復刊「クルクルくりん」

かつて19時台にテレビドラマ版が放映されたことがある、といっても信じる者は少なかろうマイナー作品が、どういうわけかハヤカワ文庫で唐突に復刊(クルクルくりん (1) (ハヤカワ文庫 JA))。
あとがきにあるとおり、元より少年誌の一般読者にウケることを目標として描かれた作品なので、いま改めて見たところで「80年代の少年マンガだねぇ」というくらい。とくに再評価すべきポイントは無い(今のとり・みきのファンにはチャンピオン時代の作風が興味深いかもしれないが)。
チャンピオンコミックスの歴史上では、カバーデザインの基本フォーマット(上から、白地にタイトル・イラスト・白地の右下端に『○○コミックス』)を外してお洒落志向に走ったおそらく最初の例なので、その点ではターニングポイント的な存在なのだが、当然の如くカバーは新デザインになっている。
ただし、それでもなお私が買ってしまったのは、ファンだから…ではなくて、我が座右の銘が収録されているからだ。
「地口はギャグの基本なのに!!」
うむ。基本は大切にせねば。……試みに、「地口はギャグの基本」でググッたら他にもこれを座右の銘にしている人がいて実に心強かった。