怪奇大作戦

録画しておいた分をまとめて視聴。
怪奇大作戦 セカンドファイル」第3話「人喰い樹」……ストーリー上必要なこととはいえ、植物にクラシックを聞かせるだの植物の心だの、なんつーか前世紀のアイデアだよなぁ。それともあれか? この脚本家は道徳の授業で「水に『ありがとう』と聞かせるときれいな結晶を作る」というインチキ科学を聞かされたクチなのか。だとすれば今は小学生か中学生、今回の話の出来も納得できるのだが。
閑話休題、「樹木に感情がある」という線は譲ったとしても、花粉レベルとなるとまず感情があるとは想像しづらい。「感情に相当する電気信号の動きが云々」という疑似科学的な解説をしたとしても、でも聴覚が無いんだからクラシックを聞かせてもどうよ、という話になる。仮に飛散中であるなら「音という空気の振動が云々」と、疑似科学的な解説もできるけど、既に体内に入ったものに効くことの説得力ある理由にはならない。ホントに、前世紀的なオカルトセンスの思いつきワンアイデアだけで、練った形跡が皆無に等しい。
この花粉の感情以上に有り得ないのが、迅速かつ強権的な日本政府の防疫対策。政府にそんなに優れた危機管理能力があるとは思えんよな。こういうのも中学生並のセンスの「人の話を聞かない、反省の無い大人たちの社会」を、そのまま画にしただけ、という印象を禁じえない。
本家「怪奇大作戦」のテイストを継承しつつ現代的に仕立てた第1話こそまず観られたものの、今さら感あふれる「映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」の劣化コピー(肝心のテーマをすり替えて、ただの「昔は良かった」にした愚劣化コピー)に過ぎない第2話、そして第3話と、物語は回を重ねるごとにダメになっていった、というのが率直な感想。3話で終わってよかったのかもしれない。