四象限図で理解するキャラクター配置

漫画やアニメのキャラクターの配置は通常、相関図に落とし込まれるが、「けいおん!」などの日常系はむしろ四象限図のほうがわかりやすいのでないか、という試論。
x軸、y軸は結果から恣意的に決められるから、分析として説得性のあるものにならないが、まぁどうせ読む者の少ないブログだしそこらへんは勝手に行こう。
第一から第四の象限がどういう順序かはこちらとかご参照→(http://ja.wikipedia.org/wiki/直交座標系)
んでは、「けいおん!」ではこんな軸でどうだろうか。
x軸 おとなしい←→活動的
y軸 天然(バカ)↑↓思慮深い(ずるい)

第一象限には唯(天然で活動的)、第二象限にはムギ(天然でおとなしい)、第三象限には澪(思慮深くておとなしい)、第四象限には律(狡くて活動的)が入る、と。梓は第三象限からはじまって第四象限に近付いていく感じかな。

こうして整理すると、
・「空気系」という言い様に違和感を覚えるのは、「その評価は、ストーリー開幕前の唯は第二象限にいたのが第一象限に移行している、という誰が見たって明らかな事実から目を逸らしているからだ」と理解できる
・普通に読んでいるとor観ていると意識しないけど、主人公・唯に対して一番人気の澪は対極に配置されていることが見える
・二次創作の百合カプは唯ムギが人気で、また劇中の描写では律澪が重点的なのは、それぞれy軸上で同じレベルにあるからだと推察できる
とかなんとか、もっともらしく書ける。

けいおん」をはじめとする日常系アニメ・マンガに4人ヒロインが多いのは、実はこういうキャラ配置の事情なのかもしれない。「x軸、y軸は結果から恣意的に決められる」ことをむしろ積極的に活かすと、「けいおん」とは種類の異なる、しかし4人ヒロインアニメのキャラ配置も整理できる。
例えば「Aチャンネル」はこんな軸のとり方でどうだろう。
x軸 おとなしい←→活動的
y軸 友好的(癒し系)↑↓攻撃的(ツッコミ系)

第一象限にはゆん(友好的で活動的)、第二象限にはユー子(友好的でおとなしい)、第三象限にはトオル(攻撃的でおとなしい)、第四象限にはナギ(攻撃的で活動的)が入る……。

ごめん、このアニメまだ2回しか観ていないからよくわかんない。

いやまて、日常系に限らないぞ。例えば「花咲くいろは」の何がダメかも四象限図から見えてくる。「けいおん」と同じ軸で見てみよう。

第一象限には緒花(天然で活動的)、第二象限にはなこち(天然でおとなしい。天然とはちょっと違うが、緒花と同レベルかつ対称を成すヒロイン)、第三象限にはみんち(思慮深くておとなしい)ときて、第四象限(思慮深くて(or狡くて)活動的)に入るキャラがいない。
設定上は巴姐さんがちょうどいいはずなのだが現状で背景キャラだし、4人ヒロインのひとりのはずの結名には背景ほどの出番もない。
実は、1、2話の段階では第四象限に入るヒロインがいた。女将だ。緒花・なこち・みんち・女将、相互の関係性まで含めてこの4人でバランスが取れていたのだが、制作者はその重要性に気づかなかったのか、以後、女将の立ち位置はぐっと後退してしまった。そのため、緒花の「天然で活動的」なキャラクターが突出してしまい、物語のバランスを欠いてしまっているのである。

こんな調子で、キミの好きなあのアニメ、あのマンガも四象限図に落とし込んでみてはいかがだろうか。また違った見方もできるはずだ、とかなんとか紋切り型で締めてみる。



■おまけ。『かたカナ』(2011年6月8日付)の場合。軸はこれも「けいおん」に合わせてみる。
x軸 おとなしい←→活動的
y軸 天然(バカ)↑↓思慮深い(ずるい)

第一象限には片瀬カナ(天然で活動的)、第二象限には志紀・ヘップバーン(天然でおとなしい)、第三象限には平賀なな(思慮深くておとなしい)、第四象限には六随漢子(思慮深くて活動的)が入る。神代ヲシテは梓とは方向性が異なるキャラ付けながら、追加キャラの倣いなのか、第三象限から始まって第四象限に近付くことになる。
志紀は漠然と、「天然で活動的」のイメージだったが、それだと主人公の片瀬カナと被るのでおとなしめにすべきだろう、なんて修正の方向性もこの四象限図から見えてきた。