『まんがタイムきららキャラット』9月号

久しぶりに看板作品が全て揃った。……それでも休載無しではないのがある意味すごい(「ぷらいまりィずむ!」が休載。私には読んでないマンガなので関係無かったり)。しかしアレだな、放映中の作品や円盤の発売だけでなく、放映予定とか企画進行中とかまで含めても1本もアニメが動いてないんだな。かなり今さらだけど。
 
ひだまりスケッチ
宮ちゃん天然良い子。卒業後の進路の選択に金銭問題が絡む、というかなり現実的でシリアスなテーマを真正面から捉えつつも、笑えてほのぼのなコメディに仕上がっていて見事でした。
 
「GA 芸術科アートデザインクラス
人間国宝の無名時代の作品に踊らされる話。ネタがネタだから今回はうんちく要素が少々強い。作品内の時間では「もうじき冬休み」なのが軽く衝撃。「ひだまり」みたいに、季節がずれているなりに季節イベントが描かれているならまだしも、ふいとオチに使うためだけに冬休みに言及するとは。
 
「Aチャンネル」
るんとトオルが庭先のビニールプールで戯れる話。今回は4ページしかなく、実質この2人しか登場しない。「ひだまり」もだけど、レギュラーが全員登場しないのが寂しいね。
 
キルミーベイベー
これも2人しか登場しない……っていつものことか。やすなが霊媒師のふりをする話。やすなの芝居が見え見え過ぎて、「ソーニャは幽霊が苦手」設定を生かす余地が皆無だったのはいいのか悪いのか。
 
「ばーどすとらいく!」
「鳥が 人間の格好をして 猫に懐かれておるわ。奇妙な光景よの」……今回はもう、このアイデアだけで勝ちだろう。つか、動物と会話できるという設定があったんだな。
 
「NEW GAME!」
長いこと社会人やってるとこういう社会人マンガのほうが「わかりやすい」というかなんというか。土曜出勤の朝に感じる疎外感とか、手土産買って出社するどこか弛緩した感じとか、なんというかちょっとイヤな「あるある感」があった。
 
「まちカドまぞく」
前号から続くスペシャルゲスト第2話。「あるとき突然『闇の一族』として覚醒した! けどとても弱い」というありがちな設定の「ありがち」が、「わかりやすい・伝わりやすい」のプラスに働いているあたり、かなり描き慣れているという印象。なんだけど「伊藤いづも」でググってもこれといって商業マンガでの実績はヒットしない。何者なんだ!? いや、だって今回(前回も概ね)、魔法少女のほうは何もしていないんだよこれ。設定に溺れず、余計な説明をせずに掛け合いだけできっちり面白味を出していて、かなり巧い。
 
「いつか四つ葉のシャムロック」
スペシャルゲスト第3話。うーむ、3話かけてレギュラー(になるであろう)キャラクターがそろっただけで終わってしまった。あえて話を大きく動かさず、「続きが気になる人はアンケートよろしく!」って戦略なんだろうけど、物語の核になるはずの主人公の「不幸体質」が具体的に描写されたのは今回の洗濯物の件だけで、だから今後どう改善されるのかが見えず、先の展開に興味を感じないんだよね。それとキャラクターがホントにただ揃っただけで相互の関係性が築かれていないから(かろうじて、主人公と新入りに前回からの奇縁があるだけ)、その点でも興味を持てない。
もうちょっと展開を早くして2話までに今回の内容を済ませて、3話目で「不幸体質とは実は…」を描くとか、住人同士が連帯感を強めるエピソードを描くとかしたほうがよかったのではと思う。
細かいことだと、漫画家と新入りが各々どう「ワケあり」なのかは台詞の説明だけでも必要だったのでは? 新入りについてはマァ、高1の4月なのにスクーターに乗っているという謎が既に描かれているけど、そこはミステリアスでも何でもないからなぁ。
感想を書けば文句しか出てこないけど、人物造形の方向性はちょっと好みなので作者の「まだら」の名は覚えておこう……ってなんでこう4コマ系の作家は覚えにくいPN付けるかなぁ!?
 
「カスタムメイド!」
ゲスト1話目、カラーページ付。隠れオタのお嬢様とクールだけどぽんこつなメイドの話。オタ趣味を介して主従関係がズレかける、という状況がまずは今後への興味をつないでくれた。ぽんこつだけど大体のことは一夜漬けで習得できる、という設定は新しいけど、これまでメイドとして何をしてきたのかという疑問。翌日には忘れてる、とかか? 
 
「セカイ魔王」
カラーページ付。前回の勇者対魔王がクライマックスかと思ったら、魔王と神との対峙でさらに盛り上がってきた。次回ここに勇者アルシャさんが割って入るわけだ。