『ウルトラＱ』「バルンガ」の回といえば、奈良丸博士のキャラが出色なんですが、その息子・宇宙飛行士の奈良丸も深く掘り下げるとスゴいキャラなんでは？ という気がしてきた。いやまぁ、本編では冒頭でいきなり死ぬだけの人なんですけどね。
「宇宙生物を拾って育てたけど、なんか危ないんで殺しました」なんて言ったがために、学会追放の憂き目にあった男の息子ですぜ？ 劇中ではその当時、息子奈良丸が何歳だったか明らかにされてませんが、息子もその宇宙生物を見ていたとしたらどうか。そして、宇宙飛行士を目指した理由もそれだとしたらどうか？ そう、宇宙に出て、かの宇宙生物を再び捕らえて父の汚名を雪ぐ……そのために宇宙飛行士を目指したのだとしたら。
そんな過去があったとしたら、最期の「ああ、風船だ！」というセリフもちょっと意味が違ってくるし、一方で奈良丸博士の「死に際に『風船が欲しい』とぬかしおった」という淡々とした語りに納得できるのであった。
