSは苺香・夏帆・麻冬のキャストコメントと先行カット。不勉強につき申し訳ない、声優は3人とも存じ上げない。コメントも無難な感じ。先行カットは、原作絵と並べて見せられると随分違うなという印象だが(特に目のバランス)動いているとさほど気にならないのだろう。

「きららファンタジア」の情報が載るのは今号が初めてだけど、「もうみんな知ってるよね?」あるいは「詳しくはWEBで!」的な扱いで、むっちゃ雑な紹介なのが実に現代的。「まほうつかい」姿のひふみのデザインは初公開で、きららキャラット発売日の28日に2日遅れて、30日にウェブサイト上でも公開されました。
 
NEW GAME!
まさかのフランス編開幕。新キャラ・カトリーヌの紹介で終わってしまった感じだか、逆に言えば今後もフランス編も掘り下げるということだろう。カトリーヌの車はポルシェ991のタルガトップとのこと。フランス人なのにドイツ車なのは、日本人のいわゆる「クリエイター」層が日本車やドイツ車でなくアルファロメオとかのイタ車に乗ってるようなものなんだろか(よくわかってない)。

PECO の次の企画とか、紅葉&つばめが正社員として入社するまでの間とか、日本のほうの話をどうするのかも気になるところである。2話掲載の場合、前に日本の話が、後ろにフランス編が載る感じか(今後2話掲載がどれだけあるのかとは思う)。

NEW GAME!」は本編以外にQuro先生によるアフレコレポートが掲載。カラー1頁・白黒2頁という限られた頁数で各キャストの魅力をよく伝えてくれてます。イーグルジャンプ社員のガヤには得能先生や監督も混じっているそうで、そのあたりも聞き逃さないようにしよう(つってもどんな声か知らないから聞き取りようがないが)。
 
Aチャンネル
猫カフェというのも後学のため一度は行ってみるべきかと思わされた回(ちなみにメイドカフェも入ったことがない)。ところでハシラの登場人物紹介、今回は出番のないレギュラーよりも、たまにしか出てこないヒラちゃんやアレキサンドライトが何者かの紹介のほうが有用なんでは…。
 
「おちこぼれフルーツタルト」
スポンサーであり敵でもあり、親子の因縁もあるという実に複雑な新キャラを、すっきり分かりやすく見せたのが巧い。今後の展開にも興味を持たれるが、「そもそもこの漫画の主人公って誰だっけ?」感が無きにしもあらず。
 
ブレンド・S」
美雨さんのネタ帳を苺香さんと店長が読んでしまうという話だが、ああまでヒネってあれば自分がモデルとは気づくまいw 美雨さんに乗せられて、苺香さんと店長の関係が進展? というヒキも良い(でもどうせ…とは思う)。アニメにも美雨さん早めに出して欲しいな〜。ちなみに、厳密に言うと「学生」とは大学生のことであり、高校生は学生ではなく「生徒」なんだぜ、とトリビア
 
「正義ノ花道」
センターカラーで新連載の「正義ノ花道」。ちょっと前に長期連載「ぱわーおぶすまいる。」を完結させたウロ先生の新作です。平凡な高校生が意中の女子に好かれたいという動機で、変人女子が作ったアイテムで変身…といういささかステレオタイプなヒーローものですが、まぁタイトルで「花道」ってくらいで、あえてやっているのでしょう。きらら系には…あるいは広く4コマ漫画には、ちょっと珍しくて新鮮(ていうかそもそも男主人公がきらら系には珍しい)。
 
「まちカドまぞく」
トビラ絵はここまでの話を引っ張ってきたキーパーソン、ついに出ました千代田桜! シャミ子の笑顔もまぶしい。「わちゃわちゃされると消えちゃう」って割と深刻な事態もギャグっぽく軽く流してますが……。一方で現実世界の面々は「何ガロンくらい?」なんてギャグっぽい台詞でもカバーしきれない重さ。リリスすら止めるほど桃の決意は極端かつ重い重い。ここらへんサブタイがネタの補足にもなっていて、本編の後で見返すとクスリとしてしまいます。「フレッシュピーチブラッドシャワー」に「変身しないと止められない」!

桜さんのコアの在り処はシャミ子の中! …というのは予想の範疇ですが、そのコアでシャミ子の命を支えているとか「妹の分まで呪いを背負った優しい子」とか、シャミ子の身は従来言われていた以上に深刻だったことも明らかに。こうなると「そもそもなぜそこまで強い呪いが?」という疑問もわいてきます。

そして消え去る桜に向かってシャミ子が口にする、これまでがんばってきた動機!
「…桃に 桜さんを返せないと 桃が笑顔になれない…!
さらにその言葉を受けた桜さんの返答は……。
「…大丈夫! 桃ちゃんはもう…私より、町より、自分より大切なものができたみたいだから
そしてサブタイを読み返すと、
「宿敵」!!
もう、これ打ってるだけで目が潤んできます。

桜はシャミ子に「最後に…お願いがあるんだけど」と何やら耳打ちして一時退場…。ここはやはり「自分の嘘に乗れ」と言ったのでは……というネタはツイッター上では見られませんでした。病院が舞台だし、連想したのは私だけでは無いと思うんだがなー。

「まちカドまぞく」、今回はここまででお腹いっぱいなんですが、最大の衝撃はその後やってきた!
「闇堕ちして来た」
「意 味 が 分 か ら な い」
チャリで来た感覚」
の3連コンボ!(3連目はサブタイだけど)。桃が眷属になってシャミ子の記憶の中へ…という展開自体は予想したものですが(http://d.hatena.ne.jp/UnKnown/20170509)このシーンに至るまでの盛り上げ方、いつもは台詞が多めの作品なのにここは最小限の会話に絞ったテンポの良さ、そして「チャリで来た感覚」という小ネタと、期待を遥かに超えたクライマックスとなっていました。へそ出しコスで古傷を見せても&見ても、ほとんど気にしない桃&シャミ子の関係も素敵です。

そんな桃のコスチュームそして「ダークネスピーチ」の名にシャミ子が大興奮なのは、2巻p77とかの「必殺技に興奮する自分」の延長なんでしょうが、2巻p66に描かれたような、ゾンビや幽霊サイドに感情移入することの延長でまぞく仲間に興奮していたのだとしたら微妙に意味が違ってきますな。

てなわけで、シャミ子の桜との対話、桜の一時退場、そして桃の闇堕ちでひと山越した感はありますが、だからこそ次回どうするのか(桃はどうやって笑顔を見せるのか!)、そして4巻収録分からはどんな話になるのか、早くも今から楽しみです。
 
キルミーベイベー
粘土細工というお題で、やすながソーニャを煽って返り討ちに合うという毎度の展開。終盤は二人とも全身を粘土に覆われてツインテ以外では見分けが付かないのが大胆w  「これでもう私に死角はない!視覚もないけど!」とか、やすなのバカは底抜けだな(誉め
 
「ネコじまにゃんだフル」
シロ&クロがそろっていきなりデレて少々戸惑う。いやまあいかにもネコ的な(隠語でなく動物のほうの猫的な)可愛げ全開だし、前回までの話の流れとしても不自然ではないけれど、この先どう話を持たせるのか気になるところ。
 
「すわっぷ⇔すわっぷ」
『白雪姫』のお芝居に春子夏子が主演するというお話。本来ならロマンチックなキスを、春子夏子は特殊な実利のために連発していることがこの作品の肝な訳で、それと『白雪姫』を組み合わせたらどうやったって面白い! 舞台の上で、「癖で」本当にキスしてしまうドライさや、そこから台詞が飛ぶたびに入れ替わるという便利さw など、この漫画独特の設定と二人の完成性とを巧く生かした好編に仕上がってました。…最後に出てきた春子のことが好きな子(名前忘れた…)にまで認められる、というのも良いアクセント。
 
「異なる次元の管理人さん」
このところ話がシリアスに振れ気味だから、パルムのピュアな前向きさが一際まぶしくて救われる。そして世界の根幹に関わる謎が…というか謎の人物がまた増えた。3巻完結かその後も続くかいずれにせよ、3巻で諸々の謎に一区切り付く感じだろうか。
 
「ふじょ子とユリ子」
センターカラーで新連載。ゲスト作の連載昇格は久々。「恋した相手の風変りな趣味に振り回される」というオーソドックスなラブコメだが、ふじょ子の腐女子としてのディテールが絶妙で、確かな変人らしさと「あるある感」を備えつつ、嫌味なく可愛らしいキャラになっている。対してユリ子のキャラは少々弱い(きらら時空で百合は普通だしね)が、片想いしている側としての真摯さと非オタ故の困惑に素直な好感が持てる。ふじょ子に話を合わせる中で、自覚の無かった絵の才能を思いがけず発露させるものの、別にBLに目覚めるわけでない…というバランスも巧い。今後にも期待。
 
「ゆず35歳@中学生やってます」
ゲスト掲載。2話目で、というか後編で早くも身バレ危機。同級生達がかなりの脳内お花畑で、腐った35歳との対比が映えた。「年齢とか性別を偽って寮生活」設定の漫画やゲームはよくあるが、それが終わるような就職活動を積極的にしているという方向性もちょっと新鮮。
 
「リトル・リトル・アリス」
住民に認められると人間(の女王)になれる…という重要な設定がずっと放置されたままだったが、ここにきて現女王が本来の死神リンナとして目覚めるという展開。一発ネタと思っていた女王アドバイザーと王族失墜アドバイザーに、まさか筋の通った存在理由があるとは! そのうえクライマックス前の一番いいところで、アドバイザーたちがまさかの再登場!  ロリコンたちも正気になっていよいよ最終決戦は盛り上がる! …と言えば確かに盛り上がってるけれど、「なぜ卓球勝負?」感は無きにしも非ず。次号はまだ最終回ではないので、その次までかな。
 
「リラのお菓子な魔法」
最終回、単行本化も無しという少々寂しい幕引き。ゲストからの昇格でなしにセンターカラー2話一挙掲載で連載開始、という華々しい幕開けだったのに終わり方がこれというのは、いかなる事情にせよ問題だろう。いやホント、何があったんだろう?

この際だからと1話から読み返したが、やはりどこに向かっているのかよく分からない作品だった。3話から始まった話として読んでも、肝心の「リラは何者なのか、失われた記憶に何があるのか」は放置。なのに、それなりのアイデンティティを獲得していくから逆に落ち着かない。いやいや、リラがアイデンティティを「回復する」のではなく「獲得する」ことが物語の核かと思いきや、街の「結界」をはじめとした作品世界全体に関わる設定もフィーチャー。リラの魔法はどうやらそれに絡んだものだったり、どうもそれとは限らなかったりする。その上「困っている人をほっておけない」設定まであって、そちらの問題提示と解決がまた並行して語られるから、とにかく全体的に詰め込み過ぎという印象が強かった。あとなー、3話でいきなり時間が巻き戻ったんだから、打ち切りなりに最終話のラストは1、2話に繋がる形にすればよかったのでは思ってしまう。

『まんがタイムきららキャラット』7月号

あー郵便料金上がる前にアンケートはがき出しとこ、で5月中にそっちの感想をまとめて書いて投函した反動でブログのほうはほったらかしにしてました。よくある話(ねーよ)。

今月もまた「ひだまりスケッチ」休載、これで3号連続。うめ先生の体調以外の事情もあるのではと勘繰ってしまいますが、まぁ実際「マギアレコード」のビジュアル関連の仕事なんかもありそう。ゲストは5本。

表紙&巻頭カラーはブレンド・S」で、ついに「TVアニメ10月放送開始予定!」と発表。NEW GAME!!が7〜9月で間をおかずに放送開始ということになり、「カラーページの構成大変そうだなぁ…」と思ったり。
 
そのカラーページ、まずはアニメブレンド・S」の、ようやくの詳報。2ページ構成でキービジュアルとともに監督:益田亮司、シリーズ構成:雑破業、キャラデザイン:奥田陽介のコメントが掲載されました。制作はA-1pictures だと聞くと飲食店設定が共通している「WORKING!」が連想されますが、メインスタッフのつながりは無いしまず別物になるでしょう。

そして2ページ構成でNEW GAME!!の続報。新キャラ4人のキャラ表とキャストインタビューを掲載しています。楽しみではありますが、それにしても紅葉とツバメの出番は後半からだろうし、大和・クリスティーナ・和子はどの道ちょい役だし、ほたるに至っては1クールしかない中で一体どれだけ出番があるのかと、不安というか心配というか……。まずはお手並み拝見といったところでしょうか。
 
「まちカドまぞく」
3巻収録分のクライマックスとあって怒涛の展開。どとーといっても主人公は、うじょーひじょーのむいしきにしんにゅーしていたり。てな訳で他人の夢でなく自分自身の過去にダイブしたシャミ子の前に、ついに千代田桜が登場! ついにというか意外に早くというか、桜関連の謎の大部分はこのまま3巻収録分で決着が付きそうな気配すら感じます。

もっとも、桜は今回はほぼ登場しただけ、何を言い出すかは次号を待て! ではありますが……。そんな中で気になるのは、桃のほうの動き。読者視点ではシャミ子は割とのんきしてますが、桃はシャミ子を本気で心配していて、「断固助けに行きたい」とまで言い出しています。これひょっとして、2巻ラストで語られたような、桃がまぞくの眷属になる展開? でもってシャミ子の記憶にダイブするという……。そうすれば「君(シャミ子)の記憶を媒介にむりやり浮上」することしかできない桜とも再開を果たせるわけですし。

3巻分はそんな感じの展開でまとまって、4巻分は「眷属になった桃を看過できない&弱体化した今がチャンス!」と過激派魔法少女がやってきて、併せて6年前の出来事が明かされる……という展開を予想しておきます。

にしても桜のシャミ子への応援、「ほらいける! いけるよ!! いけると思い込め!!」はリリスの「頑張れ頑張れ超がんばれ! がんばってがんばるのだ!!」の天丼ぽい描写ですが、ここはむしろ桃の「出せるか出せないかじゃない…出すんだ。出していこう」(1巻p53)との関連で語るべきなのかも?
 
キルミーベイベー
「タマシイ抜け出るおもしろさ!」というアオリ文句もたいがいな幽体離脱回。「空を自由に飛び回る」イコール幽体離脱という、ネジが2、3本抜けたセンスを目の当たりにすると色々と心配になります……やすなよりもカヅホ先生が。
終盤はやすなとソーニャで「すわっぷ⇔すわっぷ」展開。「頭を思いきりぶつけ合ったら入れ替わるんじゃ?」というより前にまずキスを試してみろ! と思ったのは私だけではあるまい。ないよね?
 
NEW GAME!
センターカラー、これが6巻収録分のラストかな。パーテーションが緑色なのがアニメ化後を強く印象付けてくれます。八神の旅立ちそして見送りを描く中で、青葉と紅葉の和解というか融和を描く重層的な構成が見事でした。……しかし一方、「コウちゃん」呼びするほど親しいはずのひふみは観光の穴場の話しかしないなど、その距離感はますます謎に……。
 
はるみねーしょん
将来の夢が「動画投稿者」とか、来たか時事ネタ! という感じ。つっても時事ネタ取り入れられるのは『きららキャラット』ではこのマンガくらいかな? 「本当に空が飛べるのにフェイク扱い」というのは、定番オチというレベルを超えて古典的とすら感じられまますが、それを動画投稿者ネタに絡めたことで妙な説得力を獲得してます。
 
エクソシストと首輪の悪魔」
純粋な性欲だとしても、あるいは恋愛感情なるものでそれを糊塗したとしても、神父がアルマに催すようでは色々と話が成り立ちづらくなるんだけど、これはこの先どうするんだろう? あんまり下品な話は避けたいとこだが、神父は完全に支配する側で、しかもこれといってアルマに遠慮する理由がない(遠慮する理由がこれまで描かれていない)から、×××とか×××××とかその気になったら何でもヤリたい放題だよね……。
 
「ゆず35歳@中学生やってます」
ゲスト5本の中でこれが飛びぬけて面白かった。基本はタイトルから想像できるとおりの話……35歳の女性がこっそり中学校に通っているという話なんだけど、その35歳っぷりの過剰さや、にもかかわらず中学生を演じることになる経緯の強引さが、なんかスゴい。ただ、そのインパクトが強過ぎて「女子中学生同士のゆるふわな百合漫画」(と作者はツイートしてる)の印象が薄いのは問題か。次回どう話を転がすのか気になります。
 
これらのほか、次号最終回の「リラのお菓子な魔法」、明らかに話を畳みにきた「リトル・リトル・アリス」も気になるところですが、次号感想で触れたいと思います。