積ン読の山から一冊引っ張り出して読み始めた。
反魂丹の文化史―越中富山の薬売り (玉川信明セレクション―日本アウトロー烈傳)
- 作者: 玉川信明
- 出版社/メーカー: 社会評論社
- 発売日: 2005/12/01
- メディア: 単行本
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何かと面白い本なんですが、とりわけ興味深かったのが携行品のひとつ、「矢立」。墨壺と筆を入れる管が一体になった筆記用具で、オタ的にはサンライズの偉〜い先生、矢立肇の元ネタとしておなじみのはず。もちろん、売薬人独特の携行品というわけではないのですが……。
この矢立で変わっているのは、管の部分が六十センチくらいもある長いのがある。これは廃刀令(一八七六)が出たところから、それまで武家並に帯刀したりしていた売薬人たちが、道中脇差代りにこのような矢立をつくって、差して歩いたのである。むろんこれは旅で危険に会った場合の、護身用の矢立である。
(p34)
仕込み矢立についてはウィキペにも言及があって、ググれば画像も出てくるけれど、ああいう暗器の類でなくてこれ見よがしのデカさだというのが面白い。それも「斬る」「刺す」でない「ブン殴る」系の野蛮な武器だという(だよね?)。「ペンは剣よりも強し」とはこれのことかと妙に納得できるのでした。