ゾイドジェネシス#17「怒り」感想

ム・ム・ム・ム・ムテキ 無敵団
ム・ム・ム・ム・ムテムテ 無敵団
夜明けの来ない闇など無いぜ 冬が来たなら春は来るぜ
嗚呼、無敵団 嗚呼、無敵団  天下無敵の無敵団

というわけで。ディガルドの罠にかかり無敵団は全滅。怒るガラガは、遂にデッドリーコングの左手の封印を解いてディガルドを撃破する。本来は止める術の無いコングの暴走を、しかしルージを止めることが出来た……。ルージとガラガは、無敵団を守れなかった悔いを己の胸に刻みつけて、旅を続ける――というお話。

「ぷー、死ぬかと思った」「つい居眠りしちゃいました」「ひざすりむいちゃいましたですよぉ」「いっぱい動いたから体重が半分になっちゃったわよ〜」「死んで花実が咲くものか」……。「実は生きていた」というのは予想通りでしたが、ルージやガラガはそのことを知らないという、シリアス―コメディのバランスの取り方に感心。

ルージ視点の物語としては、「無敵団は行き当たりばったりで、このままではいつか…」という危惧から、「俺たちには道を示してくれる人が必要だ」に至りましたから、それが今後ラ・カンと行動を共にする積極的な理由となるのでしょう。次回あたり、ラ・カンに「反ディガルド活動の指揮を取って、道を示してください!」と頼み込むも、ラ・カンは「私は故国を護れなかったのだ…」と、その苦悩を打ち明けるという展開があるのかも。撤退する敵を討つ殲滅戦に対して、「俺たちはディガルドにはならない!」と止めに入るのは不合理ですが、アニメの主人公の立ち位置としては、まず正しい。無敵団の戦い方でも、暴走コングの戦い方でもないやり方で、ディガルドに苦しめられている人々の開放を目指す……そんな道を目指すのでしょうか。

ガラガもまた、「昔の俺を見ているようでよ」から無敵団に手を貸し、「結局、俺はまた仲間を護ることができなかった…」に至るという、ゲリラの過去の話を踏まえた心理によって「道を示してくれる者」の必要性に行き着く。この流れが非常に自然でした。

そして視聴者の視点には、こってりお約束のコメディを提供するという、なんというか優れて重層的な(笑)回でした。作画面では、人物の作画が前回と比べてチト微妙でしたが、まぁ許容範囲内。CG面では、発売直前のアピールもあってデッドリーコングが大暴れで非常に見応えのあるものに。この調子で頑張って頑張って欲しいですな。

ゾイド
CMでハヤテライガーを披露して、Bパートに入って早々にムラサメライガーが火口へ落下したものだから、てっきり「マグマを浴びて進化!」という展開なのかと(笑)。これで主役はデッドリーコングなんだから、大したフェイントだ。左腕の封印を解く一連の描写は、密度の高い凝りまくりの絵で、「ひょっとしてバンクで使い回すことが前提?」と疑いたくなるほど(笑)。玩具ではどの程度まで再現されるんですかね。また、棺桶の中の「彼」の設定が本編でも使われるのかも気になるところ。
その他、ムラサメライガーがパイルバンカーで方向転換したり、棺桶の腕が斧を持っていたりと、色々と細かな芸を見せてくれました。2クールに入って製作体制が整ってきたのかな。