週刊少年チャンピオン#13

『ギャンブル フィッシュ』
君はソーニャ・V・枯野を知っているか?
知らなくとも問題は無い。
閑話休題、デコイのやることとはいえ、核になるトリックはどうにも子供だましだし、そこに上乗せされるもう一段のトリックも、ただの単なる「素早いすり替え」ってだけではなあ。前回までは、ちょっと無理な気がしなくもないけど筋の通ったトリックによって、読者の目をも欺いてきたのだが……。いきなりの失速に先行き不安になる。一気に「トーキョーゲーム」になれば、それはそれで面白いのだが。あと「極上だぜ!」「トサカにきたぜ!」にも期待(それは作画のほう)。

『不安の種』
リアル志向の絵柄で描かれる日常のなかに「不条理」がスルリと滑り込んでくる恐怖。その不条理は種粒のように小さく、それ故に、言い知れぬ不安感を招く――。
てな感じであろう狙いはわかるし、他の漫画家には描けない領域だとは思う。でもなぁ、なんというか色々と難しいよね、コレ。早くもネタ切れ気味だし(『RED』での連載のほうはどう幕を引いたんだろう?)。
「不条理」を不条理のままに、絵面はおろか存在理由さえも「具体的な何か」にせず、しかし具体性を持ってしまう絵で表現する、なんてのは途方もない挑戦だよ実際。だから描き手にはもちろん難しいんだけど、読者にもかなり難しいんではないか? と。
私のようにすれたマニアではない、一般読者の反応が今最も気になる漫画だ。

涅槃姫みどろ
次回最終回。一話完結形式を固持し、レギュラー・準レギュラーもあまり増やさなかった(=みどろさんが最強という位置付けを固持した)から、いいかげんネタ切れなのだろう。他の設定はともかく、ラーフラについてはそれなりの決着をつけてほしいところだ。