名古屋の旅#1/三菱大江工場と名鉄築港線

5月10日、朝の6時過ぎに名古屋駅近くの道端に着いて、まず目指したのは大江。名古屋駅からJRで笠寺駅に移動。駅からだと遠くて分かりにくい場所にある、南区役所前というバス停から市営バスに乗って(Yahoo路線検索によるルート)、大江町バス停で降りる。なお、移動には「ドニチエコきっぷ」なる市営交通一日券を利用した。

目的はここ、名古屋航空宇宙システム製作所大江工場(旧・三菱重工業名古屋航空機製作所)。ようやく現地に行くことができた。昨年の映画『風立ちぬ』に登場、しなかったことで有名だが(「風立ちぬ」は九試単戦が飛んだ昭和10年で実質終わり、この建物は昭和11年築)、私にはそれ以前、2012年3月以来2年越しの宿題だったのだ。
http://gray.ap.teacup.com/unknown/324.html


大きいというか長い建物で、こんな広角でないと端から端まで収まらない。

ちなみに、これが似ているといわれた大宮の三菱マテリアル総合研究所(旧・三菱金属鉱業中央研究所)。現存せず。この写真を撮影した時点では撤去されているが、塔には時計ではなく三菱マークがでかでかと掲げられていた。

玄関には車寄せが無く、そもそも前庭やアプローチが無く、ていうか塀やフェンスもなく、道路に直接面してこの種の近代建築が建っているというのは珍しいかもしれない。見方によっては実に余裕の無い建て方で、当時の敷地利用のプランはどうだったのかに興味が持たれる。主役はあくまで工場、まずそちらに土地をまわして、この本屋は端っこに追いやったとか?

西側の端から望む。

そして大江にはこんな引き込み線があるのであった。閉ざされた重厚な扉の向こうには一体何が!?(ふつうに港湾施設だと思います。ていうかgoogleでもyahooでも衛星写真で見られます)。

また東名古屋港駅から西に名古屋港大江ふ頭への引き込み線が伸びている。このことにより、車両・資材の搬入や廃棄車両の搬出、さらには車両の輸出にも使われ、名鉄のみならず、地元の鉄道産業にも欠かせない路線の一つとなっている。

ウィキペディア名鉄築港線」より)


わびさび。しかし定期列車は無いなりにこれでも現役路線。

こんなクニャクニャッと曲がっていてちゃんと走れるのかと心配になる。

中央奥に見えるのが東名古屋港駅。大江駅からそこまでのひと駅間は電化され、旅客列車が定期運転している。

朝の7時過ぎという通勤時間帯に訪ねたためだろう、意外なほど降車客が多かった。ウィキペディアによると、愛知電気鉄道時代の1924年1月15日に既に開業していたという、これまた意外に歴史のある駅だ。


駅を通り過ぎて、ここがマニアに有名な平面クロス(平面交差)。この画像でヨコを行くのが名鉄築港線、タテは名古屋臨海鉄道東築線という貨物専用線
かくて大江で近代建築と引き込み線を堪能し、次の目的地へと向かう。