/80'sロボ

「80'sロボ」特集にひかれて購入したのだが……うーん、イマイチ。
カラーページの記事は、80年代を伝聞でしか知らない世代に対する解説というスタンスで書かれているため、カタログ的な作品解説ばかりで踏み込みが足りない。モノクロページにかかる『ロボットのお作法』の分析は「ハァ?」と言うよりほかないピントのずれたもの。『「リアル」と「スーパー」に分かれた世界観』には「基調講演」としての意義が認められるものの、やはり入り口どまりだ。年別に製作本数の変化を追った『ロボットは何と戦っていたのか』は、決して的外れではないものの、「ただ数えただけ」で面白くもなんともない。
そんな特集のなかでも読み応えがあったのが、矢立肇インタビュー(笑)だ。そらまぁ、矢立肇に話を聞けば誰がインタビュアーだろうが面白い記事になるわな、と言いつつ取材・構成を担当した廣田恵介の名を記しておこう。この書き手が「わかっている」のは、『Zガンダム』の誕生をオモチャの売り上げを考えてのことと理解し、重要なターニングポイントと捉えて、そこで記事を終えていること。他の記事のように「80年代」を扱おうとせず、あくまで「80年代半ば、折り返し点が来た」とZガンダムまででひとつの時代を切り取っているために、「正しい」分析となっているのである。
読み返すと、『「リアル」と「スーパー」に分かれた世界観』も85年までで区切っていて、他の記事は80年代全体で扱っている……。どうも、分析のおかしさはそこに起因するようだ。