超速変形ジャイロゼッター#1

超速変形ジャイロゼッター 1 (ジャンプコミックス)

超速変形ジャイロゼッター 1 (ジャンプコミックス)

「キッズカードゲーム好評稼動中!!」「2012年10月よりテレビ東京系にてアニメ放送スタート!!」「強力なメディアミックス!! ビッグプロジェクト進行中!!!」と帯にうたう「ジャイロゼッター」の漫画版。『サイキョージャンプ』創刊時からの連載作品でした。
まんが担当は『メタリカメタルカ』(asin:4088700953全3巻)が打ち切られた水野輝明……なんだけど、「ジャンプの手駒の中にはもっとプロジェクトに合う(準)新人がいるんじゃないの?」というのが正直なところ。
ジャイロゼッターのマンガなんだから、ロボとクルマをかっこよく、魅力的に描けなければまず話にならない。しかし水野輝昭、小器用にマンガの絵が描けるから、その延長でメカもなんとか描けているけど、線の多いロボを間違えずに描くだけで精一杯、という感じだ。「ロボとかクルマとか根本的に好きじゃないでしょ?」と問いたくなる。上山道郎のマンガ版『機獣新世紀ZOIDS』が打ち切られた後に始まった『塩Zi』こと塩崎雄二の『プラネットZi』を思い出す。
「んー、子供向けの企画ものってこんなレベルなのかなー。求める基準が高すぎるのかなー」と思って、懐かしの『バーコードファイター』や近年のヒット作『ダンボール戦機』、単行本未完の『変形!ヘンケイ!トランスフォーマー』を引っ張り出してきたけど……いやもう。比べるとどうしようもなく見劣りする。『ジャイロゼッター』には逆にこう、「ごく限られたアングルとポーズでしかロボが描けないのに、よく動いているように見せられるな」と感心できる。GT-Rロボとか5コマ全て(ほぼ)同じ絵だもんなぁ…。
漫画家の力量不足でなく、この企画をあてがった編集部の人選ミスというべきで、何をおいてもとにかくクルマとロボが描ける漫画家に任せるべきではなかったか。