下田・旧南豆製氷所

2013-01-26付
明日ありと思う心の仇桜……って、サクラなんてのは一年待てばまた咲くんだからいいじゃないか。こっちは取り壊されたらそれっきりだぞ。なのでマァ無くなりそうなものはとっとと見に行けという話。とりあえず南豆製氷を見に下田へ行ってみるか。明日あたり。

「あしたって今さッ!」
というわけで下田に行ってきた。
上田の翌日に下田。
JR東日本のフリー切符「ウィークエンドパス」は2日間有効で、フリーエリア内にさいたま新都心駅が含まれているから、2日続けて全く別の場所へ日帰り旅行という使い方もできるのであった。
目的はこれ。

【南豆製氷 伊豆下田の石造の産業遺産が解体の大ピンチ!】
http://nanzu.exblog.jp/
 
≪南豆製氷1923−2013≫ 建造90周年記念写真展
※会期を延長しました。
日時:開催中 〜2月3日(日)10:00−19:00
場所:下田市旧町内 伊勢町通り “ハリスの足湯”隣の空き店舗

建物自体だけでなく、写真展もあるので今日のうちに行かなければと思った次第。


北側。天気に恵まれたのですがそのためかえって逆光が甚だしい。崩落の危険があるとかで現在は全体が足場に包まれています。ただ、少し前までは長らくカバーに覆われた状態だったそうで、比べればマシでしょう。


2004年11月に撮影したときはこんな状態でした。このときは帰りがけに目に止まって、これ一点を写しただけ。1年後の2005年11月27日、都内で開催されたシンポジウム「まち遺産を考える―南豆製氷フォーラム」を傍聴して、それ以来この建物のことを心の片隅に留めていたのです(半ば忘れていたとも言う)。
(参考:明日は昨日の為にある
 2005/11/29付「まち遺産の活かし方」



南側。上端には右横書きで「氷製◇豆南」か「氷製◇豆伊」(◇は社章)と掲げられていたと見受けられますが、写真等の資料は現存していないとのこと。


西側は、施設の一部が既に取り壊されて駐車場となっています。



ただそのため、窓(というか穴)から中にある製氷施設を覗くことができました。

写真展は……まず会場がどこかわからなくて大分ウロウロしてしまった(苦笑・「ハリスの足湯 隣の空き店舗」…ってどこー!? 「ハリスの足湯」でググると今度は「下田市中央商店街の駐車場脇」。マップ検索では1本西側の通りが提示され、駐車場を突っ切ればいいと気付くのに随分時間がかかりました)。
閑話休題、写真展には「南豆製氷応援団」の方がいて、これまでの経緯と現状について詳しいお話をうかがうことができました。
2005年のシンポジウムのレポートに私は、

そして最後にマイクを向けられたのは下田市長! ゲストではなく本来は発言の予定はなかったのだ。ここで市長、会場の熱気に中てられたか(コラコラ)市が南豆製氷を買い取ることを半ば約束してしまった。

と書いていますが、どうもホントに熱気に中てられてたようで、2年後にあっさり反古にしてしまったそうな。
その後も紆余曲折あって、昨年春の段階で取り壊されるかも〜なんとか時間稼ぎしたけど昨年12月がいよいよリミット〜そこも延びたけど今年度中でおそらく〜どうも今年度中の解体は無いかも? と、今も事態は流動的とのこと。楽観はできないけれど今は5%くらいは保存の可能性があるとか。

小さい会場ですが写真以外に精密な模型も展示。
さらには南伊豆町にある「湊海軍病院」の写真も見せてもらい、この写真展だけでも下田まで行った甲斐がありました。