東京マグニチュード8.0

予想通りとはいえ、最終回は丸々一話震災とは直接の関係が無い話だった。表看板は一応「震災時避難シミュレーション」なんだから、最後までその線を外さずにまとめて欲しかったところ。PTSDとかその対処法くらいの要素は、話に絡められたと思うのだが(あとはまぁ、途中で置いてきた遺体の引き取り手続きの解説とか……うぅ)。
ドラマとしては、悠貴くんが解釈の余地無く幽霊になってしまったのが残念。あれが幽霊ではなく未来ちゃんの妄想なのだとしたら、「ぼく、お姉ちゃんといたいんだもん」も「お姉ちゃん、大好き」も、「悠貴にそう言って欲しい未来の願望」の現れってことになる。それではさすがに未来ちゃん、ちょっと違った意味で「可哀想な子」だ。
前回は巧い具合にどっちともとれる描写になっていたんだけどなぁ…。影が無い、というのも幽霊の描写としては陳腐の極み。ていうか冒頭(=前回ラスト)では悠貴くん、逆光になってるんですが。
うーむ、感想を書くと毎度厳しい、というか冷たいことばかりになるな。基本的には良い作品だったと評価しているし、泣かされたシーンもあるけれど、志の高い作品はそれに合わせて評価基準も高くなるから、こうなってしまう。
とりあえずエンディングにはやられた。悠貴くんがいない復興の街、悠貴を亡くしても世界は回っていく……という物悲しさを感じさせて、その1カットだけ元のままか!! ただ、最後はひねり過ぎでちょっと「?」(姉弟いっしょに帰ってきた、という絵の意味はわかるけど、現実としていつどこで靴を回収してきたのやら)。