姫路・国土復興之祈願塔(上)/忠魂碑・忠霊塔#46a

10月17〜19日にちょっと神戸へ行ってきた。そのうち18日は「神戸まで来たんだからついでに」という気分で姫路へ向かって、そしてついでで行ける距離では無いことを思い知ったのだが、それでも行った甲斐はあった。(コピペ)

姫路でまず向かったのは国宝にして世界遺産の姫路城……なんだけどもその話は後ほど(触れないかもしれない)。姫路城の敷地内、天守閣の東側で市立美術館にまで行き着く途中にあった塔をまず取り上げたい。
 
【観察と課題の発見】
んで、今回はモノが色々と面白かったので、ノウハウの伝授を……というと大仰ですが、この種の碑や塔は何が面白いのか、どう見て、何に気付き、そしてどうググるか(引いては調べるか)を順を追って書くことにします。

3つ並んでますが、この一番右側。

ええと、これ実は「忠魂碑・忠霊塔」ではないんですが、テーマが合致するのでシリーズのひとつとして取り上げます。

まずは傍らの説明板から取り上げましょう。

國土復興之祈願塔
昭和二十年八月大東亜戦に於て日本国無條件降伏 敗戦 国土の大半焼土と化す 人心の不安其の極に達す
釈迦如来の経典に拝す国土の乱るる時は国土の諸々方方に釈迦 多宝佛の宝塔を建立すべし 是国家鎮護の妙典也と 仏の金言真実也疑ふ可からず 信ずべし崇むべし 恐々謹言
 尚戦禍の犠牲となられた戦死者 戦没者の御霊魂の成佛を祈念する為 佛舎利塔の建立を計画 印度国ネール首相に釈迦佛の御舎利を御贈与被下る様懇願 手続準備中也
 昭和二十一年八月八日建之
  日本山妙法寺 山主 藤井日達猊下信徒
  発願者 仏使 姫路市 永谷孫一合掌三拝

http://www.mmdb.net/yamagata-net/usr/mae/hobo/page/A0903.html
なんかマァいろいろと書いてますが、とりあえず覚えておくべきはこれが「國土復興之祈願塔」であり、「昭和二十一年八月八日」に建てられたという二点だけでいいでしょう。

碑文は「南無妙法蓮華経 日蓮」。

台座正面には、右横書きで「立正安国」。

右面には、これも右横書きで「日本山妙法寺」。

背面には……何も書かれていない。

左面には、1行2文字の縦書きで「皇紀2604年8月25日」。
 
塔と台座、よく見れば明らかにおかしな点がある。特別な知識が無くとも一発ググればわかることなんですが、さてそれは何か?






説明は「昭和二十一年八月八日建之」としていますが、台座には「皇紀2604年」つまり昭和19年とある。となるとまだ戦時中、この塔はそもそも「国土復興之祈願塔」ではないのですね。ならば何? といったところで一区切り。